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2020年7月5日

マキタ18V充電式冷温庫「CW180DZ」を発売、持ち運びできる-18℃クーラーボックス

マキタ18V充電式冷温庫「CW180DZ」を発売、持ち運びできる-18℃クーラーボックス

電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、コンプレッサーを内蔵した18V充電式バッテリーで動作する可搬式のクーラーボックス「CW180DZ」を、2020年6月から全国のマキタ取扱店を通じて販売します。

マキタから18Vバッテリーで動く冷温庫「CW180DZ」発売

電動工具を販売する株式会社マキタは、2020年5月に18Vバッテリーで動作するコンプレッサー内蔵の冷温庫「CW180DZ」を発表しました。6月から全国のマキタ取扱店を通じて順次販売します。

CW180DZは、従来他社品に搭載されているペルチェ方式による冷却ではなく、コンプレッサーを搭載した熱交換器による冷却方式を採用。強力な冷却構造によって、外気温30度の屋外環境でも家庭用冷蔵庫と同等の-18℃の冷却性能を実現しています。

ヒーターも内蔵しているため、外気温0℃でも庫内60℃の保温動作が可能で、通年活躍できるオールラウンダーな冷温庫として、現場の新たなスタンダード冷温庫として活用できます。

製品の特徴「コンプレッサ(+ヒータ)内蔵で強力性能」

CW180DZ

家庭用冷蔵庫と同じコンプレッサによる熱交換器を搭載しているのが特徴です。外気温30℃の屋外環境下でも-18℃の強力な冷却性能を実現しており、氷・アイスなどの普通のクーラーボックスでは長時間保冷できなかった冷菓食品も保冷できるようになります。

市場従来品の冷温庫とマキタ冷温庫では、冷却構造に大きな違いがあります。

従来の冷温庫はペルチェ素子による電子冷却方式で小型化が容易な方式である一方、冷却効率が非常に悪く消費電力も高い欠点を持っていました。今回のマキタ冷温庫は、それらペルチェを採用する従来品とは、一線を画した強力な冷却性能を備えています。

熱交換器とは

異なる2つの流体間で熱エネルギーを交換するために使用する機器。温度の高い物体から低い物体へ効率的に熱を移動させることで物体の加熱や冷却を行う目的で用いられる。冷凍サイクルでは液体が気体に変わるときの蒸発熱(気化熱)を使用する。蒸発器・圧縮機・凝縮器・毛細管から構成される。

ペルチェ(ペルティエ)素子とは

異なる金属を接合して電流を流すと発生する吸熱・放熱する「ペルチェ効果」を利用した電子部品。圧縮機を使用しないのでコンパクトで動作音がしない特徴を持つ。ペルチェ素子に加えた電力+吸熱量の放熱が必要になり、大型化には向かず冷却効率も著しく低い。

保冷は5段階 -18℃~10℃

CW180DZ

保冷動作時では、家庭用冷蔵庫の冷凍庫と同等の最大-18℃までの保冷モード動作が可能です。

5℃設定時には18V, 6.0Ahバッテリー1本装着時で8時間30分の長期間保冷ができるので、電源のない現場でも丸1日使用できるスペックです。

保冷温度設定は-18℃/-10℃/0℃/5℃/10℃で切り替え可能です。

保温は2段階 55℃~60℃

CW180DZ

ヒーターも内蔵しており、庫内を温める保温モードを搭載しています。

保温温度設定は55℃/60℃で切り替え可能です。ただし、消費電力は大きく18V, 6.0Ah塔載で2時間しか持たない点に注意がひつようです。

現場や休憩所で活用できる様々な機能を搭載

  • 3電源給電に対応
CW180DZ

マキタ18Vバッテリー・ACアダプタによる家庭用AC100V・車のシガーライターソケット12Vの3電源の動作に対応。様々な場所で使用できます。

  • LCDパネル搭載
CW180DZ

LCDディスプレイを搭載、一目で設定温度や電池残量がわかります。(庫内温度の表示機能は未確認)

  • 容量20Lタンク
CW180DZ

庫内容量は20L、500mLペットボトルなら20本。2Lペットボトルは横倒しで4本入ります。

  • USB機器充電対応
CW180DZ

バッテリー装着口にはUSB端子を搭載。スマホ・タブレットなどのUSB機器の充電に対応。

  • 防水保護等級IPX4
CW180DZ

防水保護等級IPX4に適合。屋外での軽い雨などの影響もカバーできます。(バッテリ使用時のみ)

  • 栓抜き搭載
CW180DZ

本体側面に栓抜きが付いているので、瓶飲料を空けることもできます。キャンプなどでビール瓶を持ち込むに大活躍

保冷機能は動作がシビア、安定した水平の場所での使用

CW180DZはコンプレッサー内蔵のため、傾けや横置き設置には非対応となっています。本体を70度以上傾けてしまうと2時間経過しないと保冷機能が使用できなくなるため注意が必要です。

通常の冷蔵庫設置の際にも1時間安置してからの電源投入が必要で、横倒しにして運搬した場合は半日安置してから電源を入れるようにしなければならないので、冷却動作時はできるだけ安定した状態で使用するのが望ましいようです。

車に積載した時の振動や、運転時の振動程度では問題ないようです。

販売店の在庫切れも間近 [2020年7月追記]

各販売店からの情報によると、7月時点で2020年のCW180DZの生産は完了していて、年内中の再生産予定はないようです。

マキタ倉庫の出荷待ち品はある程度残っているようですが、すでにネット販売店向けの在庫は切らしており、残るは地方販売店用の在庫のみとなるようです。今からのCW180DZ購入は、マキタの再生産前倒しや後継モデルの発売待ちになりそうです

CW180DZ製品仕様(HiKOKI UL18DA比較)

※優位点は太字

製品名マキタ CW180DZHiKOKI UL18DA
外観
方式コンプレッサ+ヒータペルチェ素子
最低温度-18℃5℃
最高温度60℃55℃
温度設定保冷:-18℃/-10℃/0℃/5℃/10℃
保温:55℃/60℃
保冷:HIGH/MID/LOW
保温:HIGH/MID/LOW
内容積20L25L
目安容量500mペットボトル×20
2Lペットボトル×4
500mペットボトル×20
2Lペットボトル×6
連続使用時間BL1860×1本装着時
-18℃設定:2h 30m
5℃設定:8h 30m
60℃設定:2h 00m
BSL36A18×1本装着時
HIGH:2h 30m
MID :3h 10m
LOW :5h 00m
蓋ストッパ×
充電機能×
キャスター
ハンドル×
状態表示LCDパネルLED
USB出力端子×
栓抜き×
防水IPX4IPX4
対応電源ACアダプタ
シガーソケット(12V,24V)
バッテリー
ACアダプタ
シガーソケット(12V)
バッテリー
バッテリー電圧18V14.4V/18V
バッテリー搭載本数18V 2本14.4/18V 2本
寸法341×623×371.5mm340×560×445mm
質量14.3kg
(BL1860B×2本装着時)
8.0kg
(本体のみ)
定価69,800円 (本体のみ)52,000円 (XM)BSL36A18付属
38,000円 (NM)本体のみ
特徴高い冷却性能
長い保冷時間
重い
性能が低い
軽い
安い
製品情報製品ページ
カタログ
取扱説明書
製品ページ

現場用クーラーボックスの新たな需要を生み出すか

今回マキタから発売されるCW180DZは、電動工具市場で久々の新ジャンル製品です。

類似製品にはHiKOKIのUL18DAが展開されていますが、冷却方式が異なるので、まったく別の新ジャンル製品と考えた方が良いでしょう。冷却性能に関してだけを言えばCW180DZが圧倒的に有利で、雲泥の差になると予想されます。

HiKOKI UL18DAのペルチェ方式は「無いよりはマシな冷却機能」程度の性能ですが、今回のCW180DZは「割と使える」くらいの冷却性能が期待できそうです。-18℃動作ができるので、アイスなどの冷菓食品も現場に持ち込めるようになるのは大きなポイントです。1

空調服などを含む夏の現場作業員向けの冷却グッズとして、マキタCW180DZは非常に魅力的な製品になりそうです。今年の夏の気温は例年並みかそれより高くなると予報されているので、このような製品は現場の必需品となりそうです。2

コンプレッサ搭載のクーラーボックス自体は珍しい製品ではなく、ここ数年でWeb通販サイトを中心に車載用の製品が普及していて、価格も30,000円から販売とアウトドア用途で普及が進んでいる製品です。

マキタCW180DZの大きな特徴は「保温機能を搭載」「マキタバッテリー動作」の2点です。特にマキタバッテリーを搭載すれば電源のない環境でも使用できて、半日近い動作時間が実現できるので、作業現場以外にもレジャー・医療・福祉・宅食など、幅広い分野での活用方法が考えられます。

マキタにとって新しいカテゴリの製品なので若干キワモノ寄りある点や、熱交換コンプレッサーを可搬式仕様にしている仕様を考えると、カタログに示されていない部分(騒音・冷えるまでの時間・故障率)などでトラブルが発生するかもしれません。通常の冷蔵庫であっても常温から冷えるようなるまで数時間程かかるので、期待し過ぎるのも良くないかもしれません。

製品仕様的には市場従来製品を大きく上回るスペックとなっているのは間違いないので、まずは6月の販売展示品を見てどれくらいの製品なのかを確認したいところです。

脚注

  1. ペルチェ搭載のクーラーボックスの場合、庫内がペルチェの冷却能力より低くなるとペルチェ素子から冷気が逃げていくため、通常のクーラーボックスより保冷性能が悪くなると推測される。
  2. 夏の天候の見通し|気象庁地球環境・海洋部
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