手芸・工作用途に使用するする「糸ノコ盤」

糸ノコ盤とは、糸ノコ刃を取り付けて使用する定置型の切断工具です。形状がミシンに似ているためミシンノコとも呼ばれる場合もあります。

糸ノコ刃と呼ばれる細い刃を使用しているので、板材を切り出した手芸や工作用途などの繊細な木工工作に適しているのが特徴です。曲線切断や中抜き加工など自由に切断する作業を得意としています。

モーター出力は100W以下の製品が多く、切断能力そのものは高い工具ではありません。直線切断や板材以外の切断作業としているため、大工作業や日曜大工で使用するシーンは多くありません。

糸ノコ盤は振幅切断なので、作業中誤って刃に触れても深刻な事故までには至りませんが、材料を手に持って切断する電動工具なので、材料に振られることもあるため作業中にケガを負わないように注意が必要です。

糸ノコ盤の選び方

ここからは糸のこ盤の選び方について解説します。以下の製品スペック概要を参考にしながら、作業にあった製品を選んでください。

テーブル寸法

切断する材料を乗せるテーブルの大きさを表します。大きいほど作業しやすく安定して切断できますが、その分、製品本体のサイズも大きくなります。

傾斜切断に対応するテーブル傾斜機能を搭載している糸のこ盤も販売されています。

ふところ寸法

ノコ刃からアームまでの奥行きを表す寸法です。この数値が大きいほど幅の広い板材を切断できます。

一般的な製品だと、ふところ寸法40cm程度のサイズが一般的です。

ストローク数

鋸刃の1分あたりの振幅数を表しています。この数値が大きいほど切断速度が速くなります。ただし、素材や加工によって適したストローク数があるので、変速機能を搭載した製品を選ぶのがおすすめです。

一般的には木材は高速、プラスチック・金属は低速で切断します。

ストローク量

1度の振幅で刃が上下する幅を表しています。この数値が大きいほど切断スピードが速くなります。刃の触れる部分も大きくなるため消耗が少なくなるメリットもあります。

ストローク量の大きい製品はそれだけ高性能ですが、振動や本体サイズも大きくなるため、設置場所や用途に応じて製品を選択します。

糸ノコ刃取り付け方式

糸ノコ刃の取り付け方式には2種類あり、ピンに引っ掛けて固定するピンエンドタイプと、締め付けて固定するストレートタイプがあります。

両方とも使用できる製品を選ぶのがおすすめです。

付加機能

糸ノコ盤には製品によってさまざまな付加機能が搭載されています。代表的なものでは、傾斜切断に対応するテーブル傾斜、切断時の粉塵を除去する集塵機能、刃の交換を補助するフリーアーム、ストローク数を調整する変速機能、手元を照らすLEDライトなどがあります。

糸ノコ盤おすすめ製品

SK11 SSC-400PE

製品名	SSC-400PE
テーブル寸法	250×410mm
ふところ寸法	400mm
ストローク数	1,500min-1（東日本) 1,600min-1（西日本）
ストローク幅	18mm
消費電力	90W
寸法	630×250×325mm
重量	約11kg
その他機能	テーブル傾斜 エアブロー 集塵機接続口

• 基本的なスペック高く、低価格なのでコストパフォーマンスが良い
• 付加機能に乏しく変速機能などが未搭載

HiKOKI FCW40SA

製品名	FCW40SA
テーブル寸法	–
ふところ寸法	406mm
ストローク数	400～1,600min-1
ストローク幅	19mm
消費電力	80W
寸法	545×280×320mm
重量	約3.2kg
その他機能	テーブル傾斜 エアブロー 集塵機接続口 変速機能 フリーアーム

• 機能が充実している糸ノコ盤のスタンダードモデル

PROXXON コッピングソウテーブルEX

製品名	No.27088
テーブル寸法	–
ふところ寸法	–
ストローク数	500～1,700min-1
ストローク幅	12mm
消費電力	90W
寸法	430×250×300mm
重量	約3.2kg
その他機能	テーブル傾斜 エアブロー 集塵機接続口 変速機能 LEDライト

• 軽量コンパクトで省スペースな糸のこ盤

Dremel MOTO-SAW 2 in 1コンパクトスクロールソー

製品名	MS20
テーブル寸法	–
ふところ寸法	–
ストローク数	500～1,700min-1
ストローク幅	8mm
消費電力	70W
寸法	–
重量	1.1kg
その他機能	2in1仕様

• 手持ちの電動糸ノコとしても使用できる2in1仕様
• 分解してケース収納に対応
• 糸ノコ盤として簡易的な製品なので切断能力は低め

おすすめ糸のこ刃

糸ノコ盤は数ある木材切断電動工具の中でも、刃に頼る部分の大きい電動工具なので、ノコ刃の選定は非常に重要です。材料に合わないノコ刃を選ぶと切れなくなって作業性も悪くなります。

糸ノコ刃を選ぶポイントとしては、薄い板材の切断では薄く刃数の多い糸ノコ刃を、厚く硬い材料を切断する場合は厚く刃数の少ない糸ノコ刃を選択します。また、金属切断の場合は金属切断用の糸ノコ刃を使用します。幅広い材料を汎用的に切断できる刃では、スパイラルタイプがおすすめです。

SK11 電動糸鋸刃 木工厚板用 10本入り No.6

• 木工　厚板用
• 厚み:0.53mm
• 幅:1.7mm
• 山数:19
• 仕様:トビ目
• 材質:SK4

SK11 電動糸鋸刃 木工薄板用 10本入り No.7

• 木工　薄板用
• 厚み:0.45mm
• 幅:1.3mm
• 山数:25
• 仕様:中目
• 材質:SK4

SK11 電動糸鋸刃 アルミ・真鍮用 10本入り No.3

• 金工　アルミ・真鍮用
• 厚み:0.45mm
• 幅:1.3mm
• 山数:98
• 仕様:スリ目
• 材質:SK4

SK11 電動糸鋸刃 木工・ゴム・プラスチック用 10本入り No.2

• 木工・ゴム・プラスチック用
• 厚み:0.38mm
• 幅:1.25mm
• 山数:65
• 仕様:山並み目
• 材質:SK4

SK11 電動糸鋸刃 スパイラルタイプ №8

• 木工・ゴム・プラスチック用 5本入
• 仕様:スパイラルタイプ
• 材質:合金鋼