電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2022年8月に190mmチップソー対応の充電式スライドマルノコLS008GZを発売する。最大312mm×62mmの切断仕様を備え、墨線が見やすい右側スライドポールを採用する。本体希望販売価格は 126,300円(税抜)
目次
マキタ 190mm充電式スライドマルノコ LS008GZ
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2022年8月に190mmチップソー対応の40Vmax充電式スライドマルノコLS008GZを発売します。
LS008GZは、190mmチップソー仕様の充電式スライドマルノコです。最大切断径は直角時で312mm×62mmに対応し、高剛性の太径25mmスライドポールによる右側スライド採用により墨線が見やすく、高精度切断可能な構造を備えています。
40Vmaxバッテリーとハイパワーブラシレスモータ採用の定回転制御により、従来AC機比較で約2.5倍の切断スピードを実現し、綺麗な切断面と快適な作業性を両立します。
販売仕様は、本体のみのLS008GZでのみ展開します。
- LS008GZ 本体のみ 希望小売価格126,300円(税抜)
製品仕様 (40Vmaxスライドマルノコ比較)
製品名 | LS008G | LS001G | LS005G |
---|---|---|---|
外観 | |||
ノコ刃外径 | 180~190mm | 155~165mm | 210~216mm |
切断能力 |
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ターンベース 回転範囲 |
左47° 右57° |
左47° 右57° |
左60° 右60° |
回転数 | 4,000min-1 | 4,200min-1 | 4,800min-1 |
重量 | 12.0kg | 10.3kg | 15kg |
寸法 | 679×418×507mm | 495×400×470mm | 702×551×557mm |
本体価格 | 126,300円(税別) | 104,500円(税別) | 128,000円(税別) |
販売年月 | 2022年8月 | 2019年12月 | 2021年8月 |
製品の特徴
「日立工機スライド方式採用の190mm卓上スライドマルノコ」
LS005Gは最大切断サイズ312mm×62mm(傾斜0度・ターンベース角度0度時)を備える1尺切断対応のスライドマルノコです。
従来のマキタスライドマルノコは2カ所でスライドする2段スライド構造を採用していましたが、本機では旧日立工機のパテント切れとなったスライド構造を採用しており、切断精度の向上と本体設置の自由度が向上しています。
スライド部分には高剛性の太径ポールを採用し、上下リニアボールベアリングによってスライドもスムーズで高い耐久性を備えています。
左右両傾斜 45度+1度
巾木などの内装材の突合せに便利な左右45度+1度の両傾斜を搭載。材料を反転することなく素早く切断できます。
収納可能なサブテーブル付
収納可能なサブテーブル付。素早く引き出し、フロア材などの幅広材を安定した状態で切断可能です。
無線連動AWSに対応
マキタの無線連動AWSに対応。別売のワイヤレスユニット A-66151の装着とAWS対応集じん機の接続で効率よく切断くずを集じんできます。
190mm鮫肌チップソー標準付属
マキタのコーティングレーザースリットチップソー「鮫肌」が標準付属。
摩擦抵抗が約1/4低減し、1充電当たりの作業量が約50%アップします。
HiKOKI C3607DRAとの違い
190mmクラスのコードレススライドマルノコで競合するのは、HiKOKIのC3607DRAです。
今回のマキタLS008Gに関しては、右スライド方式や両傾斜構造などHiKOKI C3607DRAを強く意識した製品です。マキタのスライドマルノコは長らく旧日立工機の後塵を拝していましたが、パテント切れの特許構造を採用することによって、日立工機の1世代前の卓上スライドマルノコ C7RSHCの水準にようやく至ったと言えます。
現行の充電式モデルでの比較では、切断能力で同じ仕様を備える両社の製品ですが、LED構造や2段ベルト駆動方式による静音性など、付加価値の点を含むとHiKOKI C3607DRAが優勢と言えます。
HiKOKI マルチボルトバッテリーとマキタ 40Vmaxバッテリーを両方持っているとしたら、個人的な好みではありますが、丸ノコのギヤ駆動特有の甲高い動作音が苦手な方なので、その辺りの使い勝手の違いからHiKOKI C3607DRAを選びたいところです。
とは言うものの、今回のマキタ LS008Gも一定の水準に達したスライドマルノコであることには間違いないので、手持ちのバッテリーを基準に選ぶのが良いでしょう。
製品名 | LS008G | C3607DRA |
---|---|---|
外観 | ||
ノコ刃外径 | 180~190mm | 180~190mm |
切断能力 |
[画像タップで拡大] | [画像タップで拡大] |
ターンベース 回転範囲 |
左47° 右57° |
左47° 右57° |
回転数 | 4,000min-1 | 4,000min-1 |
駆動方式 | ギア(?) | 2段ベルト |
バッテリー | 40Vmax | マルチボルト36V |
無線連動 | AWS | Bluetoothバッテリー |
重量 | 12.0kg | 13.4kg |
寸法 | 679×418×507mm | – |
本体価格 | 126,300円(税別) | 104,500円(税別) |
販売年月 | 2022年8月 | 2019年12月 |
尺切りを求めていた40Vmaxユーザーもいるのでは
今回のマキタスライドマルノコは、待望の1尺切断に対応する190mmチップソー仕様のスライドマルノコです。
マキタの40Vmaxコードレススライドマルノコでは、昨年に216mmチップソー仕様のLS005Gが登場しており、切断能力も今回のLS008Gとほとんど同仕様なのですが、本体重量の取り回しの悪さや8インチ径のチップソーの流通量などから、今回7インチ径のLS008Gを新たに展開する必要に迫られたのかもしれません。
とは言うものの、1尺切断仕様は303mm幅のカラーフロア材を使用する時に必要になるサイズですが、昨今のトレンドでは75mmや120mm幅のフロア材も増えており、1尺切断のスライド丸ノコを必要とする現場も少なくなったため、実際に必要とするケースはさほど多くないとも考えられます。
この辺りは、実作業上の需要と言うよりも、ユーザーの声を汲んだ結果として開発された製品と見るのが良いのかもしれません。
製品とは関係ない話題ですが、マキタは先月発売のエアコンプレッサ AC500XLのカタログから「シン・」の見出しを使用しています。
「シン・」シリーズと言えば映像4社が参画し、庵野氏が陣頭指揮を執る合同映像プロジェクトの作品群を表すフレーズな訳ですが、マキタの掲げる「シン・」表記は広大なプロジェクトや一貫したマーケティング戦略があるわけではなく、製品カタログの見出しに使ったにしてはそのフレーズの青写真すら見られず一切面白みがありません。このような使い方は、却って雑なアピールである印象を受けてしまいます。
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