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ジョイントカッタとは、ビスケットジョイントを行う切削工具
ジョイントカッタとは、木板材の接着接合に使用する切削工具です。ビスケットチップと呼ばれる圧縮材を詰める溝加工を行う作業に使用します。
ジョイントカッタを使うと棒材や板材を簡単に接合でき、ダボ接合よりも容易に作業が行えるので内装施工や家具製作が作業の幅が広がります。
工具の呼び方はメーカーによって異なり、ビスケットジョイナーやビスケットジョインター・ジョイントカッタ・プレートジョイナーとも呼ばれます。
手軽に木材を接合できる専用電動工具
ビスケットジョイントは、溝を切削して接着剤を塗布してビスケットチップを詰め込むシンプルな接合手法です。
釘やネジのような接合跡が残らず、ダボよりも高い強度で接合できるので、外観重視の家具などに使われます。
ただし接合強度が高いと言っても接合深さは浅いため、ホゾ組や金物接合に匹敵する強度がある訳ではありません。接合部に直接荷重が加わるような場所にビスケットジョイントを使うのは避けましょう。
ビスケットチップは3サイズ
ビスケットとは、ブナを圧縮して作られた木製のチップです。正式名称はビスケットチップと呼びます。
ビスケットを使った接合には3種類のビスケットチップが使われ、これらのビスケットチップはメーカー間で共通化されているのでビスケットチップとジョイントカッタでメーカーが異なっていても接合可能です。
主に強度が求められる部分や板材の平面継ぎには#20サイズのビスケットを使用し、狭い部分に対してはそれより小さいサイズのビスケットを使用します。
サイズ | 寸法(長さ×幅×厚み) |
---|---|
#0 | 47×15×4mm |
#10 | 53×19×4mm |
#20 | 60×23×4mm |
チップのサイズは切削深さの調節のみで対応できるため、ジョイントカッタの刃径を変える必要はありません。
ビスケットチップは接着面積を増やす以外にも、接着剤の水分を吸収して膨らむことで固定する効果もあります。水分に晒されてしまうと切削溝に入らなくなる可能性もあるので、水や湿気に触れないように保存しましょう。
木材切削工具としても活用できる?
ジョイントカッタはビスケットチップ用の溝を切削するための専用工具ですが、木材の曲面切削加工にも使用している例があります。
ジョイントカッタは指定の深さで切削できる電動工具なので、曲面の座面の深さをポイントごとに切削して、掘り込みの底を目安に研磨して曲面を削り出しています。
ビスケットカッタはビスケットジョイント専用工具なのでほかに使い道は無いと思われていますが、考えてみればほかにも使い方があるかもしれません。
ジョイント接合の作業用品も忘れないように
ビスケットジョイントは強固な接合を手軽に行える手法ですが、接合そのものには接着剤を使っているのも忘れてはいけません。
木工用接着剤が必要なのはもちろんのこと、仮止め固定するクランプも併用しないと十分な接合強度を保つことはできないので、固定具なども忘れないようにしましょう。
おすすめのジョイントカッタ
マキタ 充電式ジョイントカッタ PJ180D
マキタの充電式18Vジョイントカッタです。
最も普及しているマキタ18Vバッテリーを使える利点があり、コード無しの取り回しの良さで効率的に作業を行うことができます。
価格もマキタACモデルより安いので、マキタバッテリーを持っている方であればPJ180D一択です。14.4VモデルのPJ140Dもあります。
マキタ ジョイントカッタ PJ7000
マキタの電源コード式のジョイントカッタです。
基本的な製品仕様は充電式のジョイントカッタと変わりません。価格の面では充電式モデル単体よりは高いものの、バッテリー充電器セット仕様では安いので、マキタ製品を持っていない他社ユーザーにおすすめです。
Triton(トライトン) ビスケットジョインター TBJ001
低価格なTriton(トライトン)ブランドのジョイントカッタです。
Tritonブランドはオーストラリア発祥の電動工具ブランドです。日本では株式会社高儀が代理店として販売を行っています。
低価格ながらも高精度なアルミ構造を持ち、効率的なビスケットジョイントが行えます。