
電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からUSB対応充電器 UC18DAを2025年11月より全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。HiKOKIバッテリーをUSB充電器で充電でき、USB PDアダプタとして他のUSB機器への充電にも対応する。希望小売価格は12,000円(税抜)
記事内で紹介する製品は日本正式発売に基づき内容を差し替えて公開しております。日本発売以前の製品情報はこちらをご覧ください(HiKOKI UC18DA Portable USB Power Chargerを発売、待望のUSB PD対応コンパクト充放電アダプタ)
目次
HiKOKI USB対応充電器 UC18DA
電動工具ブランド HiKOKI (ハイコーキ)を展開する工機ホールディングス株式会社は、USB対応充電器 UC18DAを発売します。

UC18DAは、HiKOKIの14.4Vと18V(マルチボルト含む)バッテリーをUSB Type-Cで充放電できるようにするアクセサリです。
一般的な充電器と異なり、コンパクトサイズのUSB PD充電器とバッテリーアダプタの組み合わせで電動工具用バッテリーを充電できるので、コンセント以外の充電も可能で持ち運び性にも優れているのが特徴です。
さらに130ルーメンのLEDライト、バッテリーレベル/充電表示LED、熱保護による自動シャットダウン、ベルトフックとカラビナループを装備し、現場作業でも使用できる仕様を備えています。
充電時間の目安はBSL1820Mで約40分、BSL36A18Xで約100分の仕様を備えています。
販売仕様は、本体アダプタとUSB PD充電器、ケーブルが付属したUC18DA(NM)で販売します。
- UC18DA(NM) USB PD65W充電器付属 希望小売価格12,000円(税抜)
UC18DA 製品仕様
| 製品名 | UC18DA |
|---|---|
| 外観 | ![]() |
| 対応バッテリー | HiKOKI 18V マルチボルト |
| 入出力(USB 1) | USB Type-C(PD)入出力 65W、5–20V |
| 出力(USB 2) | USB Type-C 出力 5V/2.5A(出力専用) |
| USB PD仕様 (Fixid) |
5V-3.0A 9V-3.0A 12V-3.0A 15V-3.0A 20V-3.25A |
| USB PD仕様 (PPS) |
不明 |
| 充電方式 | USB Type-C |
| 充電時間(目安) | BSL1820M:約40分 BSL36A18X:約100分 |
| LEDライト | 300 lm |
| インジケータ | 2段階 充電表示 / バッテリーレベル表示 |
| 使用温度範囲 | 0~30℃ |
| 寸法 | 112 × 80 × 53 mm |
| 重量 | 0.18kg |
| 本体価格 | 12,000円(税抜) |
| 発売日 | 2025年11月 |
製品の特徴
「HiKOKIバッテリーからUSB PD電源が取れるアダプタ」

UC18DAは、HiKOKI 18V/マルチボルトバッテリーをUSBモバイルバッテリーとして使用できるアダプタです。
USB Type-C端子の搭載によってUSB PD 65Wの入出力仕様も実現できるようになり、従来のUSBアダプタ以上の高出力に対応できるようになったのが特徴で、スマートフォンはもちろんのことUSB Type-C端子搭載のタブレットやノートパソコンにも使用できます。
ただし、2つあるうちの1つのUSB Type-Cコネクタは5V-2.5Aの出力にしか対応しておらず、スマートフォンの急速充電には対応しない仕様になっている点に注意が必要です。
USB充電器の充電でHiKOKIバッテリーを充電可

UC18DAは、USB Type-C端子を備えた電動工具バッテリー用USBアダプタです。
付属のUSB PD充電器から14.4Vと18V(マルチボルト含む)を充電できる仕様を備えており、現場や移動中でもUSB端子搭載の充電器での充電によって据え置き型の充電器に縛られない柔軟な運用を実現します。
130 lmのLEDライトを搭載

本体に130ルーメンのLEDライトを搭載。暗所でのケーブル接続や手元作業を明るく補助し、現場や移動先、停電災害時の電源を取りながらの簡易灯としても活躍します。
HiKOKI USBアダプタ BSL18UAとの違い
似た製品としては電動工具バッテリーに装着するUSBアダプタもありますが、今回のUC18DAは過去にあったUSBアダプタとは異なる製品です。

これまでの電動工具用バッテリーに装着するUSBアダプタは、言わばバッテリーの端子をUSB端子に変換して放電を行うための製品でしたが、今回のUC18DAは逆にUSB充電器から電動工具用バッテリーに充電する機能を持つバッテリー充電器としての機能を持っているのが特徴です。
そのため、小型のUSB充電器やモバイルバッテリー、車のUSB端子やシガーソケットUSBアダプタがあれば場所を選ばず充電が可能で、コードレス電動工具の使用環境をこれまで以上に広くすることが可能です。
また、UC18DAのUSB端子はType-Cと呼ばれる現行仕様のUSB端子であり、最大65Wまでの電力供給に対応しているのもポイントです。昨今のスマホやタブレット、ノートパソコンなどはUSB Type-C端子で充電できるようになっているため、現場でのスマホ急速充電のほかにも、タブレットや現場作業でのノートパソコン、USBで動作する機器の動作にも対応します。
従来の長方形形状のUSB Type-A端子は非搭載ですが、昨今の機器はUSB Type-C端子に対応する機器の移行が進んでおり、今後はType-Aを目にする機会も少なくなると考えられるので、長い目で見ればUSB Type-Aコネクタが無くても問題は無くなってくると想定しています。
| 製品名 | UC18DA | BSL18UA |
|---|---|---|
| 外観 | ![]() |
![]() |
| 機能 | 充電器 USB PDモバイルバッテリー |
USBモバイルバッテリー |
| 対応バッテリー | HiKOKI 14.4V/18V マルチボルト |
HiKOKI 14.4V/18V マルチボルト |
| 搭載コネクタ | USB Type-C入出力:65W(5–20V) USB Type-C出力:12.5W(5V) |
USB出力:5V(合計2A)×2端子 DCジャック:12V(2A) |
| 充電機能 | 〇 | × |
| 充電時間(目安) | BSL1820M:約40分 BSL36A18X:約100分 |
× |
| LEDライト | 300 lm | × |
| インジケータ | 2段階 充電表示 / バッテリーレベル表示 | 3段階バッテリーレベル表示 |
| 使用温度範囲 | 0~30℃ | – |
| 寸法 | 112 × 80 × 53 mm | 92 × 80 × 102 mm |
| 重量 | 0.18kg | 0.15kg |
| 本体価格 | 12,000円(税抜) | 4,u00円(税抜) |
| 発売日 | 2025年11月 | 2016年 |
遂に登場したUSB PDアダプタ、価格的にもかなり頑張った印象
今回のUC18DAに関しては、2025年11月にニュージーランドHiKOKIが最初に製品情報を発信した製品です。子会社ブランドの独metaboもメタボバッテリー版製品の情報を開示しており、親会社が本社を置く日本のHiKOKIが後回しにされた不思議な製品となっています。
USBアダプタの仕様としては、昨今のUSB PD電源機器としては65W入出力の無難な仕様であり、昨今のハイエンドスマートフォンやタブレットが最大30W、一般的なビジネスノートPCが65W給電であることを考えると、幅広いUSB充電対応機器への活用が期待できる製品です。
動作温度としては使用温度範囲が0~30度であり、これが温度制限が発生しない温度なのか、温度遮断が発生しない温度なのかはっきりしない為、実際の使い勝手としては使ってみなければわからなさそうです。このあたりは、65W負荷を繋げてベンチマークを取らなければ判断できませんが、スマホ充電用途であれば大きな問題にはならないと想定しています。
販売価格に関しては、ニュージーランド地域でのオンラインショップ上での参考価格がNZ$ 250で販売されていたため、日本市場での価格は1万円代後半を想定していましたが、電動工具メーカーがこの手のアクセサリで標準小売価格12,000円を設定して実売価格9,000円に落ち着いたのは相当頑張った方ではないかと思っています。日本発売前の製品解説記事では「実売6,000円くらいを期待したい」と書きましたが、市販品のUSB PD 65W充電器の価格3,000円を差し引くとアダプタ本体の価格は6,000円であり、USB機器としての価格設定的な部分としては普及が期待出来そうな製品になりました。
製品としては個人的にも待ち望んでいた製品なのですが、プロユースの電動工具ユーザーはこの手の製品に対する利点が理解しにくいので、売るためにはアピール方法を含めて色々と施策が必要だろうなと思っています。
個人的には、シガーソケットタイプのUSB PD充電器を使えば車載電源対応の充電器にもなるので日立工機時代に廃盤になったUC18YML2の運用上の後継機種として車載対応である点をカタログでアピールしたり、通常の充電器のUC18YDL3やUC18YDMLのUSB端子をUSB PD仕様にしてUC18DAを繋げて充電端子を拡張できる、のようなUSB PDの強みを活かすような方法でも展開を考えてほしかったなと思うのが、この製品の惜しい所でしょうか。




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