Hohemは、2024年7月にクリエーターの撮影体験を向上させるiSteady V3 AIリモートスマートフォンジンバルを発表しました。iSteady 8.0アンチシェイクシステムによるスムーズな3軸安定と取り外し可能なリモートコントローラーや夜間撮影用の2W LEDを搭載する。公式ストア価格で19,550円(税込)
本記事はレビュー用サンプル品の提供を受けて構成しております。
目次
Hohem iSteady V3 スマホジンバル
中国深セン市に拠点を置くHohemは、2024年7月に最新のスマホジンバル hohem iSteady V3の日本発売を開始しました。
Hohem iSteady V3は、スマートフォンに装着して撮影を補助する三軸ジンバルです。
スマートフォンジンバルとは動画撮影時のスマホの揺れや手ブレを補正するアクセサリーで常に水平を保つことで撮影を安定させ、滑らかな映像撮影を実現できる機器です。
V3モデルでは、AIによる自動追尾機能や2W LEDランプの搭載による夜間撮影用の照明も搭載しており、取り外し可能なリモートコントローラによって遠隔操作も可能にしているのが特徴です。
本体カラーはブラックとホワイトの2仕様で展開しています。
- hohem V3 ジンバル ブラック 公式ストア価格19,550円(税込)
- hohem V3 ジンバル ホワイト 公式ストア価格19,550円(税込)
iSteady V3 製品仕様
製品名 | iSteady V3 |
---|---|
外観 | |
最大積載量 | 300g |
最大積載幅 | 58~98mm |
ジンバル稼働範囲 | パン:310° チルト:315° ロール:330° |
ジンバル制御範囲 | パン:-120~210° チルト:-35~45° ロール:-195~135° |
トラッカーLED | 2W |
LED照度 | 110lux@0.5m |
LED色温度 | 6500K (クール) 2700K (ウォーム) 5000K (自然光) |
バッテリー | 内蔵 7.2V-1,400mAh |
充電仕様 | USB Type-C 5V-2A |
重量 | ジンバル : 420g AIトラッカー : 13.6g |
寸法 | 展開時:127×65×312mm 収納時:98×44×160.5mm |
本体価格 | 19,550円(税込) |
販売年月 | 2024年7月 |
製品の特徴
「トラッキングAIによる自動追尾機能搭載のスマホジンバル」
hohem V3には外付けのマグネット装着式のAIトラッカーが付属しており、このトラッカーを活用することで自立的なジンバル動作が可能になります。
例えば、AIトラッカーを範囲内に向けて、撮影者の指をOKの形にするとAIトラッキングステータスLEDが緑色になってOKサインにした人を自動で追尾してくれるようになるので、自撮りや移動しながらの撮影でも位置合わせを行うことなく確実な撮影が可能です。
実際にAIトラッキングで追尾している時はこんな感じで追尾してくれます。
キャンセルする時は手をパーにします。認識するとステータスLEDが赤色に戻ってAIトラッキングが解除されます。
このAIトラッキング機能は専用アプリを使わなくても動作はできるので、後述のリモコンと組み合わせることで純正カメラアプリをはじめ他社撮影アプリでの動作も可能です。
ちなみにAIトラッキングを使わず、後述のHohem Joyアプリで追尾したときの動きはこんな感じになります。動作例では3Dプリンタ Bambu Lab X1Cのエクストルーダのファンを指定して自動追尾させています。
操作パネルを取り外してリモコン遠隔操作を実現
ジンバル正面の操作パネルは弱めの磁石でくっ付いているだけなので、横をつまむと取り外せるようになっています。
操作パネルを取り外すとジンバル本体と操作パネルが自動的に無線で接続されて、遠隔操作できるようになります。
リモコンとして使用している時も、本体装着時の操作パネル時と同じような操作が可能です。レスポンスの遅れなどもほとんど気にならないレベルで操作できます。
AIトラッカーには2Wライトを搭載、スマホだけでは光量が足りない時に
AIトラッカーには2WクラスのLEDライトを搭載しており、スマホ本体のLEDライトでは光量が足りない時でも明るさを確保できます。
V3 AIトラッカーのライトは、ジンバル本体側面のオレンジ色のダイヤルを2秒間推し続ければON/OFFを切り替えられます。点灯状態でダイヤルを回すと4~100%の範囲で明るさを調整できます。
さらに、AIトラッカーライトは色温度の3段階切替機能も搭載しており、ダイヤルを2回素早く押し込むと色温度を変更できます。
・6500K(寒色系ライト)
・2700K(暖色系ライト)
・5000K(中間色ライト)
最大20cm伸びる延長シャフト、角度調整も可能
V3は収納式の延長シャフトも搭載しており、最大20cmまで延長できるので自撮りや高い所の撮影にも活用できます。
手動での角度調整ではあるものの、軸の先端部は曲げることもできるので楽な持ち方で自撮りすることも可能です。
収納式の三脚で固定撮影にも対応
ジンバルの本体底面部には収納式の三脚を内蔵しています。隙間に指を差し込んで引っ張ると金属製の三脚を展開できます。
見た目は少し頼りないのですが、意外と剛性は高くしっかりとスマホとジンバルを保持できます。先程のAIトラッキングやリモコンも合わせて自撮りなどに活躍できます。
折り畳み時に固定できるのも好印象、収納袋も標準付属
V3の隠れた良ポイントとして、折り畳み時にジンバルの可動部を固定出来て輸送収納時の使い勝手に優れている点が挙げられます。
画像ではちょっと分かり難いんですが、ジンバルを適切な位置で折り畳むと嵌合部が上手く収まるので、可動部が動かずしっかりと固定できる状態になります。この状態ならガタガタせずにしっかり収納できるので、安心して持ち運べます。
ちなみに、V3には専用ポーチも付属しているので、バッグの中に入れていても傷付けることもありません。
ちゃんとUSB PD充電器からも充電できます
V3の充電は電源ボタン下側にあるUSB Type-C端子から行います。
V3はちゃんとCtoCケーブルでも充電できるので、USB PD充電器やモバイルバッテリーからの充電にも対応しています。
数年前あたりのType-CデバイスだとUSB PD充電器などのCtoCケーブルでは充電できないケースも多かったのですが、この辺りは安心して使用できます。ただし、ジンバルからスマホへの給電機能(リバースチャージ)がないのは少し残念な点です。
操作周りは複雑で記憶と慣れが必要、アプリからの操作が推奨
Hohem V3の基本的な操作はジンバル本体の操作パネルから行います。
スマホジンバルは機能が多いので操作系も複雑になりがちな製品なのですが、V3は付加価値機能を多く搭載しているので操作が輪をかけて複雑になっており、1つのボタンに何個もの機能が搭載されています。操作方法に関しては付属のクイックガイドにイメージ付きで描かれています。
基本的な操作だけならスティックのパンチルト操作とトリガーのパンチルトロールの画角固定、あとは撮影ボタンだけでもOKですが、より複雑で多彩な操作を行うには各ボタンに何の機能があるかの操作を覚える必要があります。
また、Hohem V3の詳細な本体設定にはHohem Joyアプリが必要です。アプリの設定ではスティック操作時の移動速度や電源投入時の標準位置などが設定できます。
Hohem Joy
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Hohem JoyアプリではV3のチュートリアルのほか、ジンバル本体の詳動作設定や撮影トラッキングの画面と連携した動作などジンバル動作を前提とした色々な撮影機能が実現できます。
一応、AIトラッキングは純正カメラアプリでも動作するものの、AIトラッキングのON/OFF自体はHohem Joyアプリ上からしか行えないので、Hohemジンバルを使用するのであればアプリのインストールはほぼ必須となります。
iPhoneアプリ版のHohem Joyアプリは撮影アプリとしては結構出来の良い方で、ユーザー登録なしでも使用できます。使用感も純正カメラアプリに近い感覚で使用でき、少しだけ日本語ローカライズがおかしい部分もあるのですが、その辺りは慣れで気にならなくなる程度です。
操作とアプリを理解しなければ100%使いこなせないが、強力なスマホジンバル
今回のHohem iSteady V3スマホジンバルの評価として、スマホジンバルそれ自体は同価格帯の他社水準に匹敵する性能を持っており、性能面のコストパフォーマンスにも優れている製品です。スマホジンバルの主力製品としてDJI Osmo Mbile6が挙げられますが、基本的な性能はほぼと想定しています。
付加価値として差別化できている点は、外付けのライト搭載AIトラッキングアダプタとリモコンになる操作パネルです。この2点は他社品には無い機能であり、リモコンに関しては自撮りなど色々な用途で使用できるため、他社製のジンバルよりも用途は広そうです。
そのほかの機能に関しては、他社製のスマホジンバルのスペックを眺めているとほぼ同等の機能を搭載している製品もあるのですが、三脚やライトなどが邪魔にならないオールインワンな感じで搭載しているモデルは現状 hohem V3です。2万円以下のスマホジンバルでここまで高水準に機能が仕上がっているジンバルはなかなか無いと思っています。
少し気になる点と言えば、Hohemの日本市場におけるローカライズやサポートの今後の状況です。
Hohemの製品は少し前までマーケットプレイスでの出品しかなく、今でも同じ製品で異なるマーケットプレイスの販売ページが存在しています。最近、HohemはAmazonで公式販売店となるHohem Japanマーケットプレイスを開設したようで、日本市場にも力を入れ始めたようで、販売価格も安くセールやクーポンなども実施するようになりましたが、日本市場向けのHohem公式ページは存在しておらず、サポート先のメールアドレスもoutlook.comのフリーメールなので多少の頼りなさを感じてしまうところです。
製品的には悪くないスマホジンバルであることには間違いないので、その辺りをしっかりと確認して使用できる方であれば、コストパフォーマンスに優れた高性能なスマホジンバルとしてオススメできる1台です。