
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2025年10月に18シリーズの充電式マルチツール TM53Dを発売する。OISとSTARLOCKブレードに対応するマルチツールでモータの定回転制御と細径グリップによって使い勝手を向上させた。本体標準小売価格は31.700円(税別)

目次
マキタ 充電式マルチツール TM53D
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、18Vバッテリに対応する充電式マルチツール TM53Dを発売します。

TM53Dは、18V充電式のマルチツールです。
OISとSTARLOCKブレードに対応しており、木材の切断作業から鉄筋の切断、弾性シーリング除去まで幅広い作業に対応します。
ハイパワーブラシレスモータによって負荷がかかった際にモータの回転数が低下しにくく安定した作業が可能で、握り部周長139mmのスリム化を実現し、使い勝手も向上したモデルとなっています。
別売のデプスゲージセット品によって切込み深さ行政と切込み高さ調整が容易になり、石こうボードの切断や仕上げ材の切断作業の精度も向上できます。
販売仕様は、本体のみのTM53DZで販売します。

- TM53DZ 本体のみ 希望小売価格31,700円(税抜)

製品仕様 (従来モデルモデル TM51D比較)
製品名 | TM53D | TM51D |
---|---|---|
外観 | ![]() |
![]() |
ブレード | OIS STARLOCK |
OIS STARLOCK |
モータ | ブラシレス | ブラシ |
先端振動角度 | 3.6°(左右1.8°) | 3.6°(左右1.8°) |
無負荷振動数 | 6,000~20,000min-1 | 6,000~20,000min-1 |
バッテリー | 18V | 18V |
重量 | 1.9kg | 2.2kg |
寸法 | 329×80×120mm | 340×80×122mm |
本体価格 | 31,700円(税抜) | 35,700円(税別) |
販売年月 | 2024年07月 | 2015年07月 |
製品の特徴
「OISブレード対応マルチツールのリニューアルモデル」

TM53Dは、OISブレード対応充電式マルチツールのリニューアルモデルです。
前モデルのTM51Dの発売から数えて10年ぶりとなる本モデルは、作業能率約20%アップとなる性能向上と握り部をスリム化した本体形状によって使い勝手が向上しているのが特徴です。
定回転制御で負荷時の回転低下を抑えて安定した作業を実現

ハイパワーブラシレスモータに定回転制御が加わったことで、負荷がかかった際にモータの回転数が低下し難くなり、安定した作業が可能になりました。
握りやすい細径ブリップ

握り部の周長が139mmと従来モデルから56mmのスリムになった細径グリップになって握りやすくなったことで、快適な取り回しを実現しています。
別売デプスゲージセット品で切込み深さと高さを保持した切断作業に対応

別売のデプスゲージセット品を装着すると、被削材の奥にある材料の傷付け防止になる「切込み深さ調整」と椹木不要で狙いの高さで切断できる「切込み高さ調整」が可能になります。


OIS仕様だが上位のSTARLOCKを必要としない人には良い機種
今回のマキタ充電式マルチツールは、旧ブレードのOIS仕様に対応するモデルとなります。
マルチツールの動向としては、2020年頃から新しいブレード形状であるSTARLOCKへの展開が進み、切断能力の高いSTARLOCK PLUSやSTARLOCK MAXブレード対応モデルが普及しましたが、今回の製品は敢えてのOISブレード対応の旧仕様モデルとなります。
OISブレードに関しては、STARLOCKの普及で主要電動工具ブランドが販売するブレードはSTARLOCK仕様に移行しましたが、海外電動工具ブランドではOISブレードの派生規格が乱立した影響から日本にも格安OISブレードがネット通販サイトを中心に販売が続けられており、安く使い潰すには最適なブレード規格となっています。

また、スイッチボックスソーなど奇抜な形状のマルチツールブレードもOIS規格のものが多いため、そのようなブレードを使うのにもOIS対応は必須となります。
製品価格としても、価格改定後のTM51Dが35,700円(税別)だったのに対し、TM53Dは31,700円(税抜)に値下げされています。ブラシレスモータ搭載モデルながらも値下げしている点も含めて「買い」なモデルと言えそうです。
また補足として、TM53Dはデプスゲージがウリの製品ではないかと思っています。STARLOCK MAX対応のTM52Dは高いパワーと高性能なブレードを活かして木造躯体への切込みや鉄筋切断をガンガン行うモデルであり、今回のTM53Dはデプスゲージを用いて安定した石こうボードや仕上げ材の切断作業を行うのをコンセプトとした製品と捉えています。
そういう意味では、高出力性ではTM52D、ランニングコストと作業性ではTM53Dとして棲み分けできる製品展開になっているのかもしれません。