電動工具・空気工具ブランドHiKOKIを展開する工機ホールディングスは、2020年3月にねじ打ち機「WF4HS」を販売します。 WF4HSは、2014年に発売されたWF4H3 及び2016年に発売したWF4H3(S)の後継となる製品で、従来機種に対し約1.7倍のネジ締めスピードを実現したねじ打ち機です。
目次
素早いねじ締めを実現 HiKOKI WF4HS
電動工具・空気工具ブランドHiKOKIを展開する工機ホールディングスは、2020年3月に内装用石こうボード張りに使用する高圧ねじ打ち機の WF4HSを販売します。 希望小売価格は95,000円(税抜)
WF4HSは、前モデルのWF4H3に対して1.7倍のねじ締め速度を実現、ねじ締め速度の業界最速を謳っています。また、ピストンストロークの変更によって、打ち込み時の反動も低減しており、軽い押し付けでも安定したネジ締め作業が可能となっています。
- WF4HS 希望小売価格95,000円(税抜)
製品の特長「1.7倍のネジ締め速度」
前モデルのWF4H3のねじ締め時間 約0.14秒に対し、今回のWF4HSではねじ締め時間 約0.08秒と、約1.7倍のねじ締め速度向上を実現しています。
たかが0.06秒の差と考えてしまうかもしれませんが、連続打ちを行う素早いボード張り作業では、僅かなねじ締めの速度の違いが作業全体のフィーリングを大きく左右するため、僅かなねじ締め時間の差でも職人にとっては大きな差として感じられます。
特に軽快なねじ締めで名機とされた2代前のWF4H2は、ねじ締め速度が速い点が評価された製品だったので、WF4HSはこの点を強く意識したモデルと考えられます。
オイル飛散の防止「オイル分離構造」
WF4HSでは、オイルの飛散を防止する「オイル分離構造」を搭載しています。
更に、ユーザーが簡単にマフラを交換できる、スクリュキャップがツールレスで外せる構造を搭載しています。排気カバーを外せば簡単にマフラを交換できるので、メンテナンス性も高くなっています。
製品仕様(前モデルWF4H3比較)
製品名 | WF4HS | WF3H3(S) |
外観 | ||
使用ねじ | 軸径:Φ3.5~4.2mm 長さ:25~41mm | 軸径:Φ3.5~4.2mm 長さ:25~41mm |
使用空気圧 | 1.76~2.26MPa {18~23kgf/cm2} | 1.76~2.26MPa {18~23kgf/cm2} |
エアダスタ機構 | × | 〇 |
パワー2段切替機構 | 〇 | 〇 |
寸法 全長×全高×全幅 | 292×298×119 | 290×305×125mm |
重量 | 1.8kg | 1.9kg |
他社品比較(MAX HV-R41G4-G)
※優位点は太字
製品名 | HiKOKI WF4HS | MAX HV-R41G4-G/R |
外観 | ||
使用ねじ | 軸径:Φ3.5~4.2mm 長さ:25~41mm | 軸径:Φ3.5~4.2mm 長さ:25~41mm |
使用空気圧 | 1.76~2.26MPa {18~23kgf/cm2} | 1.8~2.3MPa {18~23kgf/cm2} |
パワー切替 | 2段 | 2段 |
連続打切替 | 手動 | 自動 |
寸法 全長×全高×全幅 | 292×298×119 | 300×312×116mm |
重量 | 1.8kg | 1.9kg |
その他 独自機能 | らくらくマフラ交換 らくらくビット交換 | 残量お知らせLEDランプ ワンタッチアジャスタ |
日立工機 WF4H3の雪辱なるか、スピード改善の程度に期待
2014年に販売したWF4H3は、仕上りの向上とカムアウト低減を意識したモデルでしたが、実際の作業ではねじ締めテンポが悪く、素早く打ち込む作業などでは空打ちや締込みが足りなくなるトラブルが多かったようです。
WF4H3の前モデルWF4H2は高評価だったこともあり、H3の評価は賛否が分かれていたようです。2016年には打ち込み速度を改善したスピード優先モデルWF4H3(S)を販売しましたが、これも評価が大きく覆ることはなかった印象があります。
WF4H3のねじ締め速度が低下した背景には、強化石膏ボードの使用を明示した「準耐火建築物1」の着工件数増加が強く影響しており、これに使うJIS規格ねじDTSNへの対応がWF4H3のねじ締め速度の低下の原因となりました。
今回のWF4HSについてはDTSNへの対応を維持しつつも、打ち込みのフィーリングが評価された前々モデルのWF4H2を強く意識した仕様になっているようです。
WF4H2の打ち込みスピードが忘れられない方や、WF4H3の評判を聞いてMAXのHV-R41G4などに買い替えてしまった日立ファンの方などは、販売店や展示会などで1度WF4HSを試射してみるのも良いかもしれません。