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2026年10月11日

ハンマードリルとは?振動ドリルとの違いとビット規格を解説

ハンマードリルとは?振動ドリルとの違いとビット規格を解説

ハンマードリルとは、コンクリートの穴あけやハツリ・溝掘りなどに使用する電動工具です。コンクリートの穴あけには必要不可欠な電動工具です。ハンマードリルは、コンクリートへの下穴あけをはじめ、対応する機種と先端工具を組み合わせればハツリやランマ作業にも使える多機能さが特徴で、現在の建築現場に無くてはならない電動工具です。

ハンマードリルとは

ハンマードリルとはコンクリートに穴をあける電動工具です。名前だけは知っているという方も多いと思いますが、ハンマードリルは今や建築現場に無くてはならない工具です。

コンクリートへの穴あけも「ビットを当てて回転させれば穴は開くんでしょ?」と思う方も多いと思いますが、通常のハンマードリル用ビットでは、回転に加えてビットの軸方向に打撃を与えながら穴をあけます。ハンマードリルはこの回転運動と打撃を組み合わせることで、径の大きなコンクリート穴あけでも効率的に作業を行うことができるようになっています。

ハンマードリルでできること

「コンクリートに穴あけするの?」と思う方も多そうですが、コンクリートを使用した建物にハンマードリルは必須の工具になっていて、主にコンクリートに直接構造物を固定するためのアンカーを打ち込むのに使用します。コンクリート以外にも、レンガや石材、タイルへの穴あけなど様々な材料への穴あけができます。

回転と打撃を同時に行うハンマードリルですが、打撃のみのモードを備える機種では、ビットをブルポイントに変えることでハツリ作業まで行うことができます。

回転のみのモードを備える機種では、対応するチャックとビットを組み合わせることで木材や金属への穴あけもできるため、ハンマードリルは最も多用途に活用できる電動工具と言えるのです。

写真のように鉄筋コンクリート造の建物に直接設備を設置するときは、コンクリートに下穴をあける必要がある。

コンクリートにボルトを固定するアンカー下穴空け

コンクリートのトンネル照明など、直接コンクリートに設置されている構造物はどうやって固定されているのでしょうか。コーススレッドによるネジ止めでしょうか、それともタップによるねじ穴の形成?

正解は、アンカーと呼ばれる専用の金具でボルトを固定してコンクリートへのねじ止めを行っています。

このアンカーは、コンクリートに開けた穴に差し込んで内部で膨らませることでコンクリートと密着させる金具で、目に振れることはないですが、構造物の設置や耐震補強など使われており、現在の建築物にはなくてはならない金具です。

大きな穴を開けたいときはコアドリルを使う

ハンマードリルの最大穴あけ径は、シャンク規格だけでなく機種ごとの能力で決まります。例えばSDS-MAXを採用するマキタ HR006Gのコンクリート穴あけ能力はΦ52mmです。この数値は通常のドリルビットによる能力で、コアビットの能力とは別に示されています。水道管やエアコンのダクト向けにもっと大きな穴をあけたい時はどうすれば…?と思う方もいると思います。

実は、40mmなんて大きなビットはアンカー打ち込みでもなければ使うことはありません、実際にダクトや管を通す場合に使う工具はコアドリルなんです。コアドリルはホールソーと同じくり抜く構造になっており、外周の切削部でコンクリートを削って穴を開けていきます。ダイヤモンドを使うコアビットもあります。

コアドリルを使う際は、ビットが指定する使用モードに合わせて作業します。回転専用のコアビットと、ハンマードリルで打撃を併用するコアビットは使い方が異なります。母材、必要な穴径、本体のコアビット能力に合う組み合わせを選びましょう。

振動ドリルとの違い


マキタ 震動ドリル コンクリ16mm 鉄工13mm 木工30mm M816K

コンクリートの穴あけを行う電動工具に振動ドリルがあります。

同じ作業を行うドリルでも、振動ドリルはラチェットの噛み合いによる細かな振動で、ハンマードリルはピストンとストライカの打撃で大きな打撃力を生み出しており、構造的に大きな違いがあります。

振動ドリルは構造上、ラチェットの振動を使用しているため作業者の荷重を使用しなければならず、ある程度の押し付け力を必要とします。そのため荷重を加えにくい方向の穴あけには向いていません。振動ドリルでは下方向への細径穴あけが最適な作業になります。

ハンマードリルは、ピストンがストライカーを叩くことで工具の中に強い打撃力が発生します。作業時はサイドハンドルと本体を両手で確実に保持し、本体が浮き上がらない程度に軽く押し付けて穴をあけます。取り回しのいいハンマードリルは上向き・横向きの穴あけに適しています。

ロータリハンマドリルとの違いは?

アンカー用の穴あけに加えて軽はつりも行うなら、HiKOKI DH3628DAが候補になります。SDS-Plusに対応し、コンクリート穴あけは最大28mm(集じんシステム非装着時)。3モードを使い分けられ、防振ハンドルと動吸振器を備えているため、穴あけとはつりを1台で進めたい現場に向いています。使い方と特長はHiKOKI DH3628DAの製品解説で紹介しています。

HiKOKI(旧日立工機)では、DH18DPBやDH3628DAなどをロータリハンマドリルと呼称しています。コンクリートの最大穴あけ能力はDH18DPBが18mm、DH3628DAが28mm(集じんシステム非装着時)で、24mm付近に限られる呼び名ではありません。穴あけ能力、シャンク規格、はつりに使う打撃のみのモードの有無は、それぞれ機種ごとに見て選びます。

打撃のみ・回転のみに切り替えられる多機能ハンマ

コンクリートの穴あけに使うハンマードリルは打撃+回転が基本ですが、搭載する作業モードは機種によって異なります。例えばHiKOKI DH18DPBは2モード、DH3628DAは回転・回転+打撃・打撃の3モードを備えています。はつりを行うときは、打撃のみのモードを備える機種を選びます。

回転のみでは対応するチャックとビットを装着することで木材や金属への穴あけ作業も可能で、打撃のみにすればブルポイントと呼ばれる破砕専用のビットを付けて、ハツリ作業や溝掘りまで多彩な作業を行うことができます。

打撃のみにしてブルポイントを装着すればコンクリートを破砕するはつり作業もできる。ハンマードリルはコンクリートの角を削ったり解体工事に使ったりと現代の建築業になくてはならない電動工具だ。

ハンマードリルのビット規格は3種類

ハンマードリルの主なビット取付規格には、六角軸、SDS-Plus、SDS-MAXがあります。まず本体の取付規格に適合するビットを選び、その中から本体の能力と用途に合う穴径を選びます。SDS-PlusとSDS-MAXは形状が異なり、直接差し替えて使用することはできません。

  • 六角軸シャンク

六角軸シャンクは、六角形の断面を持つ取付軸です。同じ六角軸でも寸法や保持方法が異なるため、本体が指定する先端工具を使用します。

例えばマキタ HR3530は17mmの六角シャンクを採用するハンマードリルで、コンクリートの穴あけ能力は35mmです。回転・回転+打撃・打撃の3モードを備え、穴あけとはつりの両方に使えます。六角軸の太さだけで、穴あけ用かはつり専用かを決めることはできません。

  • SDS-Plusシャンク

BOSCHが開発したハンマードリル専用の装着機構が “Steck, Dreh, Sitzt” シャンクです。ドイツ語で「差し込み、回し、固定する」を意味し、略して”SDS”と呼ばれています。言葉の通り、差し込んで回すだけでビットが固定される構造となっており、固定にはスチールボールが使用されています。

SDS-Plusシャンクの差し込み部分の径は10mmです。穴あけできる径は、本体の能力と使用するビットによって異なります。同じSDS-Plusでも、HiKOKI DH18DPBの最大コンクリート穴あけ能力は18mm、DH3628DAは28mm(集じんシステム非装着時)です。

  • SDS-MAXシャンク

SDS-MAXはSDS-Plusより太い取付軸を持つ規格です。取付軸の寸法や溝の形状が異なるため、本体に対応する規格の先端工具を組み合わせます。

SDS-MAXのシャンクの差し込み部分の径は18mmです。この18mmは取付軸の太さで、穴あけ径の上限を示すものではありません。使用するビットは、本体の穴あけ能力と対応するシャンク規格に合わせて選びます。

木材・金属の穴あけには変換アダプタを使う


Bestgle ドリルチャック 2-13mm キーレスドリルチャックアダプター キーレス ドリルチャック

木材や金属には打撃が必要ないので、高性能なSDS-Plusシャンクに対応した木材・金属ビットは多くありません。

ハンマードリルで回転のみの穴あけを使う場合は、SDS-Plusシャンクに対応したドリルチャックがあると作業の幅が広がります。

ハンマードリルを使うときの注意点!

ハンマードリルは、電動工具の中でも特に振動が激しい工具です。ハンマードリルを使う作業者特有の職業病として、白蝋病(振動障害)があります。

強い振動を伴う作業を長時間行うと、が手の血管の痙攣性収縮及び手指の白色化現象(レイノー現象)が起り、慢性的なしびれと感覚の鈍化、握力の低下や疼痛を生ずる。病状が進行すると手首や肘、肩といった関節にも同様の症状を発生します。白蝋病に根本的治療法は存在しないため、根本的には作業時間を少なくしたり、振動の少ないハンマードリルを使用するなどの対策が必要となります。

日本電機工業会ホームページ:「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」による振動障害予防対策について
厚生労働省 パンフレット:「振動障害の予防のために」

日振動ばく露量A(8)は、厚生労働省の下記ウェブサイトの「日振動ばく露量A(8)の計算テーブル」で求めることができます。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/090820-2a_0004.pdf 

作業中の粉じんも注意

コンクリートの穴空けは、木材や金属とは比べ物にならないほど大量の細かい粉じんが発生します。

コンクリート紛を吸い込むと、微小な粉が肺の奥深くまで侵入し、じん肺と呼ばれる肺機能の低下を引き起こす疾患を引き起こします。このコンクリート紛は非常に細かく、風邪の時に使う簡易マスクでは防ぐことはできません。コンクリート作業を行う場合は、作業環境に合った防じんマスクを装着するようにしましょう。

可能であれば周囲への環境も考慮し、住宅地や屋内の作業では周りに影響が出ないよう、集じん機が取り付けられるタイプのハンマを選ぶとよいでしょう。

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