電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年11月にスライド10.8Vシリーズの新型バッテリー BL1050B(A-77213)を発売する。コンパクトサイズながら5.0Ahのバッテリー容量を搭載。本体標準小売価格は17,900円(税別)
目次
マキタ スライド10.8Vバッテリー BL1050B
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年11月にスライド10.8Vバッテリー BL1050B(A-77213)バッテリー BL1050B(A-77213)を発売します。
BL1050Bは、スライド10.8Vシリーズの新たなバッテリーです。5.0Ahのバッテリー容量を備えながらも、従来4.0Ahバッテリー比較で約15%の軽量化と高さ-16mmのコンパクトサイズを実現しています。
販売仕様は、アクセサリとしてA-77213の販売のほか、充電式クリーナ CL108FDSTWの付属品として販売します。
- BL1050B(A-77213) スライド10.8Vバッテリー(5.0Ah) 希望小売価格17,900円(税抜)
BL1050B 製品仕様
製品名 | BL1050B(A-77213) |
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外観 | |
容量 | 4,900mAh |
充電時間 | 約75分 |
バッテリー | スライド10.8V |
本体価格 | 17,900円(税別) |
販売年月 | 2023年11月 |
製品の特徴
「コンパクトサイズで大容量5.0Ah」
BL1050Bは、マキタ スライド10.8Vシリーズの新バッテリーです。
大容量リチウムイオンバッテリーセルの採用によって、従来4.0Ahバッテリーよりも大容量ながらも軽量、コンパクトなバッテリーを実現しており、手元の疲労軽減と連続作業時間向上を両立しています。
充電時間はDC10SA装着時に約75分であり、バッテリー本体には残容量表示機能も搭載しています。
ちなみに、本バッテリーは横幅のサイズが異なり一部製品で装着すると干渉する可能性もあるため、使用する場合にはフックやカバーなどが干渉しないか確認が必要です。
大容量バッテリーだが高価なのは欠点
今回のBL1050Bには、Samsung SDIの21700サイズのリチウムイオンセル 50Sが3本採用されています。従来のBL1040Bは18650セル6本で構成されていたので、新しいリチウムイオンセルの採用によってバッテリー性能が向上した製品となります。
とは言え、Samsung SDI 50Sは登場してから3年が経過しているはずなのですが、市場への広がりはいまいちなようです。国内市場で先行している50S採用品としては、HiKOKI BSL1850Cなどが販売されていますが、10S2P構成のような主力バッテリーへの採用は進んでいないようです。
電動工具向けの円筒型リチウムイオンセルとしては最も大容量セルとなる50Sなのですが、リチウムイオンセルとしての価格もトップクラスであり、今回のバッテリー単品価格は発売時点で13,000~15,000円程となっています。既存の4.0Ahバッテリーが9千円で販売していることを考えると割高であり、市場における優位点は少し微妙なバッテリーです。
この辺りは今後のスライド10.8Vシリーズの展開次第ですが、今回の5.0Ahバッテリーを中心とした新たなスライド10.8Vシリーズの拡充が進むとしたら期待できるものと考えています。個人的には積層リチウムイオンセル採用のバッテリーを期待したかったところなのですが、マキタが積層セルを取り扱うのはもう少し先の話になりそうです。
また、韓国製のリチウムイオンセル採用に対して残念な声も少なくないようなのですが、筆者は電動工具向けリチウムイオンバッテリーの主権はもはや日本には無く調達も難しい状態にあるので、サムスンセルの採用は仕方のないものと考えています。
ちなみに、スライド10.8Vで装着できない製品が出ること前提のバッテリーを出したのなら、いい加減18Vシリーズでも21700セル採用の10S2Pバッテリーを出しても良いと思っています。ただ、18Vで大容量バッテリーを展開すると40Vmaxの利点が少なくなってしまうのですが、そのあたりはマキタ自ら首を絞めてしまった形として色々と観念しても良いのではなかと思っています。