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【電動工具紹介】締付工具(6):シャーレンチ【大型建築物には必須!】

【電動工具紹介】締付工具(6):シャーレンチ【大型建築物には必須!】

電動工具のカタログを見ていると、最大締め付けトルクが非常に高い「シャーレンチ」と呼ばれる高トルクのレンチが販売されています。締め付けトルクのスペックでは非常に魅力的な電動工具ですが、シャーレンチは特殊なボルトを使用する業務用の締結工具で、個人で使用することはまずありません。

鉄骨の締結に使う”トルシア形高力ボルト”専用工具

締結工具の中には、インパクトレンチよりも高い締付けトルクとなっている「シャーレンチ」と呼ばれる電動工具があります。シャーとは書いてありますが、板金切断に使うシャーとは別の工具になります。ただし、構造上ボルトを破断させる特徴を持つ点から選定を意味する「シャー」の単語が付いたのかもしれません。

このシャーレンチはモーターとギアだけで締付けを行う締結工具です。高トルクな締め付けができる電動工具ですが、インパクトレンチのようなハンマーとアンビルによる打撃構造を持ちません。

シャーレンチは「トルシア型ボルト」と呼ばれるボルトの締結を行う専用工具です。一般的な六角ボルトの締め付けには使用する事ができません。

トルシア型ボルトは、施工管理の簡略化と締付け精度の向上を目的に活用されるボルトです。トルシア型ボルトの施工では、ピンテールと呼ばれる部品を破断するまで締付けるのが特徴で、ピンテールの破断と有無で締付けトルクの安定と作業完了が一目でわかる点から、六角ボルトの締結に比べ施工性が非常に良くなっています。

シャーレンチで締結作業を行うメリット

シャーレンチによるトルシア型ボルト締結の施工は「トルクコントロール法」と呼ばれます。一方で、通常の六角ボルトの締結では「ナット回転法」によって締結されます。

シャーレンチによるトルクコントロール法は、ボルトのピンテールの破断によって締め付けトルクを確保するため、非常に締結トルクの精度が高くばらつきが少なく、測定工具等も必要としないのが大きな特徴です

共回り防止のために裏表面同時にレンチを装着する必要もなく、ピンテールが切れるまでトルクを導入すれば良いだけなので、施工性は非常に良くなります。また、作業完了の状態もピンテールの有無によって一目で確認できるため、作業後の判別も行いやすいメリットがあります。

また、締付けに打撃機構が存在しないので、施工時の音も殆ど無音で作業者への負担が少なく、周囲環境への配慮も少なく済みます。

シャーレンチの大手メーカーはTONE, マキタ, HiKOKI

シャーレンチを販売しているメーカーは少なく、国内では「TONE」「マキタ」「HiKOKI(旧日立工機)」が主な開発元となっています。

シャーレンチの選定では、トルシア型ボルトのピンテールを破断できるトルクを持つ製品を選ぶ事になります。トルシア型ボルトは規格されたボルトなので、一般的には適応ボルト径さえ確認すれば締結トルクは満たしているはずです。

トルシア型ボルトは規格化されている点もあり、各メーカーによる製品の違いなどはほとんどありません。ただし、M24以上の高力ボルトや超高力ボルトを締結できる工具はTONEのみのラインナップとなります。また、マキタからは業界唯一となる充電式シャーレンチの「WT310D」が販売されています。

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