電動工具・家庭用工具の企画・製造及び販売を行う株式会社 高儀(本社:新潟県三条市)は、2022年8月25日(木)~27日(土)開催のJAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2022(会場:幕張メッセ)で充電式電動工具 SHARE LINKシリーズを展示した。販売時期は未定。
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高儀EARTH MAN “SHARE LINK”充電式電動工具
株式会社 高儀は、2022年8月25日(木)~27日(土)開催のJAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2022(会場:幕張メッセ)で充電式電動工具 SHARE LINKシリーズを展示しました。
SHARE LINKシリーズは、同社の電動工具ブランド”EARTH MAN”の新しい18V充電式電動工具シリーズです。着脱可能な18Vバッテリーにより、多数の電動工具を動作できます。
イベントブース内では、17種類のSHARE LINKシリーズ電動工具が参考出品され、加えて3種のバッテリー、2種の充電器が展示されていました。
残念ながら、ブース内でSHARE LINKシリーズの説明を聞くことはできませんでした。販売予定・希望小売価格等を含む詳細な情報は不明です。
製品の特徴
「新たな18V充電式電動工具シリーズ」
SHARE LINKシリーズの展示台には全17種類の電動工具が展示されていました。(順不同)
- インパクトドライバ
- インパクトレンチ
- ヒートガン
- ブロワ
- バキュームブロワ
- チェンソー
- 電気カンナ
- サンダー・ポリッシャー
- ロータリハンマドリル
- トリマー
- 電気ノコギリ
- セーバーソー
- 刈払機
- グラストリマー(ブラシモータ/ブラシレスモータ)
- ポールチェンソー
- ガーデンブロワ
- マルチツール(先端差し替え電動工具)
これらの製品の仕様や価格等は開示されておらず、今後の正式販売と共に発表予定となるようです。
先端を交換できるマルチツールも展開
ブース内でひときわ目を引いたのが、先端を交換できるタイプ電動工具の充電式マルチツールです。
この製品は切断工具としてのマルチツールとは異なる電動工具で、インパクトドライバ形状のユニットの先端を付け替えることで、ドリルやチェンソーなど幅広い工具に対応できるようになります。
ブース内では標準付属のインパクトドライバに加え、全7種類のアタッチメントが展示されていました。
- ドリル・ドライバーユニット
- マルチサンディングカットソーユニット
- ジグソーユニット
- サンダーユニット
- 丸鋸ユニット
- ミニチェンソーユニット
- セーバーソーユニット
類似する製品としては、ブラックアンドデッカー マルチツールエボシリーズや、ボッシュ GSR18V-60FCH、最近ではパナソニックのEXENAシリーズなどがあります。
園芸機器も拡充、家庭からセミプロ用途まで対応
SHARE LINKシリーズは園芸関連の製品も発売予定のようです。ブロワ・チェンソー・トリマ・ポールソー・刈払機等の充電式園芸機器も展示していました。
バッテリーは5.0Ah/4.0Ah(廉価品?)/2.0Ah(薄型)の3種
SHARE LINKシリーズのバッテリーは全3種が展示されていました
種類としては大容量高出力 5.0Ah・廉価版 4.0Ah・薄型2.0Ahのようです。採用セルは全て18650サイズで、21700や積層セルは採用していないと考えられます。
製品シリーズとしては魅力十分、どこまでDIY層の心を打てるか
今回のSHARE LINKシリーズ展開にあたって製品仕様や今後の展開についての話を聞きたかったのですが、シリーズの全体像や拡販戦略について話を聞ける説明員がおらず、残念ながら実物を手に取った以上の情報を得ることはできませんでした。
高儀が展開するEARTH MANブランドについてですが、国内で展開するDIY向けの充電式電動工具として実績はあるものの、いまいち実態が掴めないため購入の選択肢に挙がりにくいブランドです。
と言うのも、EARTH MANの充電式電動工具シリーズはDIY向けの製品として多数の対応製品を展開するブランドでありながらも、肝心の情報発信に乏しく、シリーズの実態がわからない印象があるためです。
例えば、EARTH MANの14.4V S-LINKシリーズは2018年頃から展開が始まり、全16種類のラインナップが揃うDIYグレード充電式電動工具として有力なシリーズです。しかし、シリーズとしての強みが分かるカタログ・広報活動・販売棚を見かけることはほとんどありません。肝心の高儀公式HPにアクセスしてもS-LINKシリーズの全貌を掴むことは不可能に近く、バッテリーシリーズとしての魅力に気付けない状態にあります。
さらに2022年のDIY向け電動工具事情において、主要ホームセンターは自社のプライベートブランドの展開を始めており、EARTH MANのようなDIY向けブランドの電動工具を外部から仕入れる必要もなくなっています。個人的な印象として、実店舗におけるEARTH MAN電動工具の販売棚面積は少しずつ小さくなっているとも感じています。
これは、高儀がメーカーに加えて商材を多数扱う企業であり、数ある中の1商材に過ぎない電動工具に対して多大なリソースを掛けられない経営背景や企業文化があるためと考えています。
これまでのDIY向け電動工具は、競合が少なかったのでそれでも何とかなりましたが、昨今はアイリスオーヤマなどの家電メーカーや中華メーカーまでもが資金力に物を言わせたブランディング・販路構築を行っており、単なる製品展開だけでユーザーを確保できる程甘い市場でもなくなってきています。
これらの点を考慮すると、今回のSHARE LINKシリーズは、ホームセンター等の実店舗で販売棚を確保することは難しいと考えられ、ネットモール中心での製品展開になると予想されます。
しかしながら、SHARE LINKシリーズはそのバッテリー仕様からセミプロに寄っている製品仕様であり、プロ市場である持つマキタ・HiKOKIとも競合する可能性があります。その中で今更18V電動工具を展開したところで、明確な優位性を見出すのは難しいのではないか?とも考えています。
もし5~6年早くSHARE LINKシリーズを立ち上げてうまく販促活動を行っていたならば、コロナ禍に合わせた本格向けDIY電動工具ブランドの金字塔になり得た可能性もあったかもしれません。それももしもの話であり、プロ向け電動工具ブランド・国内販社プライベートブランド・中国電動工具ブランドなど多数の強豪が並ぶレッドオーシャン極まる魔境とも言えるような製品を展開し、どのように存在感を出していくのか注目したいところです。