電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2021年2月に80Vmaxシリーズの充電式ハンマ HM002Gを発売する。40Vmaxバッテリー2本挿しによる高出力性能が特徴。40Vmax 2口充電器DC40RBと36V-5.0Ahバッテリー BL4050Fも同時発売。
目次
80Vmaxシリーズがついに始動 充電式ハンマ MH002G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2021年2月に充電式ハンマ HM002Gを発売する。
HM002Gは、40Vmaxバッテリーを2本の装着に対応する80Vmaxシリーズ第一弾製品。高出力40Vmaxバッテリーを2本搭載によって、電源コード式の電動工具に匹敵するはつり性能を備えているのが特徴。
打撃エネルギーはマキタACハンマ従来機を凌駕する20.9j、1充電当たりの作業量は約15分を実現。
販売仕様は、本体とケースが付属するHM002GZKのみ展開。同時発売で40Vmax充電器・バッテリー・システムケースがセットになったパワーソースキットXGT3/XGT4/XGT5/XGT6も展開する。
- HM002GZK 本体のみ・ケース付属 希望小売価格125,600円(税抜)
HM002G製品仕様 (ACハンマ 10kgクラスHM1213C比較)
製品名 | HM002G | HM1213C |
外観 | ||
打撃エネルギー | 20.9j | 18.6j |
電源 | 80Vmax(40Vmax×2) | AC100V |
打撃数 | 950~1,900min-1 | |
振動3軸合成値 | 8.0m/s2 | |
重量 | 12.1kg | 10.2kg |
寸法 | 574×146×324mm | 576×149×265mm |
製品の特徴「40Vmaxバッテリー×2本の80Vmaxシリーズ」
HM002Gは、マキタ初の高電圧高出力充電式工具 80Vmaxシリーズの第一弾製品です。
以前から18V×2本シリーズを展開していたマキタ電動工具なので、40Vmaxシリーズでの2本挿しシリーズの展開も期待されていましたが、40Vmaxリリースから僅か1年4か月での80Vmaxシリーズがリリースされることになりました。
以前、マキタはエンジン機器生産の収量も発表しており、エンジン機器や電源コード式の電動工具の後継機種として80Vmaxシリーズの拡充を進めるものと予想されます。
クラス最強 AC電源式を超えた破砕力を実現
40Vmaxバッテリーの2本搭載によって、AC100V電源コード式の電動工具を超える出力性能を実現。打撃エネルギーは、AC100V電源コード式のHM1213Cを超える20.1jを達成。
ソフトノーロード機能で作業しやすい
ソフトノーロード機能を搭載し無負荷時は回転数を抑えた低振動状態になり、負荷を検知すると最大回転数になります。先端がブレにくいので狙った位置へ確実なはつり作業を実現できます。
防水保護等級IPX6に適合
40Vmaxシリーズと同じく防水保護等級IPX6に適合。屋外でのはつり作業や水の舞う現場でも安心して作業を進められます。
無線連動AWSに対応
マキタの無線連動機能 AWSに対応。電源コードがない環境でも粉じんの舞わない快適な作業環境を実現。
40Vmax 2口充電器 DC40RBも同時発売
同時発売のパワーソースキットXGT4/XGT5/XGT6では、40Vmax 2口充電器DC40RBも発売。
40Vmaxバッテリーの2本充電によって80Vmaxシリーズの快適な運用をサポート。
36V-5.0Ahバッテリー BL4050Fも同時発売
マキタバッテリー史上最大の大容量高出力バッテリー BL4050Fも同時発売。パワーソースキット XGT3/XGT6で販売予定。
36V-5.0Ah(165Wh)の大容量・高出力仕様によって、長時間の連続作業もサポート。
リチウムイオン登場から15年、名実ともにAC電源に匹敵
リチウムイオン電動工具の登場から「AC電源式に匹敵」との謳い文句を掲げてきた電動工具各社ですが、今回のマキタ80Vmaxの登場によって、名実ともに全ての充電式電動工具がAC電源コード式に匹敵する出力を持つことができるようになります。
最大の懸念であるバッテリー重量の問題も、パワーエレクトロニクスの進歩によるブラシレスモータの軽量化による恩恵によって、電源コード式のハンマ10kgとの重量比較で約2kg増に収まっており、取り回しの面では妥協点と言えるでしょう。
1充電当たりの作業量は、BL4040バッテリー装着時で約15分であり解体作業などには厳しいものがあるものの、ハンマを使用する現場は電源環境が厳しいシーンも多いので、充電式ハンマでも一定の需要はあると考えられます。
価格の面だとAC電源式のHM1213Cとの比較であれば、本体価格90,000円+エンジン発電機150,000~200,000円となり、今回のHM002Gでは本体実勢価格90,000円+パワーソースキットXGT6 100,000円と初期コストではほぼ同一になります。
ただし、連続稼働時間の必要性や電源環境の有無によっても変わるため、一概に全てのケースに置いてAC電源コードしい工具を置き換えられるものではありません。現状では、バッテリーの容量不足が大きな問題となるので、電動工具選定の新たな選択肢として充電式も加わったと考えるのが良さそうです。