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2020年8月31日

反転増幅器とは?オペアンプの動作をわかりやすく解説

反転増幅器とは?オペアンプの動作をわかりやすく解説

センサーや微弱電圧に欠かせない「オペアンプ」。抵抗を繋げるだけで増幅できるので色々な所で使用されます。特性や仮想短絡などオペアンプの動作を理解しなくても使えるのがオペアンプの大きな利点ですが、計算だけで使用できるので基本的な動作原理を理解しないまま使ってる方もいるんじゃないでしょうか。

本記事では、オペアンプの最も基本的な動作原理「反転増幅回路」の動きを説明します。

オペアンプの基本回路「反転増幅回路」

オペアンプの最も基本的な増幅回路が「反転増幅回路」です。オペアンプ1つと抵抗2つで構成できるシンプルな増幅回路なので、色々なところで活躍する回路です。

この反転増幅回路は下記の式で計算ができるので、オペアンプの動作原理を深く理解していなくても簡単に回路設計できるのが利点です。

  • 反転増幅回路は抵抗R1とR2で決まる
  • 入力と出力の極性は反転する

オペアンプは反転増幅回路でどのように動くか

オペアンプはイマジナリショート(仮想短絡)と呼ばれる反転入力端子と非反転動作の電位差が常に0Vになるように動作します、この働きをイマジナリショート(仮想短絡)と呼びます。

イマジナリショートは、実際に2端子間が短絡しているわけではありません。オペアンプは出力端子の電位を調節することで2端子間の電位差を0Vになるように調節しています。

この働きは、出力端子を入力側に戻すフィードバック(負帰還)を前提にしています。もし負帰還が無ければイマジナリショートは働かず電位差はそのままです。

オペアンプの動きをオペアンプなしで理解する

オペアンプの動きを解説するには、数式や電流の流れで解説するのが一般的ですが、数式だらけにすると回路の動きのイメージはできなくなってしまうこともあるので、ここではよりシンプルに電位反転増幅回路の動きを考えてみます。

ここでは、-5倍の反転増幅回路・入力電圧は1Vのケースを考えてみます。他の条件は下記のリストに表します。

  • 入力電圧:1V
  • R1:100Ω
  • R2:500Ω
  • 非反転増幅端子:0V
  • 出力電圧:0V(初期状態)

回路の動きをトレースするため、回路図からオペアンプをはずしてしまいます。ここではオペアンプの入力端子は不変として、出力端子の調整は人力で調整できるとします。

出力は初期状態として0Vと考えています。この状態のそれぞれの抵抗の電位差を測定すると下の図のようになります。この状態では反転入力端子に0.83Vの電位が発生しているため、イマジナリショートは成立していません。

ここからオペアンプの動きをエミュレートして、出力端子の電圧だけ変えてイマジナリショートを成立させてみます。

この状態からイマジナリショートを成立させるには、出力端子の電圧を0Vより低くして、0.83Vの部分を0Vまで下げる必要があります。

出力電圧を少しずつ下げていくと、出力電圧-5Vの時点で0Vになります。入力電圧1Vに対して、出力電圧が-5Vの状態を当てはめると、各R1とR2に加わる電位は下記の図のようになります。

この状態によって、反転入力端子と非反転入力端子に加わる電位は0Vで等しくなるのでイマジナリショートが成立しました。

オペアンプを戻すと各端子の電圧分布と同じようになる。オペアンプのイマジナリショートは電流の流れを考えなくても理解できるので、電流の流れによる理解が難しかったらこの方法で考えてみよう。

ほかのオペアンプ回路も同じ考え

今回の説明では非反転増幅回路を例に解説しましたが、非反転増幅回路やほかのオペアンプ回路でも同じような考え方でオペアンプの動きを理解することができます。特にイマジナリショートの考え方は電気の流れの理解を深めておかないと計算式からのイメージが難しいので、よりシンプルに動作をなぞっていくのが重要です。

オペアンプの動きを理解するには数式も重要ですが、実際の動きを考えながら理解を進めると数式の理解にも繋がってオペアンプも使いやすくなります。

オペアンプを使うだけなら出力電圧の式だけを理解すればOKですが、オペアンプの動作をより深く理解するために、このような動作原理も覚えておくのもおすすめです。

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