
ニュージーランドで電動工具を販売するHiKOKI NZは、Portable USB Power Charger UC18DAを発表した。18Vおよびマルチボルトバッテリーに対応し、USB Power Delivery対応のUSB Type-C入出力端子と5V出力端子を搭載する。日本地域での販売は未定。
記事内で紹介する製品は海外地域の情報を元に構成しております。工機ホールディングス株式会社、工機ホールディングス ジャパン株式会社及びHiKOKI取扱店へのお問い合わせはお控えください。
目次
HiKOKI Portable USB Power Charger UC18DA
HiKOKI NZは、2023年8月にPortable USB Power Charger UC18DAを発表しました。

UC18DAは、HiKOKI 18V/マルチボルトバッテリーをUSBモバイルバッテリーとして使用できるアダプタです。
USB PDによる65Wの入出力ポートを備えているのでノートPCやスマートフォンへの給電が可能で、USB充電器を使用することでHiKOKIバッテリーへの充電も可能な仕様を備えているのが特徴です。
さらに130ルーメンのLEDライト、バッテリーレベル/充電表示LED、熱保護による自動シャットダウン、ベルトフックとカラビナループを装備し現場作業でも使用できる仕様を備えています。
充電時間の目安はBSL1820Mで約40分、BSL36A18Xで約100分の仕様を備えています。
2025年8月時点ではニュージーランド地域でのみ販売が予告されており、日本市場での発売アナウンスはありません。
UC18DA 製品仕様
製品名 | UC18DA |
---|---|
外観 | ![]() |
対応バッテリー | HiKOKI 18V マルチボルト |
入出力(USB 1) | USB Type-C(PD)入出力 65W、5–20V |
出力(USB 2) | USB Type-C 出力 5V/2.5A(出力専用) |
USB PD仕様 (Fixid) |
5V-3.0A 9V-3.0A 12V-3.0A 15V-3.0A 20V-3.25A |
USB PD仕様 (PPS) |
不明 |
充電方式 | USB Type-C |
充電時間(目安) | BSL1820M:約40分 BSL36A18X:約100分 |
LEDライト | 130 lm |
インジケータ | 2段階 充電表示 / バッテリーレベル表示 |
寸法 | 112 × 80 × 53 mm |
重量 | 約141 g |
本体価格 | – |
発売日 | Coming Soon(HiKOKI NZ表記) |
製品の特徴
「HiKOKIバッテリーからUSB PD電源が取れるアダプタ」

UC18DAは、HiKOKI 18V/マルチボルトバッテリーをUSBモバイルバッテリーとして使用できるアダプタです。
USB Type-C端子の搭載によってUSB PD 65Wの入出力仕様も実現できるようになり、従来のUSBアダプタ以上の高出力に対応できるようになったのが特徴で、スマートフォンはもちろんのことUSB Type-C端子搭載のタブレットやノートパソコンにも使用できます。
ただし、2つあるうちの1つのUSB Type-Cコネクタは5V-2.5Aの出力にしか対応しておらず、スマートフォンの急速充電には対応しない仕様になっている点に注意が必要です。
USB充電器の充電でHiKOKIバッテリーを充電可

UC18DAは、USB-C(PD)充電器からの給電でHiKOKI 18V/マルチボルトバッテリーを充電できる仕様を備えており、現場や移動中でも入手しやすいUSB充電器での充電が可能で据え置き充電器に縛られない柔軟な運用を実現します。
130 lmのLEDライトを搭載
本体に130ルーメンのLEDライトを搭載。暗所でのケーブル接続や手元作業を明るく補助し、現場や移動先、停電災害時の電源を取りながらの簡易灯としても活躍します。
遂に登場したUSB PDアダプタだが価格的には厳しい可能性も
今回のUC18DAに関しては、HiKOKIとしてはニュージーランドが最初に製品情報を発信しましたが、既に独metaboブランドの本国では情報を開示しており、親会社であるはずの日本のHiKOKIの情報発信が遅めの状態となっている不思議な製品となっています。
最近のHiKOKIは日本地域での新製品情報があまり積極的ではないようで、今回の製品も海外地域が先行しているのですが、日本発売に関してもそう遠くないと予想しています。恐らく、NZでの流通と同時に日本市場でも発売が始まるのではないでしょうか。
USBアダプタの仕様としては、昨今のUSB PD電源機器として65Wの無難な仕様であり、スマートフォンだけではなくタブレット端末やノートパソコンまで幅広い仕様に耐えうる製品になるのではないかと考えています。
ただし、個人的に気になる点としては、metaboのPC 18-65は本体側面に通風孔が空いていて冷却口が見えるのですが、HiKOKI UC18DAは塞がっているため、温度による電力制限が発現しやすいのではないかなと思っています。

販売価格に関しては、ニュージーランドのオンラインショップ上でNZD 250で販売されており、日本円にすると大体2万円ほどになります。USB充電器で充電できる手軽さに関しては魅力的な製品ですが、価格的にはかなり厳しい製品になるのではと考えています。実際、日本市場ではもう少し安くなると思いますが、1万円は超えてしまう可能性が高いのではないかと感じています。
正直、UC18YDL2のセットバラシ品が5,000円台で販売されており、20,000mAh(72Wh)の60Wクラスのモバイルバッテリーが数多く出回っている現状で本アダプタの単価が1万円を超えるのはかなり厳しいと考えています。
この手のUSB PDアダプタはバッテリー無し・充電器無しの製品仕様でコンパクトさと低価格差が両立していなければ既存のモバイルバッテリーに対する利点が薄れてしまうため、現実的には実売6,000円くらいを期待したいところです。
以前のパナソニックのUSB PDアダプタなどの例もありましたが、この手の製品は日本企業が関わってしまうだけで少なからず高くなってしまう側面があります。と言うよりも、現在の中国企業が手掛けるUSB電源機器開発のコストがあまりにも安くなっており、そこに国内開発や品質管理を取り入れてしまうと一気に高コスト化する背景が関係しているのだろうと筆者は見ています。
本製品が高価格になってしまうと、HiKOKIが最近出願したUSB端子付き電動工具の特許もコスト高要因にしかならなくなってしまうので、本製品も何とか低価格で販売されることを期待したいところでしょうか。
まとめ

HiKOKI Portable USB Power Charger UC18DA
VOLTECHNO製品評価 (4.5 / 5)
HiKOKIバッテリー対応のUSB PDアダプタ
- HiKOKIバッテリーをUSBモバイルバッテリー化
- USB充電器で充電できる
- 130lmのLEDライト搭載
日本未発売製品