電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)から2ポート急速充電器 UC18YDMLを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。スライド10.8Vと14.4V/18Vバッテリーの充電機能を備える。本体希望小売価格は23,300円(税抜)
目次
HiKOKI 2ポート急速充電器 UC18YDML
電動工具ブランド HiKOKIを展開する工機ホールディングス株式会社は、2ポート急速充電器 UC18YDMLを発売します。
UC18YDMLは、スライド10.8Vバッテリーと14.4V/18Vバッテリーの充電機能を備えた2ポート急速充電器です。18V製品装着も可能なマルチボルトバッテリーも含めて、4シリーズのバッテリーを充電できます。
2種類のバッテリーを同時に充電できる2ポート構造に加え、スライド10.8Vバッテリー充電時においては現行充電器 UC12SLの約2倍の充電スピードを実現しているので充電効率を大きく向上しています。
また、新たに静音モードの追加によってブザー音とファン音が止まった状態で充電できるので、休憩や就寝時も快適に使用できます。
販売仕様は、本体のみのUC18YDMLのほか、マルチボルトバッテリーが付属するスターターキット1 UC18YDML (2XSZ)とスライド10.8Vバッテリーが付属するスターターキット2 UC18YDML(2L)で販売します。
- UC18YDML 本体のみ 希望小売価格23,300円(税抜)
- UC18YDML(2XSZ) マルチボルト蓄電池BSL36A18BX×2・システムケース2付属 希望小売価69,800円(税抜)
- UC18YDML(2L) 蓄電池BSL1240M×2・システムケース2付属 希望小売価格42,200円(税抜)
UC18YDML 製品仕様
製品名 | UC18YDML |
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外観 | |
対応バッテリー | スライド10.8Vシリーズ 14.4Vシリーズ 18Vシリーズ マルチボルトシリーズ |
最大充電電流 | 14.4V/18V:12.0A スライド10.8V:8.0A |
USB出力 | 5V-2.1A |
バッテリーUSB給電 | 14.4V/18V/MVバッテリー装着時のみ |
コード長 | 2芯・1.8m |
重量 | 0.8kg |
寸法 | 135×185×77.5mm |
本体価格 | 23,300円(税別) |
販売年月 | 2023年11月 |
製品の特徴
「スライド10.8Vと18V(14.4V)充電に対応する2口充電器」
UC18YDMLは、既存の14.4V/18V充電器とほぼ同じサイズでスライド10.8Vバッテリーの装着構造も搭載した2ポート充電器です。
1つの充電器で異なるバッテリーを充電できるので、スライド10.8Vとマルチボルトを使っているときに1つの充電器で済むので持ち運びにも便利です。
充電時 45dBの低騒音
充電動作時のファン音を抑え、深夜の住宅街波の静かさとなる約45dBの低騒音化を実現しています。
低騒音化によって、騒音が気になる静かな事務所などの環境下でも急速充電器が使用できるようになります。
スライド10.8Vバッテリーの充電時間が半分に
スライド10.8Vバッテリーの充電時では、現行充電器 UC12SLと比較して約半分の時間で充電します。
待望の壁掛け穴を搭載
UC18YDMLの裏側には壁掛け用の取付穴を搭載。壁に取り付けて充電できるので充電器保管スペースの場所も取りません。
バッテリーから給電するUSBポートを搭載
コンセントが無い場所でも、電動工具用バッテリーからUSB給電ができます。(スライド10.8Vバッテリー非対応)
アウトドアやキャンプ、災害時にも電動工具用バッテリーを使ったスマホ充電ができるので幅広い用途で活用できます。
色々と機能が強化されてうれしい充電器
今回のUC18YDMLに関しては2ポート充電器でありながらも見た目がスマートなので、マルチボルトとスライド10.8Vを両方使っている方であれば注目の製品だと思っています。とは言え、肝心のHiKOKI スライド10.8Vシリーズはまだまだ弱いシリーズなので、そのあたりのラインナップが強化されてからでないと脚光を浴びるのは難しい製品と言えそうです。
静音モードについては、充電時間表を見る限りの推測として大体3~5Aで充電制御が行われるようです。通常の充電動作が最大12A充電である点を考えると半分以下の充電電流になるようです。
リチウムイオンバッテリーに与える充電劣化を考えると、低レート充電であるほど寿命の面では有利だと思うのですが、根拠となるデータは示されていないのでバッテリー寿命の向上に関しては気にしない方が良さそうです。それよりもファンにより強制空冷が行われないので、放熱を妨げるような状態の充電環境は必ず避けるようにしましょう。
総合的に見た感じとして製品は関しては良さそうな充電器なのですが、根本的な問題として個別の充電器を買った方が圧倒的に安くなってしまう点、同じコンセプトの製品であるマキタの2口充電器 DC18REは数年前に廃番となっている点などが懸念事項として挙げられます。
差別化要素として、10.8V急速充電やHiKOKI初の壁掛け充電器は魅力的なのですが、別売する高価格帯の充電器として販売するならもう少し付加価値をつけても良かったかなと思うところです。ちなみに筆者的には普通に18Vの2口充電器の方が欲しかったです。
些細なことですがカタログで「もう充電器も1つでいい。」と啖呵を切ったなら、HiKOKI自身が製品本体に付属する充電器を全てUC18YDMLに統合する気概を見せてほしいと思ってしまうところでしょうか。