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2024年3月24日

レシプロソー(セーバソー)とは?工具の特徴・選び方を解説

レシプロソー(セーバソー)とは?工具の特徴・選び方を解説

レシプロソーとはブレードの往復運動で切断する電動工具

レシプロソーとは、ブレードの往復によって切断を行う電動工具です。

HiKOKI CR36DA 鉄パイプ切断
参考:HiKOKI CR36DA

レシプロソーはブレードの往復運動によって切断を行うため、作業時の安全性が高く、大物切断や解体作業・構造物の切断作業に対しても比較的安全に使用できるのが特徴です。

切断能力こそグラインダーやチップソーなどほかの切断工具に若干劣りますが、安全に鋼材を切断することができ、ブレードの取り付け構造も各社共通のため、鋼材切断対応の電動工具の中では安全性とランニングコストに優れているため、解体用途で1台あると何かと便利な電動工具です。また、ディスクグラインダやプラズマ切断機のように特別教育を必要としないのも大きなメリットです。

構造的には電気のこぎりと同じ方式の電動工具ですが、電気のこぎりの場合には低出力の木材向けの製品を指すことが多く、レシプロソーと呼ぶ場合だと高出力モーターを搭載し金属切断に対応する大型のモデルを指すことが多い工具です。

安全性の高い切断工具ですが、ブレードの往復運動によって振動が大きいため、白ろう病をはじめとする振動障害も発生しやすい欠点も持つ工具です。そのため、三軸合成振動値を確認しながら1日当たりの作業時間に気を使う必要があります。

レシプロソーとセーバソーの違い

レシプロソーの語源は、往復運動を表す英単語の「reciprocating」が由来です。一方、セーバソーは刀剣を表す「saber(サーベル)」を語源としており、ブレードがサーベルに似ていることが語源です。名前が異なるだけでレシプロソーとセーバソーは同じ製品で、セーバソーを呼称するメーカーでも海外では「レシプロソー」と表記しています。

ブレードを変更すれば金属・木材・石材など広い材料に対応できる

レシプロソーのブレードは規格化されているので、メーカー間に互換性があり他社製のブレードでも問題なく装着できます。

ブレードの種類も多岐に渡り、木材の切断に使う江戸目ブレードや金属切断用のバイメタルブレード、石材を切断できるダイヤモンドブレードなど、材料に応じたブレードに付け替えることで幅広い材料の切断に対応できます。

大型レシプロソーは金属切断・解体作業に使う

大型のレシプロソーは、金属切断や解体作業に使用することが多い電動工具です。

切断作業で優れた汎用性を持ち切断材料の制約も少ないので、釘入り木材から樹脂系の複合材料まで幅広い材料に対応できます。この特性を生かして、木造住宅のリフォーム・解体から設備解体・FRP素材の撤去のような幅広い解体作業に使用します。

その一方で、大型レシプロソーは高い精度や素早く作業を行う必要がある作業に対しては、ほかの切断工具が使われます。

大型レシプロソー 製品ピックアップ

製品名 マキタ JR002G マキタ JR3051T HiKOKI CR36DA HiKOKI CR13VEY
外観 BEST OF THE BEST

LONG SELLER

 

 

製品解説リンク
特長 40Vmaxバッテリーの高出力充電式レシプロソー。マキタ独自の縦クランクで食い付きに優れる ベーシッククラスながら1,200Wモータ出力の高出力を搭載 マルチボルト36V動作の高出力充電式レシプロソー。多彩な動作モードを搭載 AC100V動作ながらブラシレスモータを搭載する電源コード式セーバソー
利点 防じん防水IP56に適合。耐久性も高くラバージョイント構造によってバッテリーへの機械的負荷も少ない。 価格が安く性能比のコストパフォーマンスに優れる。切断能力はハイエンドクラスに匹敵 充電式ながらオービタル機構を搭載し切断スピードに優れる 高出力のAC電源セーバソーでありながら軽く、切断スピードも高い
欠点 特になし オービタル機構や低振動機構は非搭載 他社同クラスモデルと比べると大型で高価 AC品だが高い
能力 パイプ:Φ130mm
木材:255mm
パイプ:Φ130mm
木材:255mm
パイプ:Φ130mm
木材:120mm
軟鋼板:19mm
パイプ:Φ130mm
木材:120mm
軟鋼板:19mm
モータ ブラシレス ブラシ ブラシレス ブラシレス
最大ストローク数 3,000min-1 3,000min-1 3,000min-1 3,000min-1
ストローク幅 32mm 30mm 32mm 32mm
動作電源 40Vmaxバッテリ AC100V マルチボルトバッテリ AC100V
重量 4.5kg 3.3kg 4.5kg 3.9kg
寸法 436×97×250mm 740×176×164mm 457×253×101mm  490×190×101mm
本体価格 49,700円(税別) 24,000円(税別) 56,500円(税別) 57,700円(税別)
販売年月 2022年1月 2020年3月 2018年7月 2019年1月
購入リンク

レシプロソーを選ぶときのポイント

1. 出力が高いレシプロソーほど大きな材料を切断できる

レシプロソーのカタログスペックにはどれくらいのサイズまで切れるかの切断能力を記載しています。

この切断能力はΦ××mm~で表され、円柱の材料に対してどこまで太い材料の切断に対応できるかを表しています。ただし、レシプロソーは取り付けられるブレード長のサイズに制限はないので、原理上、材料がどんなに太くても、長いブレードを装着すれば切断は可能です。

とは言え、切断能力を超えてしまうと、モーターロックが発生したり連続負荷時間が長くなりすぎたりして工具を痛めてしまう可能性があるので、最大切断径の表示は必ず守るようにしましょう。

2. 電源コード式と充電式どちらがオススメ?

電源方式はコンセントに接続して使用する電源コード式とバッテリーを使う充電式の2種類があります。レシプロソーを使用する場所や作業量を考慮して選びます。

コンセント式はパワーが強くバッテリー切れがないのがメリットです。コンセントの届く範囲であれば、連続して作業を行うことができるので、高負荷切断作業を連続して行うことができあmす。また電源コード式はバッテリーや充電器も不要なので購入価格が安いのも魅力です。

充電式はコードがなく取り回しに優れているので、屋外や農地など電源が取れない場所で使用できるのがメリットです。ただし、充電式はバッテリーが切れると作業できなくなる場合があり、電源コード式と同じ出力のレシプロソーをバッテリー切れを起こさないように使うためには相当の初期投資を必要とします。。

3. 大型レシプロソーは耐久性とアフターサポートを重視

大型レシプロソーは、電動工具の中でもトップクラスに過酷な環境で使われる工具です。

解体作業に使用する場合、カタログスペックを超えて使用してしまう場合も多いのでカタログスペックに余裕をもって製品選定を行うのがおすすめです。

また部品の破損・脱落やメカの摩耗なども速いケースも多いので、販売店と相談してアフターサポートが充実していて修理部品の取り寄せが早そうな製品を選ぶようにしましょう。

4.サイズによって用途が違う

レシプロソーは製品サイズや形状によって用途が違います。大きく分けると、片手で使用できるハンディタイプと、Dハンドルタイプの両手で使用する大型レシプロソーの2種類があります。

ハンディタイプは家庭のDIYや庭木の剪定に使う木材切断作業に向いていて、小形で取り回しに優れているのが特徴です。DIYモデルやホームセンターモデルなどは主にこのタイプです。

大型レシプロソーは、両手でしっかり持って使用する高出力タイプです。ストローク量も大きくストローク数も高いので、大径の金属パイプや複合材もガシガシ切断できます。金属から木材まで何でも切れますが、重くて振動が強いのでDIYや庭木の剪定のような細かい作業には向きません。

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