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電子工作や試作品の開発の強い味方 互換コネクタセット
電子工作や製品試作でハーネスを作るとき、コネクタやコンタクトの調達で色々と面倒な思いをしている方も多いと思います。
ケーブルからハーネスを作るときは、コネクタのピン数などを選定したあとに必要とするコンタクトも探してカートに加える手間がいるので、資材手配の段階で結構な労力がかかってしまいます。大きな組織の開発環境なら純正コネクタの資材が余っていたりするのでハーネス制作にすぐ着手できるのですが、個人や小規模試作ではそうはいきません。
そんな方におすすめしたいのが、Amazonなどのネットモールで買える互換品の圧着コネクタセットです。ハウジングとコンタクトがセットになっており、互換品で価格も安いので手軽に調達できるのが魅力です。
もちろん純正品ではないので量産品に適用するには難がありますが、少量試作や開発の段階においては、すぐ開発に取り組めるセット品が一式あるだけで心情的な負担は一気に軽くなります。
今回の記事では、ネットモールで購入できる互換圧着コネクタのセット品を紹介します。
JST PHコネクタ互換セット:入手性の良い小型コネクタ
Amazonなどで気軽に買えるのがPHコネクタです。基板対電線接続用のコネクタでJST純正品仕様では2Aまで許容します。
2mmピッチのコネクタでサイズも小さく、2ピンから10ピンまで対応するので幅広い用途に対応するコネクタです。JST純正品の入手性も良いので基板を新規に設計する時には積極的に使っています。
最近は小容量バッテリーの採用例も多いコネクタなので、充電式機器の開発や試作を行う方なら1セット持っておくのが良いかもしれません。
コンタクトに使う配線ははAWG30~24までの太さに対応します。
JST XHコネクタ互換セット:ユニバーサル基板に使える汎用性
もう一つの入手性に優れているコネクタがXHコネクタです。基板対電線接続用のコネクタでJST純正品の仕様では3Aまで許容します。
こちらのコネクタはピッチが2.5mmなので、ユニバーサル基板の2.54mmピッチにそのまま取り付けられる手軽さが強みです。ユニバーサル基板で回路を作る時などにはぴったりです。
ただし、互換コネクタにはピッチ2.54mmと書かれている製品もあるので注意が必要です。2.54ピッチなら6ピン以上のサイズでもユニバーサル基板サイズに実装できるのですが、純正JST XHコネクタのピッチ2.5mmと寸法が異なる場合もあるので純正品への移行を想定している場合には注意しましょう。
コンタクトはAWG28~22までの太さに対応します。
JST VHコネクタ互換セット:電源用途に使える最大10A対応
電源やオーディオ用途に対応できるのがVHコネクタです。基板対電線接続用のコネクタでJST純正品仕様では10Aまで許容します。
互換コネクタセットの中では唯一の大電流対応の基板対電線なので、電源周りの配線に重宝するコネクタです。ちなみに、VHコネクタのセット品は取扱いが少なく、検索でも見つかりにくいのでセットとしては少しだけ希少性の高い互換コネクタです。
コネクタ互換セットの中では唯一ロック機構を持つコネクタなので、接続に高い信頼性が必要な場合における電源+信号線コネクタなら敢えてVHコネクタを使うのも十分ありです。
コンタクトはAWG22~16までの太さに対応します。
JST SMコネクタ互換セット:中継コネクタの自作におすすめ
コネクタ互換セットの中で唯一の中継コネクタがSMコネクタです。JST純正品の仕様では3Aまで許容します。
アームロック付きの中継用コネクタながら、配線の着脱容易さと高い接続信頼性を兼ね備えているのが特徴です。配線対のコネクタを使う場合には、XHやPHコネクタでの空中配線は行わず、できるだけSMコネクタを使うのがおすすめです。
外観的にはごつくて大電流にも対応できそうなのですが、最大適用電線はAWS22の定格3Aまでのコネクタなので、電源用途で使う場合には最大電流値に注意が必要です。
QI(2550)コネクタ互換セット:Arduinoやラズパイに活躍
ArduinoやRaspberry Piでおなじみのコネクタです。ブレッドボード用のジャンパー線や簡易的な空中配線に使われるコネクタです。
2550コネクタは電子工作でもよく使われるので入手性はもともと良いのですが、個別にハウジングを買い込むよりも、セット品を買っておいた方が安く済んでケースもついてくるので色々とお得だと思っています。
筆者はQIコネクタの圧着にエンジニア PAD-11を使用していますが、QIコネクタは圧着作業時に端子が曲がりやすく、ハウジングに挿入できなくなる失敗も多いので、専用工具を使った方が作業性が良くて失敗も少なくなるのかもしれません。
IWISSブランドならペンチ付属で3,500円で販売しているので、QIコネクタを多用するなら2か所の圧着を同時に行える専用圧着ペンチセット品を使った方が良いかもしれません。