
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2021年8月に40Vmax 216mm充電式スライドマルノコ LS005Gを発売する。40Vmaxバッテリー対応によりAC機を超える切断スピードを実現し、日立方式のスライド構造採用によって高耐久と使い勝手を兼ね備えたハイパワー&高精度切断を特徴としている。
目次
マキタ 216mm充電式スライドマルノコ LS005G

電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2021年8月に40Vmax 216mm充電式スライドマルノコ LS005Gを発売します。
40Vmaxバッテリー搭載による36V動作と定回転制御によって、切断スピード80%アップのAC機を超える高速を実現。日立工機方式のスライド構造採用によって壁際でも使えるようになったため、使い勝手も大きく向上しています。
最大切断幅は幅312mm×高さ70mmで幅広い材料の一発切断に対応し、材料の厚みや長さに合わせたサブテーブルとアッパフェンスで安定した切断が可能です。
1充電あたりの作業量はBL4025バッテリー装着時にフローリング材 約280回・メラピ材 約90回の切断作業に対応します。
販売仕様は製品本体のみのLS005GZで販売し、バッテリー・充電器は別売です。

- LS005GZ 本体のみ 希望小売価格118,400円(税抜)
製品仕様 (165mm LS001Gとの比較)
製品の特徴「日立工機方式のスライド構造を採用」

従来のマキタスライドマルノコは2カ所でスライドする2段スライド構造を採用していましたが、LS005Gでは日立工機方式のスライド構造を採用し、切断精度の向上&本体設置の自由度が向上しています。
日立工機方式ではスライドパイプが後方に飛び出さないので、狭い現場や壁際にも設置できてワイドな切断が可能です。
スライド部分には高剛性の太径ポールを採用し、リニアボールベアリング採用によってスライドもスムーズで高い耐久性を備えています。

高さ70×幅312mmを一発切断する216mmチップソー

216mmチップソーの搭載によって、高さ70×幅312mmの材料を一発切断する高い切断能力を実現しています。
根太のような太さのある材料から1尺フローリングなど幅の広い材料まで幅広い切断作業に対応できます。
サブテーブル+アッパフェンスを搭載

材料の厚みや長さに合わせた伸縮可能なサブテーブル+アッパフェンスを標準搭載。切断精度と安定性が向上します。
2口集じん構造で集じん性能UP

2カ所で集じんを吸い込む2口集じん構造によって集じん性能もアップ。
マキタの無線連動AWSにも対応するので充電式スライドマルノコながら集じん機連動動作が可能です。
216mm鮫肌チップソー標準付属

マキタのコーティングレーザースリットチップソー「鮫肌」が標準付属。
摩擦抵抗が約1/4低減し、1充電当たりの作業量が約50%アップします。
HiKOKI 充電式スライド卓上丸ノコC3607DRAとの違い

LS005Gの競合製品はHiKOKI C3607DRAです。
この2製品はチップソー径が異なり、LS005Gが216mmで、HiKOKI C3607DRAと190mmですが、最大切断径に大きな違いが無いため実用上の用途に大きな違いはありません。
取り回しや使い勝手の点で考えれば、190mmチップソーを採用し軽量なHiKOKI C3607DRAが優位ですが、切断能力と本体価格の点ではLS005Gの方が優れているため、尺切りスライドマルノコを検討中のユーザーの方にとっては少し悩んでしまうかもしれません。
個人的な所では、C3607DRAの本体内蔵式ツインLEDライトや2段ベルト採用による低騒音化など付加価値の部分を魅力に感じるため、製品単体の評価としてはHiKOKI C3607DRAを推奨したいと考えています。
216mmをどう評価するか
今回のLS005Gは、海外マキタで先行して販売していたLS002Gを元に日本向けの機能を搭載した充電式スライドマルノコです。
フローリングの尺切断には190mmチップソーが使われますが、海外市場では216mmの方が需要が高く、卓上スライドマルノコの需要が少なくなってきている日本市場向けで新たに190mmを作っても採算が取れないと判断したため、マキタは216mm仕様のまま日本展開したものと予想しています。
販売初動では尺切断を必要とするユーザーに数が出そうですが、最近は大型の卓上スライドマルノコを必要とする現場も少なくなっています。マキタの事情としては、売れ行きよりも40Vmaxシリーズ拡充をアピールするために販売した製品と考えられます。
LS005Gを実作業で使って困ることは無いと思いますが、現在の建築事情では若干オーバースペック気味の製品と言えます。尺切断があまり重要ではなく取り回しや運搬性を重要視するのであれば、LS001GやHiKOKI C3606DRB/C3607DRAのような165/190mmのスライドマルノコがおすすめです。
LS005Gまとめ

マキタ 216mm充電式スライドマルノコ LS005G
VOLTECHNO製品評価 (4 / 5)
40Vmaxバッテリー対応の216mm充電式スライドマルノコ
165mmモデル | マキタ LS001G |
競合製品 | HiKOKI C3607DRA |
- 奥行きが変わらないスライド構造
- 幅312mm×高さ70mmの高い切断能力
- 無線連動AWS対応
- 尺切りとしては大型で重い