最近、IoT化やスマート化の波を受けて、身の回りに付ける様々なものがスマート化しています。一昔前はスマートウォッチが流行りでしたが、その次のスマート化の対象となるのはメガネやサングラスのようです。
今回紹介するのは、好評のうちにクラウドファンディングの成功を収めたスマートサングラス「MUTRICS」です。
目次
MUTRICSでスタイリッシュなアウトドアスタイルを実現
今回紹介するガジェットは、音楽鑑賞・通話・音声アシスタントなどに対応する、Bluetooth接続のスマートサングラス『MUTRICS』です。
MUTRICSはテンプル(つる)の部分にスピーカーやマイク、バッテリーなどのデバイスが内蔵されており、スマホからの音楽再生やハンズフリーでの通話、AIアシスタントなどが出来るようになるガジェットです。
外観もスマートガジェットにありがちなゴテゴテ感や極端なスタイリッシュさを極力抑えており、一見しただけではスマートサングラスだと分からない自然なデザインになっています
防水・防じんIP55に適応、スポーツにも持ち出したくなるガジェット
MUTRICSは電子機器ですが、防水防じん規格のIP55に適応しています。サイクリングやジョギングなどにも使用できる耐久性を持ち、ウィンタースポーツやロッククライミングなどの過酷な環境でも使用できるのが特徴です。
マイクも内蔵しているため、ウィンタースポーツ中で連絡を取りながら滑りたい場合などにもトランシーバーに変わる新しい会話のデバイスとしても使えるのは魅力的です。
2020年にはオリンピックも開催されるので、屋外でのスポーツ観戦でサングラスは必須のアイテムとなるでしょう。そんな時、このMUTRICSがあればストリーミングラジオでライブ中継を聞きつつ、実際の競技を観戦する新しい使い方などもできます。
MUTRICSに使われているレンズの紫外線カットは「UV400」なのでUV-Aの波長までカットできます。
MUTRICSの操作方法
MUTRICSの操作は非常にシンプルで「パワーボタン」「音量大ボタン」「音量小ボタン」の3つ音ボタンで全ての操作に対応します。
パワーボタンは通話の着信も兼ねており、着信時にはシングルクリックで着信許可となります。
実際にMUTRICSを使用してみる
実際にMUTRICSを装着してみると、ピッタリと言えるほどのフィット感はありませんが、緩いわけではなくしっかりと装着できます。サイズ自体は「頭上実測データの平均サイズで設計」しているようで、成人男性の場合は75%の人に合う設計となっているようです。
大きいレンズなので普通の眼鏡を使用している人などには大きく感じますが、ジョギングした程度ではずれる事もなく、激しく動くスポーツでなければ装着に支障はなさそうです。
音漏れに関しては、耳のすぐ上がスピーカーになっているので屋外や電車の中など通常の環境であれば音漏れの心配はほとんどしなくても良さそうです。しかし図書館や公共施設など静かな場所では流石に聞こえてしまうので注意が必要です。
連続再生時間は8時間と日中丸1日使用できるスペックですが、充電時間が90分と若干長く、スタンバイ状態では7日しか持たないので、常に充電コネクタに接続する必要があります。USB充電器は付属せず、充電コネクタも独自ケーブルなので、新しい充電器を買い足した方が良いでしょう。
サイズとしてはまずまずの音質、音楽鑑賞としては妥協点
気になる音質ですが、搭載されているのが小型スピーカーで、カナル型のような耳に触れるような構造ではないため、実際に音楽を流した時の音質には若干の物足りなさがあります。
様々なジャンルの音楽で検証したところ、低音域の表現力はスピーカーサイズを考えれば比較的臨場感のある音質を実現している印象を受けます。逆に、ボーカルより上の中音・高音域は相対的に控えめなので、セールスポイントにある通りのR&Bやレゲエなどに向いているスペックと言えます。
低音はスピーカーサイズからは想像できない臨場感を実現していますが、やはり全体的にフラットな音質になってしまうのが気になるポイントです。特にクラシックやオーケストラなどの様々な音域が入り混じった音楽に対しては、若干の物足りなさを感じてしまいます。
純粋なオーディオ機器として考えるなら多少の物足りなさこそありますが、MUTRICSのコンセプトがアウトドアで使用する製品であり、音楽を楽しみながら外の音も聞こえる仕様になっている点を考えれば、この音質で十分なスペックと言えそうです
クラウドファンディングは大盛況で終了、今後の一般販売に期待
MUTRICSはMakuakeでのクラウドファンディングが終了し、現在は支援者への配送が進められている段階です。支援を逃した人も、一般販売が行われるようになったら要チェックな製品です。
MUTRICSと同じ製品としては、様々なグラスメーカーからサングラス型のBluetoothヘッドホンが販売されていますが、骨伝導スピーカーとサラウンドサウンドスピーカーは聞こえ方が大きく違います。実際、骨伝導スピーカーは音質や聞こえ方にかなり異質な部分があり、個人的には結構苦手な方なんですが、このMUTRICSは原理的に耳掛け式のイヤホンに近い聞こえ方なので、音楽を聴く事自体は苦になりません。
また、同じようなスピーカー搭載の製品ではBOSEからFRAMES ALTO ワイヤレスオーディオサングラスが販売されていますが、価格的に10,000円以上高価なので、MUTRICSはコストパフォーマンスも非常に高い製品となっています。
サングラスとして見た場合、フリーサイズとなっている点や、軽量サングラスなどと比較すればやはり重くなってしまうので普段使いにするには少し難しいかもしれませんが、サングラスとイヤホンと同時に装着する場合や、アウトドアにもっていく時などには非常に便利なアイテムと言えるでしょう。