電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年1月に64Vmax 充電式芝刈機 MLM003J/MLM004Jを発売する。新型の57.6Vバッテリーを搭載によりエンジン式同等のパワーと自走スピードを実現する。希望小売本体価格は480mmモデル 219,800円(税抜)/530mmモデル 225,800円(税抜)
目次
マキタ 充電式芝刈機 MLM003J/MLM004J
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年1月に64Vmax 充電式芝刈機 MLM003J/MLM004Jを発売します。
MLM003J/MLM004Jは、新型バッテリーシリーズ64Vmaxに対応する充電式芝刈機です。充電式モデルながらエンジン式相当のパワーと自走機能を備えており、刈り残しのストレス無く快適に芝刈り作業ができます。
高剛性のスチールデッキによる高い耐久性を備え、芝刈りの作業効率を向上させる刃物前方傾斜やマルチング機能など各種機能を搭載します。
1充電あたりの作業量では、460mmモデル MLM003J BL64100バッテリー(57.6V-10Ah) 装着自走時で2,700m2に対応します。
製品仕様は刈込幅460mmのMLM003Jと530mmのMLM004Jの2仕様で展開。販売仕様は本体のみのJZ仕様で販売します。
- MLM003JZ (刈込幅480mm) 本体のみ 希望小売価格219,800円(税抜)
- MLM004JZ (刈込幅530mm) 本体のみ 希望小売価格225,800円(税抜)
製品仕様
製品名 | MLM003J | MLM004J |
---|---|---|
外観 | ||
刃長 | 460mm | 530mm |
バッテリー | 64Vmax | |
最大作業面積 BL64100装着時 |
手押:3,700m2 自走:2,700m2 |
手押:3,800m2 自走:2,800m2 |
刈込み高さ | 20~100mm | 20~100mm |
回転数 | 標準:3,200min-1 静音:2,500min-1 |
標準:2,800min-1 静音:2,300min-1 |
最大作業時間 BL64100装着時 |
手押:1時間26分 自走:1時間3分 |
手押:1時間21分 自走:59分 |
防水防じん | IPX4 | |
重量 | 33kg | 33kg |
寸法 | 1,670~1,745 ×550×965~1,075mm |
1,740~1,810 ×595×970~1,080mm |
本体価格 | 219,800円(税抜) | 225,800円(税抜) |
販売年月 | 2023年1月 |
製品の特徴
「新しい大容量バッテリー 64Vmaxシリーズに対応」
MLM003J/MLM004Jは、マキタの新バッテリー64Vmaxシリーズに対応する充電式芝刈機です。
64Vmaxバッテリーは57.6Vの大型バッテリーで最大容量10Ah(576Wh)の高電圧・高容量仕様を備えており、高出力で大容量を必要とする充電式製品に対応します。
最大出力 3,200Wエンジン式相当のパワー
最大出力3,200Wの仕様を備え、エンジン式同等のパワーと自走スピードを実現しています。
最適刃物形状と高トルクのアウタローター型ブラシレスモータの採用と刃物を前傾に取り付ける刃物前傾傾斜でよりパワフルで広範囲に作業ができます。
自走用の独立モーターを搭載し1.5~6.5km/hの範囲での無段変速可能に対応。場所に応じた最適なスピードを選択可能でエンジン芝刈り機同等の6.5km/h走行も可能です。また刃物を回転させない自立移動もできます。
環境に応じて切り替えられる機能切り替え3モードを搭載
- 標準モード
高回転でパワフルに刈り込み。落ち葉掃除にも便利 - ソフトノーロードモード
低負荷時は低回転、高負荷時は高回転に自動変速 - 静音モード
低回転で騒音が気になる場所に最適
刃物前方傾斜
後方での2度切りを防止する刃物前方傾斜。芝刈り作業時のエネルギーロスを低減。
マルチング
刈った芝を細かく砕き、肥料として芝生に撒きなおすマルチング機能を搭載。
ハンドル収納可能でコンパクトに
折り畳み式ハンドルを搭載。ハンドルを折り畳んだ状態で縦置きできるので省スペースです。
防水保護等級IPX4に適合
雨天時でも使用できる防災保護等級IPX4に適合します。放水での水洗いにも対応するので清掃も簡単です。
マキタ 歴代充電式草刈機(刈込幅530mmモデル)との比較
今回のマキタ64Vmax草刈機は、プロ向け用途の大型手押し式草刈機として4モデル目になります。
マキタは複数のバッテリープラットフォームを展開しているので、対応バッテリーごとに製品を展開していますが、カタログシート上の製品スペック上では大きな違いが無いため、一見すると64Vmax芝刈機の利点は無いようにも見えます。
今回の64Vmax草刈機に関しては、最大出力3,200W仕様を謳っているように芝刈能力の高さを特徴としているようです。このあたりは実際のフィーリング次第なので、製品を選定する前にマキタ営業マンと入念に相談した方が良いのかもしれません。
製品名 | MLM004J | MLM002G | MLM001C | MLM532D |
---|---|---|---|---|
外観 | ||||
刃長 | 530mm | 530mm | 530mm | 534mm |
バッテリー | 64Vmax | 40Vmax | PDC1200 | 18V×2 |
最大作業面積 | 手押:3,800m2 自走:2,800m2 |
手押:3,400m2 自走:2,500m2 |
手押:6,900m2 自走:5,100m2 |
手押:2,300m2 自走:1,700m2 |
刈込み高さ | 20~100mm | 20~100mm | 20~100mm | 20~100mm |
回転数 | 標準:2,800min-1 静音:2,300min-1 |
標準:2,800min-1 静音:2,300min-1 |
標準:2,800min-1 静音:2,300min-1 |
標準:2,300min-1 静音:1,700min-1 |
最大作業時間 |
手押:1時間21分 自走:59分 |
手押:1時間29分 自走:1時間6分 |
手押:2時間30分 自走:2時間00分 |
手押:50分 自走:40分 |
防水防じん | IPX4 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
重量 | 33kg | 31kg | 46kg | 40kg |
寸法 | 1,740~1,810 ×595×970~1,080mm |
1,740~1,810 ×595×970~1,080mm |
1,630~1,715 ×590×990~1,095mm |
1,630~1,715 ×590×990~1,095mm |
本体価格 | 225,800円(税抜) | 205,800円(税別) | 156,100円(税別) | 156,100円(税別) |
販売年月 | 2023年1月 | 2022年12月 | 2021年3月 | 2020年5月 |
64Vmaxシリーズはバッテリー容量単価の安さが魅力だが…
64Vmax芝刈機ではなく64Vmaxシリーズそれ自体への疑問となってしまうのですが、40Vmaxで十分対応できる製品をわざわざ64Vmaxとして新しく出す意図が全く分かりません。
最大出力に関しても、40Vmaxバッテリーの拡張規格である80Vmaxにすれば原理上5.6kWまで対応可能であり、普通に考えれば今回の製品は80Vmaxシリーズとしても対応できたかと思います。昨今のマキタ関連のニュースでは投資家界隈の話題として「在庫削減」が取り上げられているのですが、同じような製品を異なるプラットフォームで出し続けることを良しとする製品企画サイドにも問題があるのでは?とも考えてしまいます。
さて、個人的な心情として展開の意図が不明な64Vmaxシリーズなのですが、一応の利点は存在するバッテリーシリーズにはなっています。
希望小売価格で1Wh当たりのバッテリー容量単価を算出すると、40Vmax BL4080Fバッテリーは217円/Whなのですが、60Vmax BL64100バッテリーは161円/Whとなり2割ほど安いため、64Vmaxバッテリーはバッテリー容量を必要とする製品に対しては有利に働きます。
大型・低価格なバッテリーであり、取っ手のついた堅牢なバッテリー形状である点も含め、乗車型の芝刈機やより大きい運搬車・さらには世界を制すマキタモビリティなどにも期待したいところでしょうか。
40Vmaxシリーズと役割がほとんど被っている64Vmaxバッテリーについて、マキタがどこまで展開を行う考えを持っているのか見ものと言えそうです。
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