電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年9月に充電式スカリファイヤ MUV001Gを発売する。芝生の育成管理に使用する電動工具でサッチングやほふく茎や根のカットに使用する。本体標準小売価格は133,000円(税別)
目次
マキタ 充電式スカリファイヤ MUV001G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年9月に充電式スカリファイヤ MUV001Gを発売します。
MUV001Gは、マキタ初の充電式スカリファイヤです。40Vmaxシリーズで最大2本のバッテリー装着に対応します。
スカリファイヤとは芝生の育成管理に使用する工具で、芝に形成されたサッチや過度に押し固められた土を除去して土壌に酸素や水、栄養分の吸収を促進させるために使用します。
ブレード付け替えでエアレーション作業とサッチング作業の2種類の作業に対応し、作業幅380mmとバッテリー2本装着による連続作業性で最大500m2の連続作業に対応します。
販売仕様は、本体のみのMUV001GZのみ展開します。
- MUV001GZ 本体のみ 希望小売価格133,000円(税抜)
製品仕様
製品名 | MUV001GZ |
---|---|
外観 | |
作業幅 | 380mm |
作業深さ | 最大深さ:-12mm 最小深さ:+5mm (18段階) |
回転数 | 3,200min-1 |
対応ブレード | バーティカルカッタ サッチングブレード |
バッテリー | 40Vmax |
バッテリー装着本数 | 最大2本 |
重量 | 22kg |
寸法 | 1,020~1,240×680×915~1,155mm |
本体価格 | 133,000円(税別) |
販売年月 | 2023年09月 |
製品の特徴
「サッチの除去やほふく茎のカットで芝生の維持管理」
MUV001Gは芝生の維持管理に使用する園芸機器です。
芝生は定期定な維持管理が必要な植物です。芝生の維持管理に必要な作業は芝刈りだけではなく、施肥や除草、エアレーションなどを行う必要があり、これらを定期的に行わなければ長期的に状態の良い芝を維持することは難しいとされています。今回発売した充電式スカリファイヤは、芝部の維持管理に必要なエアレーションを行うための園芸機器です。
エアレーションとは、酸素や水、養分が土壌の深部に浸透しやすくするための処理のことです。
長期的に生育した芝生は、刈りカスが堆積したサッチや固められた土、横に生えたほふく茎や根などの有害な堆積物が蓄積し、芝に十分な酸素や水分、栄養が回りにくい状態になっていきます。スカリファイヤは回転刃によってこれらの堆積物を除去することによって、芝の成長を促進させるための製品です。
また MUV001Gはエアレーションだけではなくサッチングに特化したサッチングブレードによる作業にも対応しており、芝や土壌を傷付けることなくサッチだけを除去することも可能です。
40Vmaxバッテリー最大2本装着に対応
40Vmaxバッテリーを同時に2本装着できる構造を搭載。(1本でも動作します)
1本目のバッテリ残量がなくなると、2本目に自動で切り替わります。BL4080Fバッテリー×2本装着で約500m2の連続作業に対応します。
ボルト2本を外すだけの簡単アタッチメント交換
ボルト2本を外すだけで脱着可能。
バーティカルカッタからサッチングブレードへ簡単に交換できます。
大容量50L大型集草カゴ
大容量の50Lサイズの集草カゴが標準付属。回収したサッチを散らすことなくゴミ捨て回数も低減します。
ツールレスのハンドル高さ調整機能
ハンドル高さは2段階で調整可能。ツールレスで簡単に高さを調節できます。
ハンドルは折り畳んでコンパクト収納が可能
ツールレスでハンドルを折り畳み可能。
IPX4防水で本体水洗いにも対応
雨の中でも運転可能な防水設計、防滴・防じん「ウェットガード」&防水保護等級「IPX4」により実現しました。
専門性が高まってきたマキタ園芸機器
今回発売した充電式スカリファイヤは、かなり専門性の高い園芸機器です。
ここ最近のマキタは、一時期のような「充電製品の総合サプライヤー」を多用することが少なくなり、代わりに「充電式OPEのマキタ」を前面に押し出した展開を強めている印象を受けています。
設備投資の観点でも、物流機能や倉庫機能の強化に努めており、芝刈り機をはじめとする大型製品を問題なく世界各国に流通させるための土台を整備しており、今回のスカリファイヤのような専門性の高い機械の開発もその恩恵によって発売可能になったものと考えられます。
今回のスカリファイヤが製品単体で黒字になるのかは難しいところと言えるものの、プロ用途の芝生維持管理の業務として考えるとこのような製品がないと話にならないようなものであり、芝刈り機やスカリファイヤなどそれら全てマキタブランドの充電式製品で揃うことの意義は大きいものと考えられます。
充電式電動工具の分野に関して言えば、とりあえずマキタ製品で揃えておけばとりあえず作業で困ることは無い状態とも言えます。それが造園、農業分野にも及ぶようになれれば、マキタの売上拡大策は盤石なものになると考えられます。
スカリファイヤのような専門性の高い製品も展開し、今後さらに充電式OPEの注力を進め、物流網も確保したマキタの今後の動向については、造園、農業系のユーザーにとっても高い期待を持っても良いのかもしれません。