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広い範囲を強力に送風する産業向けの扇風機
工場扇(こうじょうせん)とは、工場や作業現場・屋外に設置するタイプの大型扇風機です。家庭向けの扇風機よりも大きなファンとモーターを搭載し、広い範囲を強力に送風します。
一般的に産業扇と呼ばれる製品はファン径45cm以上の製品を指し、粉じん飛沫が多い現場での使用を想定した全閉式モーターを採用する製品もあります。
工場扇はメーカーや形状によって呼び方が異なり「産業扇」「業務用扇風機」「産業用送風機」「フロア扇」とも呼称されます。
ちなみに広義の工場扇では、クーラー設置以前の校舎に設置されているような天井取付用のロータリータイプも含まれますが、当記事では現場や工場に使用するモデルのみを解説します。
設置方式の種類について
工場扇は業務用の大型扇風機なので、風量やサイズ・用途に応じた形状のバリエーションがあります。
スタンドタイプ
スタンドタイプは家庭向けの扇風機と同じくスタンドを備えた工場扇です。ファン径Φ45cmまでの製品に多くみられます。
普通の扇風機と同じように設置できる形状なので広いオフィスにも設置しやすい利点があり、高さ調節や首振り機能も搭載しているので、最も使いやすく一般的な工場扇です。
フロアタイプ
地面に設置する背の低いタイプの工場扇です。ファン径φ60cm~以上の製品に採用されます。
背が低く安定しているので大口径に向いた方式であり、大型の工場扇が必要な場合にはフロアタイプ一択になります。製品によってはキャスター付きのモデルもあり、大型きな製品ながらも可搬性に優れています。
形状によっては「ドラム式」や「送風機」とも呼ばれています。
壁掛けタイプ
壁や柱に取り付けて使用するタイプの工場扇です。
定置用途や高所設置用に使用し首振り機能やひも付き電源スイッチを備えています。
開放式と全閉式のモータ種類について
工場扇は産業向け製品なのでモータ構造にもバリエーションがあります。
モータの仕組みとしては交流モータですが、モータ構造では全閉式と開放式の2種類に分けられているので、用途に応じて適切な製品を選びましょう。
全閉式モータ
全閉式モータは、モータ内部部品を全て金属ケーシングで密封したモータです。
内部に異物が侵入し難い構造なので、異物に対する耐久性の面では有利な方式です。その一方で放熱性は後述の開放式モータよりも劣るため、熱源の近くへの配置は避けた方が良いでしょう。
開放式モータ
開放式モータは、内部のコイルが露出しているタイプのモータです。
全閉式に比べ放熱面で有利でコイル寿命の面では優れた方式ですが、モータ内部に異物が付着しやすいため、粉じんや液体の舞う環境下には適しません。
工場扇 ピックアップ解説
ナカトミ 工業扇風機 OPF-45S
工場扇で広く使われているのがナカトミ OPF-45Sです。
ファン径φ45cmの仕様を備え、設置しやすく高さも調節できるスタンド式を採用、価格も1万円以下と求めやすいクラスの工場扇です。
とりあえず工場扇が欲しいと思ったら、このモデルを購入すれば間違いありません。
ナカトミ ビッグファン BF-60J
スタンド式の大口径モデルがナカトミ BF-60Jです。
大きなファンを搭載するモデルながらもキャスターを備え移動・設置がしやすいモデルです。
より大きな風量が必要であれば、Φ75cmモデル BF-75V / Φ100cmモデル BF-100V / Φ125cmモデル VF-125Vなどサイズ展開も豊富なモデルです。
マキタ 充電式産業扇 CF002G
マキタの充電式産業扇がCF002GZです。40Vmaxバッテリーの対応で強モード時で約6時間40分の連続稼働に対応します。
CF002GZはマキタの製品カテゴリの中では産業扇に属していますが、ファン径Φ330mmと家庭向け扇風機と同等のクラスなので、工場扇としては若干力不足の仕様です。
HiKOKI コードレスファン UF18DA
HiKOKIのΦ330mmの大径充電式ファンがUF18DAです。
バッテリーを2本装着できるタイプなのでAC電源が無くても最大9.5時間動作できるモデルです。
こちらもマキタ CF002Gと同じくファン径330mmサイズなので、産業扇として考えると若干力不足な仕様です。
ナカトミ 充電式工業用扇風機 RCF-45AS
ナカトミの充電式工場扇がRCF-45ASです。充電式ながらもΦ450mmのファンを備えたフロアタイプです。
内蔵バッテリー構造なのでACアダプタで直接本体に充電でき、充電式ながらもコストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
充電時間は3時間、微風運転時では30時間稼働できますが、強モードでは4時間しか動作しないので注意が必要です。