電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2021年8月に40Vmax充電式防じんマルノコ KS001Gを発売する。40Vmaxバッテリー対応によりAC機を超える切断スピードを実現。ダストケースの仕様が異なるダストカバー KS001Gとダストボックス KS002Gの2仕様で販売する。
目次
マキタ 充電式防じんマルノコ KS001G/KS002G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2021年8月に40Vmax充電式防じんマルノコ KS001G/KS002Gを発売します。
40Vmaxバッテリーの採用により切断スピードが向上し、従来機(18V)比較でサンディング切断だと約35%・石こうボードの切断で約20%早く切断できるのが特徴です。
1充電当たりの作業量は石こうボードで約500枚(静音エコモード時)、サイディングボードでは約270枚です。
作業で選べる2つのモード「スピードモード」と「静音エコモード」で使い分けに対応し、マキタの無線連動AWSにも対応するので集じん動作も可能です。
製品仕様は標準付属のダストケースが異なるダストカバー仕様 KS001Gとダストボックス仕様 KS002Gの2仕様展開、販売仕様はバッテリー×2・充電器・ケースが付属するGRDXと本体のみのGZで販売されます。
- KS001GRDX ダストカバー仕様 希望小売価格85,100円(税抜)
- KS001GZ ダストカバー仕様 希望小売価格40,300円(税抜)
- KS002GRDX ダストボックス仕様 希望小売価格87,100円(税抜)
- KS002GZ ダストボックス仕様 希望小売価格42,300円(税抜)
製品仕様 (18Vモデル KS513D比較)
製品名 | KS002G | KS513D |
外観 | ||
刃物外径 | 125mm | |
最大切込深さ | 90度:47mm 45度:30mm |
|
集じんタンク | ダストボックス | |
無負荷回転数 | スピードモード:7,500min-1 静音エコモード:5,000min-1 |
5,000min-1 |
バッテリー | 40Vmax | 18V |
無線連動 | 〇 | |
重量 | 2.9kg | 1.6kg |
寸法 | 262×187×248mm | 267×183×247mm |
本体価格 | 42,300円(税抜) | 41,800円(税別) |
販売年月 | 2021年8月 | 2017年7月 |
製品の特徴「40VmaxバッテリーでAC機を超える切断スピード」
KS001G/KS002Gは、40Vmaxバッテリーの採用によって切断スピードが向上し、従来機(18V)比較でサンディング切断だと約35%・石こうボードの切断で約20%早く切断できます。
集じん方式で選べる2仕様のダストケース
ダストケースの異なるダストカバー仕様 KS001Gとダストボックス仕様 KS002Gの2仕様で展開されているので、用途や状況に応じて適切な集じん仕様を選択できます。
ダストケースと本体は相互互換性があるので、片方の仕様の集じんマルノコを買っても別売アクセサリのケースを装着することで臨機応変に対応できます。
今製品のダストケースは、従来モデルKS511D/KS513Dの別販売品とアクセサリ番号が異なり別製品となるため注意が必要です。
作業で選べる2モード切替機能を搭載
回転数を切り替える2モード切替機能を搭載しています。
最大無負荷回転数7,500min-1の「スピードモード」では石こうボードやサイディングの高速切断。定回転制御の5,000min-1「静音エコモード」では回転数を抑えるため低騒音化と1充電あたりの作業量の向上が向上します。
使い勝手を向上する新たなアクセサリが追加
今回の防じんマルノコでは、摩擦を低減するベースプレート(A-72899)とダストボックス容量を増やした大容量ダストボックス(122A90-0)が新たに追加されています。
ベースプレート装着によって切断時の摩擦抵抗を低減させるアクセサリで切断作業時の負担を低減してくれます。HiKOKIの集じん丸ノコには人気のアクセサリとして設定されていながらも、マキタノ従来18VモデルのKS511D/KS513Dでは設定されていなかったため待望のアクセサリ追加です。
大容量ダストボックスに関しては、標準付属のダストケースと比較して容量約3倍なのでゴミ捨て頻度を減らして作業を快適に進めることができます。集じん機連動を行わない方には注目のアクセサリです。
マキタの無線連動AWSに対応
マキタの無線連動機能AWSに対応。別売ワイヤレスユニットの装着によって充電式モデルでも集じん機との連動動作に対応します。
防じん防水保護等級IP56に適合
工具本体・バッテリー共に防じん防水保護等級IP56に適合、粉じんの多く発生する石こうボードの切断作業に対して耐久性が大きく向上しています。
HiKOKI コードレス集じん丸のこC3605DYBとの比較
他社の競合モデルとなるのは、2021年2月発売のHiKOKI C3605DYBです。
製品仕様については細かい違いがあるものの、モーターの動作電圧や回転数、付加機能などはほぼ同一なので、使い勝手の面でほぼ同じように使えると考えられます。
この2製品で異なる点は、ダストボックス時の自己集じん率と本体価格です。
HiKOKI C3605DYBの自己集じん率は約80%ですが、マキタKS002Gでは約87%と高いカタログ値を提示しているため、切断時の粉じんの飛散量を重視する方であればKS002Gがおすすめです。
そして最も異なるのが本体価格です。本体の希望小売価格で5,000円ほどの価格差があるため、実際の販売価格もある程度の価格差が付くと予想されます。40Vmaxの予備バッテリーの価格も比較的高い傾向にあるので、コスト面を考えればC3605DYBが優勢となるでしょう。
もしマキタ18Vユーザーの方が集じん丸ノコの買い替えを考えている場合、バッテリープラットフォームそのもの買い増しになってしまうことが悩みの種です。
40Vmaxシリーズの場合マキタ18Vシリーズとの互換性が無いので、互換性のない新しいバッテリーシリーズを買い増しするのであればHiKOKIマルチボルトシリーズも選択肢に上がります。ここ最近のHiKOKIはコストパフォーマンスを重視した低価格設定の製品を出す傾向が強いため、新しい工具の出費を少しでも抑えたい方にとっては無視できない判断材料になるでしょう。
KS002GとC3605DYBの製品仕様比較
※優位点は太字
製品名 | KS002G | C3605DYB |
外観 | ||
刃物外径 | 125mm | |
最大切込深さ | 90度:47mm 45度:30mm |
|
集じんタンク | ダストボックス | |
無負荷回転数 | スピードモード:7,500min-1 静音エコモード:5,000min-1 |
パワーモード:7,000min-1 サイレントモード:3,500min-1 |
自己集じん率 | 約87% | 約80% |
バッテリー | 40Vmax | マルチボルト36V |
無線連動 | AWS | Bluetooth搭載バッテリー |
フック | 〇 | 〇 (No,339187) |
低摩擦プレート | 〇 | 〇 (No,375402) |
重量 | 2.9kg | 2.9kg |
寸法 | 262×187×248mm | 298×183×236mm |
本体価格 | 42,300円(税抜) | 37,200円(税別) |
販売年月 | 2021年8月 | 2021年2月 |
後継機としては順当な製品、価格アップは防じん防水分
今回の新型防じんマルノコで最も注目するべき点は40Vmaxバッテリー対応や性能向上ではなく、ベースプレートや大容量ダストボックスなどの新たに追加されたアクセサリだと考えています。
今回、40Vmaxバッテリーを対応する初の防じんマルノコが発売されましたが、プラスターボードの切断を中心に行う集じん丸ノコではそこまで高い切断性能を求められるケースは少なく、製品本体な使い勝手だけを考えるのであれば従来モデルのKS513Dでも問題はないでしょう。
「AC機を超えるスピード」のキャッチフレーズは18V時代から「AC機同等」の謳い文句が使われ続け、AC機の新製品が出なくなって10年近く経過した今となっては陳腐化しつつある表現なので、まじめに受け取る必要はありません。
全体的に見れば細かい部分の変更などが随所に加えられており、後継機としては順当な製品です。本体価格に関しては、従来機のKS513Dから若干価格が上がっていますが、この分は工具本体がIP56適合した分の価格差と考えれば妥協できるでしょう。