電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2024年1月に40Vmaxシリーズ 充電式インパクトドライバ TD003Gを発売する。ボルト締結作業に最適な逆転オートストップモードを搭載。希望小売価格は28,100円(税抜)。
目次
マキタ 充電式インパクトドライバ TD003G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2024年1月に充電式インパクトドライバ TD003Gを発売します。
TD003Gは、40Vmaxバッテリーで動作する充電式インパクトドライバです。
ボルト締め・緩め作業に最適な逆転オートストップモードにより、ナットが緩むと自動停止してナットの脱落を防止する機能を備えています。
また新レンジバッテリとして40Vmax 2.0AhバッテリーのBL4020も同時発売します。
販売仕様は、バッテリー充電器付属のTD003GRAXと本体のみのTD003GZの2仕様で販売します。
- TD003GRAX バッテリBL4020×2・充電器DC40RA付属 希望小売価格80,800円(税抜)
- TD003GZ 本体のみ 希望小売価格28,100円(税抜)
TD003G 製品仕様 (TD002G比較)
製品名 | TD003G | TD002G |
---|---|---|
外観 |
||
能力(小ねじ) | – | M4~M8 |
能力(普通ボルト) | M5~M16 | M5~M16 |
能力(高力ボルト) | M5~M14 | M5~M14 |
能力(木ネジ) |
– | 22~125mm |
最大締付トルク | 210N・m | 220N・m |
無負荷回転数 | 0~3,700min-1 | 0~3,700min-1 |
打撃数 | 0~4,100min-1 | 0~4,600min-1 |
防水防じん | IPX6 | IP56 |
LED | 2灯 | 4灯 |
重量 | 1.6kg | 1.6kg |
寸法 | 121×86×245mm | 119×86×247mm |
本体価格 | 28,100円(税抜) | 31,100円(税抜) |
販売年月 | 2024年1月 | 2022年1月 |
製品の特徴
「ボルト締結作業向けに機能を絞ったインパクトドライバ」
TD003Gは、逆転オートストップモードの搭載により各種ボルト締め・緩め作業に最適なインパクトドライバです。
最大締付トルクは210N・mの仕様を搭載しており、ダブルボールベアリング搭載によるビット振れの低減によって使いやすさも追及したモデルとなっています。
40Vmax新バッテリー BL4020も同時発売
TD003Gとの同時発売で、40Vmaxの新バッテリー BL4020も発売します。
容量が少ない分価格も安くなっているのが特徴で、2.5Ahモデル BL4025の 24,400円(税別)に対して、BL4020は20,400円で販売します。
TD002Gとの差別化要素に弱いインパクトドライバ
今回のTD003Gに関しては、昨年から海外市場で販売が始まったTD003Gを日本市場向けにローカライズした製品となっています。製品仕様としては日本向けインパクトのような機能ゴテゴテのフラッグシップモデルではなく、海外市場向けのシンプルな仕様が特徴です
インパクトドライバそのものの仕様としては十分に性能の高い製品なのですが、日本国内においてはTD002Gが販売されていることからTD003Gの優位性はほとんど無く、機能や価格的に選ぶ理由はほとんどない製品となっています。
少し話は逸れるのですが、インパクトドライバだけは各社なぜかクラス分け戦略を取りたい指向があるようです。この考え方は、ニッカド7.2V~12V電動工具時代に電圧ごとにインパクトドライバを展開していた名残なのかもしれません。
現在でもその流れは続いており、マキタ18VモデルではハイエンドクラスのTD173D、ベーシックタイプのTD149D、軽量小型のTD157Dの3モデルを展開しています。このようなモータ種類やサイズの違いなどで価格や仕様を大別できたなら理解できる部分もあるのですが、今回のTD002GとTD003Gはインパクトドライバそれ自体の仕様として目立った差別化が出来ておらず、意図がほとんど読めない存在意義の不明な製品となっています。
今回のTD003G発売の背景を推測するならば、営業サイドの「機能を絞ったシンプルで低価格なインパクトが欲しい」と企画サイドの「40Vmaxのラインナップを増強したい」の部門毎の思惑が都合よく解釈され発売に至った製品と見ており、実態としてユーザー要望や需要を無視した製品になったもの捉えています。
実際、海外展開のインパクトドライバを日本仕様にすることで新製品開発としての手間は少なく済み、マキタ内部の都合としてもメリットも大きい製品なのでしょうが、仕様的にTD002Gとのコストパフォーマンス差は見出せておらず、機能的な差別化による利点もほとんどないため、悪戯に販売店・ユーザーを困惑させるだけの製品になっています。個人的な意見ですが、ブラシレスモータ搭載製品は機能の有無で価格差をつけるのは実現の難しい手法であるため、この手の低価格戦略は避けるべきものであると思っています。
また今回新しく発売したバッテリー BL4020については、18650サイズで現状最も性能に優れる2.5Ahセルよりも2.0Ahセルの方が原価的に優れているため、実売で2,000円程度の価格差にはなるものと予想しています。しかしながら、市場流通量が少ない点や容量当たりの単価差は無くなるものと考えられます。加えて、ユーザー心象的として、同じコスパであれば1充電作業量が多いBL4025を選ぶ心理が働くと考えられるため、市場的にBL4020を選ぶ利点はほほとんどなくなるだろうと予想しています。
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