
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2025年8月に40Vmaxシリーズの充電式レシプロソー JR003Gを発売する。チェーンバイスの装着によりパイプ材の切断に特化したパイプソーで別売のチェーンバイスレシプロソー専用刃の仕様でモルタルライニング鋳鉄管の切断にも対応する。本体標準小売価格は108.000円(税別)
目次
マキタ 充電式レシプロソー JR003G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、40Vmaxバッテリに対応する充電式レシプロソー JR003Gを発表しました。

JR003Gは、マキタの充電式モデル初のパイプソーです。
金属パイプに固定するチェーンバイスを装着することで金属パイプなどの筒形状の材料切断に特化したレシプロソーです。チェーンバイスで固定することでテコの原理のように力を加えられるので、固くて太い切断難度の高い材料でも簡単に切断できます。
同時発売で、チェーンバイスレシプロソー専用刃の湾曲ブレード BIViseシリーズとダイヤバイス湾曲ブレード DIAViseも展開しており、モルタルライニング鋳鉄管などの材料の切断にも対応します。
販売仕様は、ケースのみが付属するJR003GZKのみ発売します。

- JR003GZK 本体のみ 希望小売価格108,000円(税抜)
JR003G 製品仕様
製品名 | JR003G |
---|---|
外観 | ![]() |
切断能力 チェーンバイス使用時 |
モルタルライニング鋳鉄管:φ169mm 鋳鉄管:φ220mm 鋼管、ステンレス管:φ220mm |
切断能力 チェーンバイス使用時 |
パイプ:Φ130mm 木材:255mm |
ストローク径 | 2,200min-1 |
ストローク長 | 26mm |
バッテリー | 40Vmax |
重量 | 4.5kg |
寸法 | 583×103×152mm |
本体価格 | 108,000円(税抜) |
販売年月 | 2025年08月 |
製品の特徴
「マキタ初の充電式パイプソー」

JR003Gは、マキタ初の充電式パイプソーです。
先端のチェーンバイスでパイプを固定できるので、狙った位置での切断を容易にし、テコの原理によって片腕で力を加えられるので、切断時間の長い太くて固い材料でも容易に切断できます。

モルタルライニング鋳鉄管の切断にも対応

別売のチェーンバースレシプロソー専用刃を装着すれば鋳鉄管の切断作業にも対応します。

チェーンバースレシプロソー専用刃には湾曲とストレートタイプのBIViseシリーズとダイヤ粒子が付いたDIAViseシリーズの2本が展開しています。
DIAViseシリーズのブレードを使用すれば、モルタルライニング鋳鉄管の切断にも対応します。

チェーンバイスを外してレシプロソーとしても使用可能

JR003Gは、チェーンバイスを取り外してブレードクランプS A-00348を装着すれば普通のレシプロソーブレードも装着できるので一般的なレシプロソーとしても使用できます。
防水保護等級IPX6に適合

防水保護等級IPX6に適合。水場での切断作業でも安心して使用できます。
HiKOKI コードレスパイプソー CR36DYAとの比較
充電式のパイプ切断に特化したレシプロソーとしては、HiKOKIのコードレスパイプソーCR36DYAが競合します。

基本的には水道管のモルタルライニング鋳鉄管の切断を中心とした用途となるので、製品仕様的にはほとんど同一の製品となります。
切断能力には僅かに違いが見られ、モルタルライニング鋳鉄管の切断能力のみ差異がある点に注意が必要です。
製品名 | JR003G | CR36DYA |
---|---|---|
外観 | ![]() |
![]() |
切断能力 チェーンバイス使用時 |
モルタルライニング鋳鉄管:φ169mm 鋳鉄管:φ220mm 鋼管、ステンレス管:φ220mm |
鋼管:φ216mm ステンレスパイプ:φ216mm 鋳鉄管:φ216mm モルタルライニング鋳鉄管:φ216mm |
切断能力 チェーンバイス使用時 |
パイプ:Φ130mm 木材:255mm |
– |
ストローク径 | 2,200min-1 | 2,000min-1 |
ストローク長 | 26mm | 26mm |
バッテリー | 40Vmax | マルチボルト36V |
重量 | 4.5kg | 4.8kg |
寸法 | 583×103×152mm | 616×165×115mm |
本体価格 | 108,000円(税抜) | 105,100円(税抜) |
販売年月 | 2025年08月 | 2022年08月 |
今後、社会的意義が大きくなる既設インフラ向けの充電式切断工具
今回のJR003Gに関しては、レシプロソーとは言いつつも用途的には他社のチェーンバイス搭載のパイプソーと同等の製品となっています。
充電式のパイプソーとしては2022年8月発売のHiKOKI CR36DYAがあるのですが、今回マキタがJR003Gを発売したのはHiKOKI 湾曲レシプロソーの特許切れが大きく影響しているのではないかと予想しています。
パイプソーは切断難度の高いダクタイル鋳鉄管やモルタルライニング鋳鉄管を切断する用途にも使うのですが、これらの管材は切断難度が高いためにエンジンカッターや専用工具などを用いることが多く、事実上唯一対応できるセーバソーが湾曲ブレードの特許を持つHiKOKIのパイプソーだけだったものと考えられます。
さて、今回のモルタルライニング鋳鉄管を対応できるレシプロソーが増えたことは昨今の水道インフラ更新面において、大きな意義のある製品だと考えられます。
水道管の老朽化は日本全国で深刻化しており、水道事業職員の高齢化と人材不足、水道事業の経営難や財政的制約などの理由から全国で年間2万件を超える漏水・破損事故が発生しています。(参考:水道の現状と水道法の見直しについて|厚生労働省)
これらの観点から、比較的取り扱いやすいセーバソーでの対応や湾曲ブレードによる低コスト化を考えれば、今後、日本のインフラ更新の需要増加も含め、国内トップ電動工具企業のマキタがこの分野に参入する意義は相当大きいものと考えています。
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2022年8月発売