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窓抜き切断・長尺切断に特化した丸ノコ
プランジ丸ノコとは、窓抜き切断や長尺切断作業に特化した丸ノコです。プランジ(plunge)とは「押し込む・突き刺す」の意味があり、丸ノコの刃を押し込んで切断できる構造を備えているのが特徴です。
1980年に独FESTOOL(フェスツール)社によって開発され、その後Mafell・Kreg・BOSCH・Makitaなどを含んだ複数の電動工具メーカーによって製品展開が行われています。
プランジ丸ノコは通常の丸ノコと異なる刃物カバー構造を備え、専用ガイドの装着によって高い精度の長尺切断に対応する切断工具です。
可搬性がある手持ち式の電動工具でありながらも専用ガイドの使用によって通常の丸ノコよりも高い直線切断精度を用意実現できるので、高い精度が必要な切断作業や内装材のカットなどに使われます。
丸ノコとの違い
通常の丸ノコはベースの下部に可動式の刃物カバーを備える構造になっていますが、プランジ丸ノコの場合、ベースの上側にチップソー全体を収納する刃物カバーを備えているのが特徴です。
必要に応じてチップソーを突き出して刃物の出し量を調節できるため、材料のどこからでも切断が可能で窓抜き切断作業にも対応できます。
切断箇所と吸引位置が近いコレクトカバー方式の集じん丸ノコほどではありませんが、刃物をカバーする面積も広いため、通常の丸ノコよりも集じん率に優れ効率的に切断くずを回収できるのも特徴です。
専用ガイド装着で高い精度の長尺切断
プランジ丸ノコのもう一つの特徴として挙げられるのが専用ガイドの装着による高精度な長尺切断です。
通常の丸ノコで長尺切断を行う場合、ガイド定規などを使って作業を行いますが、ベースの歪み・平行度のずれ・不手際による定規のズレなどによって真っ直ぐ切れない場合もあります。
専用ガイドを使うプランジ丸ノコはベースと一体化してスライドするため、ガイドの固定に沿った確実な直線切断を行うことができます。
ほかの工具で対応できる
残念ながら、でプランジ丸ノコは作業現場で使われることはほとんど無く、実際に使われているシーンを見るのは稀です。
例えば、プランジ丸ノコを使った窓抜き切断作業はレシプロソーやマルチツール・ルーターでも対応できます。窓抜け切断はそこまでの精度が求められないケースも多く、直線切断しかできないプランジ丸ノコの出番は多くありません。
またガイドを使った長尺切断についても、工場設備のパネルソーやランニングソーで前もって切断してから現場に運搬するケースが多く、現場合わせの切断であっても丸ノコガイド定規を使った切断でも十分対応できるため、プランジ丸ノコを用いるケースはほとんどありません。
プランジ丸ノコは普段使いの切断作業にも使用できますが、構造上大きく重く、取り回しや価格の面から敬遠されため、ほとんどの作業がほかの電動工具で代用されています。
ガイドもアダプタ装着でほかの工具へ使用可能
プランジ丸ノコのもう一つの特徴が専用ガイドを使った高精度長尺切断ですが、国内でプランジ丸ノコを販売するマキタはマルノコ・防じんマルノコ・ルーター・ジグソー用の長尺定規アダプタを販売しています。
これらのアタッチメントを装着すればプランジ丸ノコを購入しなくてもプランジ丸ノコ用の長尺定規を使用できます。
プランジ丸ノコ ピックアップ
プランジ丸ノコは家屋が広い海外市場では比較的需要があるため複数のメーカーが製品販売を行っていますが、日本ではあまり需要がない電動工具です。
日本でプランジ丸ノコを取り扱う主要メーカーはマキタ・BOSCH・tritonによる3社です。
取り扱い価格を重視するのであれば電源コード式のTritonブランド製品、取り回し重視であれば充電式のマキタブランド製品を選ぶのがおすすめです。
Triton プランジトラックソー TTS1400
のこ刃径 | 165mm | 切断深さ | – |
無負荷回転数 | 2000〜5500回転/分 | 消費電力 | 1,200W |
ノコ刃の傾斜角度 | 0〜48° | 電源 | AC100V |
寸法 | 250×340×230mm | 重量 | 5.4kg |
マキタ 165mm充電式プランジ丸ノコ SP601DZ
のこ刃径 | 165mm | 切断深さ | 56mm |
無負荷回転数 | 2,500〜6,300回転/分 | 消費電力 | – |
ノコ刃の傾斜角度 | -1〜48° | 電源 | 18V×2 |
寸法 | 241×346×272mm | 重量 | 5.0kg |