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CW180DZ 電動工具用バッテリーで動く充電式の冷温庫

電動工具を販売する株式会社マキタは、2020年5月に18Vバッテリーで動作するコンプレッサー内蔵の冷温庫「CW180DZ」を発表。6月から全国のマキタ取扱店を通じて順次販売します。

CW180DZは、コンプレッサーを搭載した熱交換器による冷却方式を採用。強力な冷却構造によって、外気温30度の屋外環境でも家庭用冷蔵庫と同等の-18℃の冷却性能を実現しています。従来他社品に搭載されているペルチェ方式とは異なる方式なので、圧倒的な冷却性能を持っているのが特徴です。

ヒータも内蔵しているため、外気温0℃でも庫内60℃の保温動作が可能で、通年活躍できるオールラウンダーな冷温庫として現場に持ち込めるタフボディの冷温庫として活用できます。

コンプレッサ（＋ヒータ）内蔵で強力性能」

今回のマキタ冷温庫は、持ち運びできる可搬式の冷温庫でありながら、従来のペルチェ採用品を超える強力な冷却性能を備えているのが特徴です。

マキタの冷温庫は従来品のようなペルチェ採用品と異なり、家庭用冷蔵庫とコンプレッサーによる冷却構造を採用することで、外気温30℃の屋外環境下でも-18℃の強力な冷却性能を実現。氷点下まで温度を下げられるので、電源のない場所でも氷・アイスなどの普通のクーラーボックスでは長時間保冷できなかった冷菓食品も保冷できます。

冷却能力は最大-18℃、外気温に左右されない保冷能力

マキタCW180DZは、バッテリーを搭載して庫内を「冷やす」充電式のクーラーボックスです。屋外の現場でいつも冷たい飲み物を飲めるようになって、アウトドアに生鮮食品も持ち込めるようになります。

保冷動作時では、家庭用冷蔵庫の冷凍庫と同等の最大-18℃までの保冷モード動作で動作できます。温度設定は-18℃/-10℃/0℃/5℃/10℃の5段階で切り替え可能です。

5℃設定時なら18V, 6.0Ahバッテリー1本装着時で8時間30分の長期間保冷ができるので、電源のない現場でも丸1日使用できるスペックです。保冷剤を使ったクールジャケットを現場で冷やす用途にも活躍できます。

従来方式のペルチェ冷温庫では、「外気温-20℃」のように最大冷却能力は外気温に影響されてしまいますが、マキタCW180DZでは外気温に関係なく確実に庫内の温度を下げられます。

保温最高60℃、2段階で温度変更可

CW180DZにはヒータも内蔵しているので、庫内を温める保温モードで庫内を温めることもできます。保温温度設定は55℃/60℃の2段階で切り替え可能です。

冬場でも暖かい飲み物が飲めるようになるので、寒い現場や冬キャンなどでも活用。温める動作に火や高温のヒータを使わないので、安全性も高いのが特徴です。

保温モード時の消費電力が高く18V/6.0Ahバッテリー搭載で2時間しか持たないので注意。

現場や休憩所で活用できる機能を搭載

保冷モード時は本体を傾けないように注意

CW180DZはコンプレッサー内蔵のため、傾けや横置き設置には非対応です。本体を30度以上傾けると3分間の安置が必要、本体を70度以上傾けてしまうと2時間経過させないと保冷機能が使用できなくなるため注意が必要です。

通常の家庭用冷蔵庫を設置する時にも1時間安置してからの電源投入を必要とするほど冷却用コンプレッサーは振動や傾きに敏感なので、冷却動作時はできるだけ安定した状態で使用するのが望ましいようです。

車に積載した時の振動や、運転時の振動程度では問題ないようです。

CW180DZ製品仕様（HiKOKI UL18DA比較）

※優位点は太字

製品名	マキタ CW180DZ	HiKOKI UL18DA
外観
方式	コンプレッサ＋ヒータ	ペルチェ素子
最低温度	-18℃	5℃
最高温度	60℃	55℃
温度設定	保冷：-18℃/-10℃/0℃/5℃/10℃ 保温：55℃/60℃	保冷：HIGH/MID/LOW 保温：HIGH/MID/LOW
内容積	20L	25L
目安容量	500mペットボトル×20 2Lペットボトル×4	500mペットボトル×20 2Lペットボトル×6
蓋ストッパ	×	〇
充電機能	×	〇
キャスター	〇	〇
ハンドル	〇	×
状態表示	LCDパネル	LED
USB出力端子	〇	×
栓抜き	〇	×
防水	IPX4	IPX4
対応電源	ACアダプタ シガーソケット(12V,24V) バッテリー	ACアダプタ シガーソケット(12V) バッテリー
バッテリー電圧	18V	14.4V/18V
バッテリー搭載本数	18V 2本	14.4/18V 2本
寸法	341×623×371.5mm	340×560×445mm
庫内寸法	240×323×261mm
質量	14.3kg （BL1860B×2本装着時）	8.0kg （本体のみ）
定価	69,800円 (本体のみ)	52,000円 (XM)BSL36A18付属 38,000円 (NM)本体のみ
特徴	高い冷却性能 長い保冷時間 重い	性能が低い 軽い 安い

• 1充電あたりの使用時間（目安)

バッテリー	-18℃設定時	5℃設定時	60℃設定時
BL1860B(１個)装着時 (18V/6.0Ah)	約2時間30分	約8時間30分	約2時間
BL1860B(２個)装着時 (18V/6.0Ah)	約5時間30分	約17時間	約4時間

※「冷温庫の庫内が設定温度に到達した状態」から開始して、測定した時間です。バッテリの充電状態や使用環境、「保温・保冷開始時の冷温庫の庫内温度」や、「庫内に入れる内容物の量」により異なります。

現場用クーラーボックスの新たな需要を生み出すか

今回のCW180DZは電動工具メーカーの販売する製品として久々の新ジャンル製品です。

類似製品にはHiKOKIからUL18DAが販売されていますが、冷却方式がペルチェ方式なので冷却性能には大きな差があります。冷却性能ではCW180DZが圧倒的に優れていて現場用クーラーボックスの新たなスタンダードになるスペックを備えています。

HiKOKI UL18DAのペルチェ方式は「無いよりはマシな冷却機能」程度の性能ですが、今回のCW180DZは「積極的に使える」くらいの冷却性能が期待できます。-18℃動作で氷点下の温度にも設定できるので、アイスなどの冷菓食品も現場に持ち込めるようになるのは大きな利点です。¹

空調服などを含む夏の現場作業員向けの冷却グッズとしてマキタCW180DZは魅力的な製品です。今年の夏の気温は例年並みかそれより高くなると予報されているので、このような製品は現場の必需品なるでしょう。¹

ちなみに、コンプレッサーを搭載する持ち運びできるクーラーボックスそれ自体は珍しい製品ではなく、ここ数年でWeb通販サイトを中心に車載用の製品が普及しています。価格も30,000円からと比較的リーズナブルで、アウトドアを中心に普及が進んでいる製品です。

マキタCW180DZの大きな特徴は「保温機能を搭載」「マキタバッテリー動作」の2点です。特にマキタバッテリーを搭載すれば電源のない環境でも長時間の保冷もできる半日近い動作時間が実現できるので、作業現場以外にも電源が取れない場所での活用、レジャー・医療・福祉・宅食など幅広い分野で活用できます。

CW180DZまとめ

関連アクセサリ

マキタ 18Vシリーズバッテリ

バッテリアダプタ

充電器

パワーソースキット

ポータブル電源

バッテリチェッカ

1. ペルチェ搭載のクーラーボックスの場合、庫内がペルチェの冷却能力より低くなるとペルチェ素子から冷気が逃げていくため、通常のクーラーボックスより保冷性能が悪くなると推測される。