マキタ TW010G 充電式インパクトレンチを発表、最大締結トルク2,850N･mで200本のM33ボルト締結に対応

電動工具を製造・販売する株式会社マキタ（本社：愛知県安城市）は、2024年12月に40Vmaxシリーズの充電式インパクトレンチ TW010Gを発売する。最大締付トルク2,850N･m仕様により大型自動車のホイール脱着などの作業に対応する。本体標準小売価格は152,000円(税別)

マキタ充電式インパクトレンチ TW010G

電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2024年12月に充電式インパクトレンチ TW010Gを発売します。

TW010Gは、2024年5月にMakita Vietnam/Makita Indiaで販売が予告されていた40Vmax充電式インパクトレンチです。

Makita TW009G/TW010G Cordless Impact Wrenchを発表、最大締結トルク3,150N･mのメガインパクトが登場

ドライブsq 25.4mmのソケット仕様と最大締結トルク 2,850N･mの締結能力を持ち、大型トラックやトラクター、鉄工建築物などのボルト締結作業などに対応するモデルです。

エア式同等の強力なトルクを持ち、充電式ならではのエアの圧力に左右されない安定したトルクとホースにならない取り回しの良さが特徴です。

販売仕様は、本体のみケース付属仕様のTW010GZKで販売します。

TW010GZK ケース付属本体のみ　希望小売価格152,000円(税抜)

https://twitter.com/makita_jp_/status/1864142583200415803

製品仕様

製品名	TW010G
外観
締付能力	普通ボルト：M27 – M45 高力ボルト：M20 – M33
最大締付トルク	2,850 N･m
先端形状	25.4sq
締付トルク ※海外情報	最速：2,850 N･m 強：1,600 N･m 中：1,000 N･m 弱：600 N･m
無負荷回転数	最速：0～1,750 min^-1 強：0～1,500 min^-1 中：0～1,500 min^-1 弱：0～1,200 min^-1
打撃数	最速：0～1,200 min^-1 強：0～8500 min^-1 中：0～700 min^-1 弱：0～600 min^-1
振動3軸合成値	33.4m/s²
防水防じん	IPX6
バッテリー	40Vmax
重量	11.8 ～ 12.8 kg
寸法	570×135×297mm
本体価格	152,000円(税別)
販売年月	2024年12月

製品の特徴
「最大締結トルク 2,850N･mのメガインパクト」

TW010Gは、1インチ(25.4sq)のソケット径を備える国内トップクラスの締付トルクを持つ充電式インパクトです。

最大締付トルク2,850N･mの圧倒的な締付トルクを持ち、鉄骨を使った躯体のボルト締結や重機大型車両のタイヤ交換・メンテナンスなど高トルクを必要とする作業で活用する充電式インパクトです。

本クラスの超大型クラスのインパクトレンチは、従来の仕様ではAC電源やエアモータによる何らかのコード接続が必須でしたが、コードレス化によって作業時の取り回しが格段に向上し、作業効率の向上とコスト削減を実現できます。

緩めトルク 4,000N･mで固着したボルト緩めにも対応

最大緩めトルク 4,000N･mで固着したボルトの緩め作業にも対応します。

オートストップモード搭載でナット絞め過ぎや脱落を停止

正逆転オートストップモードを設定すれば、打撃開始時または打撃終了時を検知してナットの絞め過ぎや脱落を防止できます。

ハンドル位置はツールレスで調整

ハンドル位置はハンドルのダイヤルを回せばツールレスで角度調整。作業姿勢に合わせて使いやすい角度に素早く変更できます。

照度を3段階で調整できるリング白光LED搭載

工具先端にはリング発光LEDを搭載。全周を照射するので影ができにくく暗い現場でも作業が容易になります。

一度点灯させると1時間点灯を続けるライトモードも搭載しており、簡易的なライトとしても使用できます。

ショートノズル仕様のTW009Gは日本で発売せず

海外地域のマキタではショートノズル仕様のTW009Gも同時発売していますが、日本市場では本機の発売は行われません。

ミルウォーキー M18 ONEFHIWF1Dとの違い

同形状の2,000 N･m以上の充電式インパクトレンチとしては、ミルウォーキー M18 ONEFHIWF1Dが競合します。

日本市場での充電式インパクトレンチは2020年代から販売が始まり、2021年頃にインガソールランド W9691-K4Eが発売し、2022年1月にミルウォーキー M18 ONEFHIWF1Dが販売されています。そして今回のマキタメガインパクトの発売によって、日本でも当クラスの充電式インパクトレンチが手軽に購入できるようになります。

ミルウォーキーは比較的販路が広いので、容易に充電式メガインパクトが手配できるようにはなりましたが、日本展開して間もないミルウォーキーブランドはバッテリー普及の関係があり本格普及には難があるのが欠点でした。しかし、それも今回のマキタ製品の発売によって目がインパクトレンチは本格的に普及するだろうと予想しています。

製品仕様としては、最大締結トルクにおいては国内で最も高い仕様となっており、既存のAC電源モデルやエアモデルの製品もそのまま置き換えられるものと想定されます。さらに、8.0AhバッテリーやPDC1200などの大容量バッテリーを使えることから、大量に締結作業を行う用途においてもおいても大きな効果を発揮できるものと考えられます。

製品名	TW010G	M18 ONEFHIWF1DS
外観
締付能力	普通ボルト：M27 – M45 高力ボルト：M20 – M33	普通ボルト：最大M48
最大締付トルク	2,850 N･m	2,576 N･m
最大緩めトルク	4,000 N･m	2,711 N･m
先端形状	25.4sq	25.4sq
搭載モータ	ブラシレスモータ	ブラシレスモータ
モード	最速：2,850 N･m 強：1,600 N･m 中：1,000 N･m 弱：600 N･m	1：2,576 N･m 2：1,966 N･m 3：1,254 N･m 4：1,180 N･m
無負荷回転数	最速：0～1,750 min^-1 強：0～1,500 min^-1 中：0～1,500 min^-1 弱：0～1,200 min^-1	1：0～1,200 min^-1 2：0～900 min^-1 3：0～700 min^-1 4：0～600 min^-1
打撃数	最速：0～1,200 min^-1 強：0～8500 min^-1 中：0～700 min^-1 弱：0～600 min^-1	1：0～1,440 min^-1 2：0～1,200 min^-1 3：0～930 min^-1 4：0～750 min^-1
振動3軸合成値	33.4m/s²	–
防水防じん	IPX6	×
バッテリー	40Vmax	M18 Fuel
重量	11.8 ～ 12.8 kg	11.34 kg
寸法	570×135×297mm	全長455mm
本体価格	152,000円(税別)	132,800円 (税抜)
販売年月	2024年12月	2022年1月

ミルウォーキー M18 ONEFHIWF1DS インパクトを取扱開始、最大2,711N･mの逆転トルク

国内市場のエアインパクトのシェアを奪えるか

トラック整備などで使われている2,000 N･mの大型インパクトレンチに関しては、基本的にエア式の製品が多く採用されています。今回のマキタインパクトレンチは、重量、価格的にもほぼ著名メーカーのエアインパクトレンチと同等の仕様となっており、買い替えライフサイクルに合わせて意外と好意的に受け要られる製品になるのではないかなと思っています。

一応、車の整備用途に関してもエア式の工具から充電式の工具への転換も進んでおり、昨今はレンチだけではなくエアダスタや空気入れの充電式化が進んでいるので、整備工場からエアコンプレッサーが無くなってしまう日もそう遠く無いのかもしれません。

ただし、エア式工具に関しては、修理が容易でランニングコストに優れる利点があり、ノーブランド製品であれば数万円で買えてしまう程のコストの優位性があります。充電式の電動工具はバッテリーコストや故障時の修理コストが高いため、自動車整備産業の景気状態を考えると、劇的に普及できるかは難しいところです。

ちなみに、海外で先行していた製品仕様値と締付トルク値が異なっているのですが、これは諸外国との締付トルク測定の条件や規格が異なるために、そう記載していただけと想定しています。一応、海外マキタのスペックシートでも最速モードでは2,850 N･mと記載しながらも最大締結トルクは3,150 N･mと記載しているケースもあったので、製品自体は同一の仕様なのだと思います。