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2020年9月5日

Coros OMNIサイクリングヘルメット 機能美と安全性を兼ね備えた次世代ヘルメット

Coros OMNIサイクリングヘルメット 機能美と安全性を兼ね備えた次世代ヘルメット

ロードバイクにも多機能ヘルメットが欲しい!

最近では、バイク用のヘルメットにディスプレイAIアシスタントを搭載した、スマートヘルメットなるものが話題になっているようです。こういったものが普及すれば、ライダーの利便性は格段に向上し、安全性や快適性が向上していく事でしょう。

しかし、ロードバイクやMTBなどのスポーツサイクルのヘルメットはこういった話題をほとんど聞きません。確かに、自転車のヘルメットは「軽く」「通気性」に優れる必要があるため、こういった機能性を持たせるのは難しいと考えられてきました。

そんな中、今回紹介するのは、海外のクラウドファンディングから誕生したスポーツサイクル向けのスマートヘルメット『Coros OMNIスマートヘルメット』です。

Coros OMNIスマートサイクリングヘルメットの特徴

  • 自転車用ヘルメットにBluetoothや各種センサを取り付けたスマートヘルメット
  • 骨伝導スピーカーにより耳を塞がない
  • 赤色LEDによって視認性を確保
  • アプリ連動で距離・速度・カロリーなど計測可能
  • 加速度センサ搭載で事故発生時にもエマージェンシーコールが可能

今回紹介するCoros OMNIヘルメットはBluetoothとの通信機能を備えた自転車用のヘルメットです。Bluetooth搭載を搭載することによって、スポーツサイクルにも快適なスマートデバイスを使える時代がやってきました。

頭に取り付けるBluetoothデバイスと聞くとイヤホンのような「音楽」を聞くものイメージしてしまいますが、このOMNIヘルメットは、ただスピーカーが搭載されただけのヘルメットではりません。スポーツサイクルの事を考えて開発された、機能性やライダーの安全性を重点的に盛り込んだスマートデバイスなんです。

このCoros OMNIに搭載する機能は以下のような特徴があります。

特徴① 骨伝導スピーカーで安全なナビガイド

Coros OMNIヘルメットには骨伝導スピーカーが搭載されています。

普通のイヤホンでは耳を塞いで周囲の音を遮ってしまいますが、骨伝導では耳は常に開放されているため、ナビや音声チャットを聞いている状態でも安全走行が可能です。

もちろん、周囲の音が聞き取れないくらいの大音量にしてはいけませんよ。

特徴② LEDテールライトで夜間の走行も安全を確保!

シンプルな機能ですが、走行者の安全を確保してくれるのがLEDテールライトです。

ヘルメット後方部側面には、赤色のLEDが内蔵されており、夜間の走行時の視認性が上がり安全を確保してくれます。

特徴③ アプリでロードバイクの走行情報を管理

iOSやAndroid向けのスマートフォンアプリも用意されており、GPSや速度や距離などの統計、音声ナビ・カロリー消費量なども管理することが出来ます。

残念ながらOMNIアプリは日本語対応していないようですが、2018年12月に日本語対応版のアプリがリリースされるようです。

特徴④ 万が一の事故にも…エマージェンシーアラート

これぞ、ライダーが一番必要としていた機能です。

OMNIスマートヘルメットには加速度センサが内蔵されており、1G以上の衝撃を検知すると、予め登録しておいた連絡先に自動的にエマージェンシーアラートが送信される仕組みとなっています。

実際に事故が起きて頭に衝撃が加わった時、もしかしたら連絡を取れる状態ではないかもしれません。パートナーや大会の関係者などに事故を知らせる大切な機能です。スマホが壊れてしまっては発信もできなくなるのでスマホには耐衝撃ケースが必要でしょう。

実際にCoros OMNIを使ってみた!

Coros OMNIには黒・青・白・赤と4色のバリエーションがあります。今回選んだのは、黒色のヘルメットです。

ロードバイクは長年使用しているGIANTのOCR3です。現行のGIANTが取り扱うOCRシリーズとは異なるかなり前の廃盤となったのモデルで、コンポーネントを取り換え取り換え、今では街乗り用として十年近く乗り続けています。

実際に使用してみると、重量や骨伝導スピーカーなどが搭載されていることを忘れるくらい違和感なく装着できています。

ナビを流してみると、しっかりと音声案内を聞くことができます。骨伝導スピーカーは音質に独特の違和感がありますが、聞き取れないという程ではありません。

 

ヘルメットを操作するリモコンはスタンドとゴムリングを使ってハンドルに固定する方式です。リモコンは取り外しもできるので、駐輪する時などには外して盗難を防止することもできます。

ゴムリングで装着する珍しい方法を採用している。確実に固定できるため脱落などの心配はなさそうだ。
取付位置を変えて、ステムにリモコンスタンドを装着することもできる。自由度が高い配置は非常に使いやすい

Coros OMNIの解説写真

外郭は発泡スチロールにハードシェルが張られた構造になっている。
内側は電子デバイスが内臓していることを意識させない構造になっている。配線などもスチロールやシェルに綺麗に隠れており、言われなければこれがBluetoothデバイスだとは気づかないだろう。
全体を探してみたがSGマークやJCF公認シールは張られていない。海外の製品なので仕方のないことだろう。ただし、ヨーロッパ圏の安全基準であるCEマークや、アメリカ自転車ヘルメット連邦安全基準のC.P.S.Cなど海外の安全基準は満たしているため、安全性に問題はないだろう。
後頭部の締め付け部分。ダイヤルには軽いラッチがかかるようになっていて確実に締め付けることができる。
前方にはマイクセンサーが取り付けられていた。
充電端子はMicroUSB端子。その真下の赤いCorosのロゴが電源ボタンになっている。

まとめ|スマートヘルメットとして非常に完成度の高い一品

Coros OMNIは通常のサイクリングをスマートデバイスにすることで、安全性や快適性を向上させた次世代ヘルメットです。正直なところ「この手のスマートデバイスはコンセプトが足りなかったり、作りが雑で期待できないんじゃ?」と考えていましたが、実際に使ってみると、その完成度の高さに驚かされます。

特に注目するべきポイントは、色々なセンサやバッテリーを搭載しているのに、重量も大して変わっておらず、むしろヘルメットとしての安全性を損なうどころかスマートデバイスとしてより一層向上しているところです。

気になる連続使用時間ですが、音楽再生時間で8時間以上となっています。充電時間は3時間ほどなので、通勤や通学など毎日の使用にも問題ないスペックと言えるでしょう。

「街乗り程度ならヘルメットは大きくてかさばるし付けないよ」なんて方も、このOMNIヘルメットの機能なら逆に「つけてもいいかな?」と思ってしまうかもしれません。

海外の安全承認は受けていますが国内安全規格としてSGマークやJCF公認は受けていないので、レースなどイベントに使用するには注意が必要です。

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