電動工具を販売する株式会社マキタは、2020年3月にX-LOCK対応18V充電式グラインダ「GA420D」を発売します。GA420Dで採用されているX-LOCKは、2019年にBOSCHが開発したディスクグラインダ用砥石の取り付け構造の新方式で、サードパーティーのメーカーが採用する例としてマキタ製品は世界初となります。
- マキタ vs BOSCH 「X-LOCK」ディスクグラインダーを徹底解説
- マキタフランス新製品|X-LOCK対応 充電式グラインダ『DGA519ZX1』を販売
- 砥石装着の次世代系、ディスクグラインダーの新構造 X-Lock|Bosch製品情報
目次
ワンタッチのディスク脱着を実現するX-LOCK「GA420D」
電動工具を販売する株式会社マキタは2020年3月に新方式のディスク着脱X-LOCKに対応するディスクグラインダ、100mm「GA420D」 125mm「GA520D」の2機種を発売します。
今回のディスクグラインダはBOSCHが2019年に展開した砥石の新しい取り付け構造で、ワンタッチでのディスク脱着を実現しています。BOSCHのX-LOCK対応製品は既に販売されていますが、日本国内でのX-LOCK対応100mmディスクグラインダの展開は初となります。
以前、マキタフランスでのX-LOCK対応グラインダ「DGA519ZX1」の展開について紹介しました。今回、日本でもマキタからX-LOCK対応のグラインダが発売されるようになり、今後、日本市場での本格的なX-LOCK展開が期待されます。
製品の特長「X-LOCKでワンタッチ着脱」
GA420Dで新たに採用されたのが「X-LOCK」によるワンタッチ着脱です。
従来のグラインダーでの砥石着脱はナットによる締め付けが一般的で、砥石着脱用の専用砥石が必要で砥石の交換も手間のかかる方法でした。
今回のX-LOCK搭載によってワンタッチで砥石の交換が出来るようになったことで、ディスクの素早い交換によるグラインダーの新しい活用方法が生まれるかもしれません。
ホイールカバーもX-LOCKに合わせて進化
X-LOCK搭載のワンタッチ着脱に伴い、ホイールカバーの構造も大きく変更されています。
従来のホイールカバーはネジの締付けによる固定でしたが、ワンタッチレバー方式に変わりカバーの装着方向を変える作業も容易になりました。
この構造の採用により、1つのグラインダだけで研削作業から切断作業まで素早い作業の切替に対応できます。
製品仕様(AWS対応モデルGA418D比較)
製品名 | GA420D | GA418D |
外観 | ||
砥石径 | 100mm | 100mm |
砥石固定方式 | X-LOCK | ナット止め |
変速 | × | 5段階 |
回転数 | 8,500min-1 | 3,000-8,500min-1 |
無線 | × | AWS |
スイッチ | パドルスイッチ | パドルスイッチ |
無線連動 | × | AWS |
バッテリー | 18V | 18V |
寸法 | 376×117×147 | 382×117×146 |
重量 | 2.5kg | 2.5kg |
他社品比較(125mm品 BOSCH GWX 18V-8比較)
製品名 | GA520D | GWX 18V-8 |
外観 | ||
砥石径 | 125mm | 125mm |
砥石固定方式 | X-LOCK | X-LOCK |
変速 | × | × |
回転数 | 8,500min-1 | 11,000min-1 |
無線 | × | × |
スイッチ | パドルスイッチ | スライドスイッチ |
バッテリー | 18V | 18V |
寸法 | 376×140×147 | 370×160×100 |
重量 | 2.6kg | 2.6 kg |
コストは高いが、それに見合う取り回しの良さを実現
今回のX-LOCK搭載グラインダでは、切断と研削ディスクの交換がワンタッチで済むので、1つのグラインダで行う作業の幅は大きく広がると考えられます。また、X-LOCKには砥石の脱落の心配がない・ディスク裏表を間違えない、などの隠れたメリットもあります。
現在のX-LOCK対応砥石は新しい製品なので、ラインナップも少なく、従来のディスクと比べると若干高コストですが、今後は他社ディスクメーカーの参入で安くなる可能性も考えられます。
記事公開時点ではマキタのX-LOCK対応ディスクは流通量が少なく、実店舗・ネット販売共に取扱店は少ない状態が続いています。そのため実際の使用にはディスク調達面で大きな不安が残ります。マキタ営業は「コロナウイルスで影響はないため、近日中に十分な量が流通する」とコメントがしていましたが、実状は製品先行で流通が進んでおり、X-LOCK対応ディスクが安定して購入できるようになるまでもう少しかかるかもしれません。
既存のBOSCH製品と比較すると、変速機能の未搭載などで劣る部分もあるものの、国内では唯一となる100mmX-LOCK対応グラインダのGA420D、マキタの強い販売網を活かした入手性などがマキタX-LOCKグラインダの大きなメリットです。
- マキタ vs BOSCH 「X-LOCK」ディスクグラインダーを徹底解説
- マキタフランス新製品|X-LOCK対応 充電式グラインダ『DGA519ZX1』を販売
- 砥石装着の次世代系、ディスクグラインダーの新構造 X-Lock|Bosch製品情報