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2022年2月13日

現場用ウェアラブル機器が大きく発展 第8回ウェアラブルEXPO【イベントレポート】

現場用ウェアラブル機器が大きく発展 第8回ウェアラブルEXPO【イベントレポート】

第8回ウェアラブルEXPOが開催

2022年1月19日~21日の間に第8回ウェアラブルEXPOが東京ビッグサイト(会場:東京都江東区) で開催されました。

ウェアラブルエキスポ展示会場では同時開催展示を含む1,064社が出展し、リモート化や省人化・健康管理のための端末や部品材料が展示されました。

クラボウブース Smartfit スマートウォッチ型デバイス

ミツフジ株式会社が開発したのは、クラボウの体調管理システム Smartfitに連携したeSIM搭載のスマートウォッチです。

このウェアラブルデバイスは、LTE通信機能を搭載しており、スマートフォンとのペアリングやWiFi/LPWA等の外部機器との接続を必要とせず、スマートウォッチ単体でのインターネット網通信を実現しています。

体調管理システムとしては、クラボウが提供するクラウドサービス「Smartfit for work」と連携し、作業者が自分の体の状態が分かるだけでなく、離れた場所にいる管理者もデバイスを装着している全作業者の暑熱リスク、体調、心拍などを把握できる集中管理機能を搭載しています。

作業者からの緊急通知のほか、時刻、歩数、温度表示などの機能もついており、日常生活の健康管理にも使用できるウェアラブルデバイスになっています。

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開発元ミツフジ株式会社
サービス元倉敷紡績株式会社

WESTUNITISブース InfoLinker3 産業用スマートグラス

ウェアラブルデバイスと関連ソフトウエアの設計・開発を行うウエストユニティス株式会社(本社:大阪府大阪市北区)が展示していたのは、2021年7月から販売が開始されたスマートグラス InfoLinker3です。

このスマートグラスはLTE通信モジュールを備えた大容量バッテリーのカメラ付きスマートグラスで、製品単体でのインターネット接続とクラウドサービスによって現場作業におけるDXを推進するウェアラブルデバイスです。

LTE通信機能の搭載により、スマートフォンとのペアリングやWiFi/LPWA等の外部機器との接続を必要としなくなり、グラス単体でのインターネット網通信を実現します。装着のみで作業配信が行えるようになり、現場配信作業の使い勝手の向上を実現しています。

InfoLinker3で使用するクラウドシステムは最大9台までのInfoLinker3とパソコンの同時接続を実現。最高フルHD(1920×1080)画質の精細な映像でのビデオ配信に対応しています。

装着イメージ図、スマートグラスとバッテリー部は分割された構造になっており、5,000mAhの大容量バッテリーを搭載する
ヘッドマウント部はケーブルを外して切り離し可能。コネクタはType-Cだが、付属のネックバンドでなければ動作しない。
ネックバンド部にはバッテリーやSIMスロット・外部入出力オーディオポートなどを備える。
InfoLinker3で使用するクラウドサービス LinkerWorks
最大9台まで接続でき画質はフルHDまで対応するWebベースのクラウドサービス。InfoLinker3はLinkerWorksにしか対応しておらず、ほかのビデオ配信サービスには対応しない。
開発元ウエストユニティス株式会社
URLhttps://www.westunitis.co.jp/
本社所在地大阪府大阪市北区大深町4-20
グランフロント大阪タワーA29階

現場向けのウェアラブルデバイスが目立った第8回展示

ここ数年のウェアラブルデバイスの動向は、民生向けの健康促進サービスやクラウド基盤の開発サービスなどが主体になっていましたが、第8回については現場向けウェアラブルデバイスの展開が本格化している印象を受けました。

最も好印象だったのが「ウェアラブルデバイス単体での通信モジュール搭載」です。

記事内で紹介している2製品ともLTEモジュールを搭載し製品単体でインターネット接続機能が可能な製品であり、IoT(モノのインターネット)を本当の意味で体現するデバイスです。

従来のウェアラブルデバイスは、スマホを経由したBluetooth接続やWiFi接続が必須であり、WiFiの整備や現場作業者への通信帯域負担など実際の運用に関しては若干難のあるものでした。それがLTEモジュールの内蔵により一気に使いやすくなったのは現場向けの機器としては大きな進歩だと感じています。

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