
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2025年9月に40Vmaxシリーズの充電式チェンソーMUC030Gを発売する。新型バッテリBL4080Hの搭載によりエンジン式50mL相当の出力を実現する。ガイドバー長は400mm/450mm/500mmの3仕様を展開する。本体標準小売価格は108.000円(税別)から
目次
マキタ 充電式チェンソー MUC030G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、40Vmaxバッテリに対応する充電式チェンソー MUC030Gを発表しました。

MUC030Gは、マキタ充電式モデル歴代最大の出力性能を持つ充電式チェンソーです。
新型バッテリBL4080H搭載によってエンジン式50mL同等以上の作業能率を実現しており、伐倒や玉切り作業を効率よくこなします。
ガイドバー長は400mmから500mmまでの3仕様を備えており、薄刃 95TXL仕様で切断抵抗を大幅低減。鋭い喰いつきで快速切断を可能にします。
販売仕様は、製品本体のモータ部とチェンソーバーのセット展開で、ガイドバー400mm MUC030GZR1、ガイドバー450mm MUC030GZR2、ガイドバー500mm MUC030GZR3の3仕様で販売します。


- MUC030GZR1 ガイドバー長400mm仕様 本体のみ 希望小売価格118,700円(税抜)
- MUC030GZR2 ガイドバー長450mm仕様 本体のみ 希望小売価格121,000円(税抜)
- MUC030GZR3 ガイドバー長500mm仕様 本体のみ 希望小売価格123,300円(税抜)
MUC030G 製品仕様
製品名 | MUC030GZR1 | MUC030GZR2 | MUC030GZR3 |
---|---|---|---|
外観 | ![]() |
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相当排気量 | 最大 50mL | 最大 50mL | 最大 50mL |
ガイドバー長 | 400 mm | 450 mm | 500 mm |
チェーン形式 | 95-TXL-67E | 95-TXL-74E | 95-TXL-82E |
チェーンスピード | エコ:0~20.0 m/s 中速:0~24.5 m/s 高速:0~29.0 m/s |
エコ:0~20.0 m/s 中速:0~24.5 m/s 高速:0~29.0 m/s |
エコ:0~20.0 m/s 中速:0~24.5 m/s 高速:0~29.0 m/s |
バッテリー | 40Vmax | 40Vmax | 40Vmax |
重量 | 7.2kg | 7.3kg | 7.4kg |
寸法 | 827×232×280mm | 885×232×280mm | 956×232×280mm |
本体価格 | 118,700円(税別) | 121,000円(税別) | 123,300円(税別) |
販売年月 | 2025年09月 | 2025年09月 | 2025年09月 |
製品の特徴
「マキタ充電式モデル歴代最強のエンジン式50mL相当のチェンソー」

MUC030Gは、マキタ充電式モデルの中で歴代最大の出力性能を誇る充電式チェンソーです。
充電式のチェンソーながらも、最大出力動作時でエンジン式50mLに匹敵するパワーを実現しており、ハイスピード&ハイトルクで伐倒や玉切り作業を効率よくこなします。
50mL相当の出力にはBL4080Hバッテリ(別売)が必要

今回の充電式チェンソーの発売に合わせ、新型バッテリのBL4080Hも同時発売します。
BL4080Hは、高出力のタブレス構造のリチウムイオンセルを搭載するバッテリーパックであり、バッテリ単体の最大出力は従来バッテリパックのBL4080Fの2.8kWを超える3.8kWを実現しています。
ガイドバー長が異なる3仕様を展開

MUC030Gは、製品本体のモータ部となるMUC030GZRと各長さのガイドバーが付属する仕様で販売します。
梱包状態はモータ部とチェンソーバーセットの2梱包で販売し、モータ部のみの単体販売は行われません。
エンジン式同等の粘り強い使用感を実現

従来の充電式モデルよりも回転数低下の領域を伸ばし、エンジン式同等の粘り強い使用感を実現することで押し付けによる回転数低下を感覚的に把握しやすくなり、刃物を押し付ける力の調整が容易になりました。
トリガオンから素早く全速回転、エンジン式を超えるレスポンス

エンジン式を超える立ち上がりの速さでトリガオンから素早く全速回転。オンオフを繰り返す細かい連続作業も軽快にこなせます。
ロックしても「リトリガ」不要で素早く再起動

過負荷でロックしても、負荷を取り除けばトリガを引き直さずに再起動するリトリガ不要機能を搭載。トリガを引いたまま再開できるので作業を効率化します。
操作系の一新で操作感と視認性が向上

グローブ装着でも優れた操作性で明確なクリック感を実現するスイッチを搭載。さらに大型統合ディスプレイによって各種警告との表示も確実に把握できます。
操作系の一新で操作感と視認性が向上

製品本体は、防水保護等級IPX4Mに適合。屋外使用で雨天になっても安心して使用できます。
ちなみに、今回から新たに防水保護等級がIPX4″M”になりましたが、このM標記はIP規格の補助文字であり、”M”が付いているのは、製品動作状態における防水性能を記したもので、製品を動作させた状態に置いても防水性能を有していることを表すものとなります。

充電式チェンソーの出力最高峰に位置するモデル
今回のマキタ MUC030Gに関しては、現状のリチウムイオンバッテリーの性能で出力面で実現できる最高峰の充電式チェンソーではないかと考えています。
一応、エンジン式の50mLクラスのチェンソーでは、ハスクバーナ246XP (50.1mL / 3.7ps)や357XPG (56.5mL / 4.4ps)があり、概ね3.0kWくらいの出力仕様となっています。従来バッテリのBL4080Fの最大出力が2.8kWなので、今回新たにタブレスセルバッテリを開発してまで充電式50mLモデルを展開したのはある意味でマキタの悲願だったのかもしれません。
価格については、製品で10万円、バッテリで8万円と一式そろえると高価格帯の製品になってしまう訳ですが、充電式モデルの利便性を考えれば利点は見出せるのではないかと思います。ただし、連続作業性に関しては間違いなくエンジン式が優位となるので、50mL以降のクラスは用途に応じてエンジンと充電式が共存するクラスになるのかなと考えています。
個人的な想定だと、50mL相当のモデルはBL4040FやBL4050Fを2本装着にした80Vmax仕様にして、18V×2シリーズのMUC353Dのような構造の製品になると考えていたのですが、40Vmaxとして製品開発を進めたのはマキタ側に色々な事情があったのかもしれません。
一応、今回のBL4080Hバッテリの登場によって、チェンソーの80Vmaxによるエンジン式70mL相当モデルも実現可能にはなったものの、正直、現行のバッテリーとモータ技術で、これ以上の高出力化は難しいのではないかと思っています。
この辺りはEVと同じ話になると思いますが、リチウムイオンバッテリーはエンジン式に対して小型化が容易な一方で、バッテリー容量密度の低さから大型化した場合だと重量問題が表面化してきます。例えばエンジン式の50mLクラスのチェンソーは5kg台の製品もありますが、今回のMUC030Gは7kg台であり、50mLクラスではかなりの重量となっています。さらにこれ以上高出力化した場合、モータの大型化やバッテリ搭載数も含めて8~9kg台になるのは容易に想像でき、実用面でかなり難な製品になってしまいます。
IPX4Mについては、補助文字のMがIP等級で見かけない表示となっていますが、ヒルティなどの電動工具に関しては一部製品でIPX4M標記の製品が存在しています。恐らく、今後の電動工具の防水等級は実用性を加味したIPX4Mに変わっていくのではないでしょうか。
まとめ

マキタ 充電式チェンソー MUC030G
VOLTECHNO製品評価 (4.5 / 5)
–
- 充電式でエンジン式50mL相当の出力
- トリガレスポンスが向上
- 操作パネルの操作感と視認性が向上
- 防水性能が”M”基準に
- BL4080Hバッテリが高価
- 同クラス帯のエンジン式よりも重い
MUC030GZR1 (ガイドバー長400mmモデル)
MUC030GZR2 (ガイドバー長450mmモデル)
MUC030GZR3 (ガイドバー長500mmモデル)
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※林業、土木作業業、造園広義業等、業種に関わらずチェンソー下肢防護衣の着用が義務化されました。(2019年8月1日より)