2019年1月に建築用ツールメーカーのタジマから、充電式レシプロソー『R400A』が発売された。
タジマは2018年に高トルクが特徴の太軸インパクトF300Aを開発し電動工具開発へと参入したが、今回のレシプロソーは同シリーズに連なる新しい電動工具だ。
目次
コンパクトとハイパワーを両立したレシプロソー
レシプロソー『R400A』は、コンペックスや安全帯などで有名なタジマが販売した新型のレシプロソーだ。
国内電動工具メーカーとレシプロソーでは、マキタのJR187D, JR188DやHiKOKIのCR36DAが競合製品となるが、今回発売したタジマのR400Aは、他社製品にも劣らない魅力的なスペックを備えている。
最初に挙げられる特徴が、レシプロソーとして非常にコンパクトサイズに収まっている点だ。
R400Aではモーターを斜め配置によって、一般的なレシプロソーよりも短い全長を実現している。他社が400mmの全長を超える中、R400Aでは386mmの短さを実現している。
2つめに挙げられるのは、コンパクトなサイズになっていながら、スペックは他社製のレシプロソーに全く劣っていないところだ。
コンパクトなレシプロソーとしてはマキタのワンハンドシリーズJR188Dがある。このマキタのレシプロソーは、全長が短くなっているが、その分スペックも落としており、ストローク幅は20mmと切断性能は低下している。
R400Aでは、コンパクトなボディでありながらも業界トップクラスの切断性能の維持を実現しているのが特徴だ。ストローク幅31mmで、切断能力は金属管・外径130mm、木材・厚さ255mmと十分なスペックを備えている。
新構造の4方向チャッキングでどんな作業も柔軟に対応
R400Aの最大の特徴は「4方向チャッキング」の搭載だ。従来のレシプロソーは上下の2通りしか装着方法だったのに対し、R400Aでは左右方向への装着にも対応して4方向の切断ができるようになり、作業の柔軟性は大きく向上している。
フックやスピード調整など細かな機能も搭載
R400Aはその他にも様々な細かい機能が搭載されている。
スピード調整を行う調整ダイヤルや、単管などに引掛けるフック、防滴・防じんへの対応など、マキタ・HiKOKIの製品にも劣らないスペックと仕上がっている形だ。
他社モデルとの比較
他社のレシプロソーと比較しても、R400Aの劣っている部分はほとんどありません。
特に取り回ではHiKOKI CR36DAとマキタJR188Dの中間的な大きさとなっており、中間サイズのレシプロソーが欲しいユーザーにとっては選択肢が増えた形となります。
製品名 | PT-R400A | CR36DA | JR001G |
---|---|---|---|
製品外観 | |||
切断能力能力 パイプ 木材 鋼板 |
130mm 120mm 19mm |
130mm 255mm 19mm |
130mm 255mm —- |
無負荷ストローク数 | 2,800min^-1 | 3,000min^-1 | 3,000min^-1 |
ストローク量 | 31mm | 32mm | 32mm |
本体寸法 長さ×幅×高さmm |
386×89×240 | 457×101×251 | 457×88×233 |
質量 バッテリ含む |
3.5kg | 4.5kg | 4.2kg |
電源 | 18Vバッテリー | マルチボルト | 18Vバッテリー |
今後のシリーズ展開にも期待が持てるタジマの電動工具
タジマは新規参入のメーカーながら、他社にも負けない魅力的なスペックを備えたレシプロソーの販売には驚きだ。正直、タジマの電動工具は太軸インパクトの一発で終わると考えていただけに、このレシプロソーの販売は予想外だった。
更に驚かされたのが、そのスペックだ。電動工具としては新規参入ながら、ユーザーの必要とするスペックを満たし、他社メーカーにはないコンセプトを狙い撃ちしたタジマの開発コンセプトには驚かされる。
コンセプトにおいては非常に優秀なレシプロソーとなった本機だが、欠点となるのは販路やアフターサポート、そして同シリーズのラインナップ数だ。特に、タジマが電動工具を販売しているのを知る人はまだ少ないだろう。
期待されるのは、今後も今回のような電動工具やバッテリーを用いた、同シリーズのラインナップ拡充だ。今後も、タジマの開発する電動工具には注目したい。