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マキタ充電式ファンのモーター交換修理方法ガイド

マキタ充電式ファンのモーター交換修理方法ガイド

※本記事は分解・組立手順を解説する技術記事です。個人の電動工具分解や修理を推奨するものではありません。

電動工具メーカーの充電式ファンの寿命は短い

一般的な家電製品の扇風機にはACモーターの誘導モーターを搭載していますが、電動工具メーカーが販売している充電式ファンには電動工具と同じブラシモーターを搭載しています。

ブラシモーターは安くて小さいので持ち運びできる充電式ファンに採用されていますが、このモーターは内部のブラシが摩耗しきってしまうと回転しなくなるため、家電扇風機より寿命が短い特徴があります。メーカーや使い方によって変わりますが、5,000~10,000時間程度使用するとモーター交換が必要です。

特に電動工具メーカー製の充電式ファンは夏以外にも現場の換気や塗装乾燥などにも使うので、通年使用する方はブラシが早く消耗する場合もあります。

モーターブラシが無くなると充電式ファンは製品寿命になりますが、その際にはモーターを新しく変えることで使い続けられます。

今回の記事では、マキタ充電式ファンのモーターを交換する方法を解説します。

写真は約1,000時間ほど稼働ときにブラシ長を確認したモーター。この時ブラシはそこまで減っていなかったので、あと5,000~7,000時間くらいは使い続けることができる。

充電式ファンのモーターの交換に必要なもの

  • はんだごて(40W以上を推奨)
  • #2プラスドライバー
  • マイナスドライバー
  • 新品のモーター(電動工具販売店から取り寄せ)

電動工具の修理の基本は修理用部品との交換です。部品は電動工具販売店から購入できるので、破損した部品を修理して組み込むような修理は避けてください。

部品の取り寄せは、電動工具販売店の店員に「電動工具の部品が欲しい」と言えば展開図を見せてくれるので、欲しい部品を確認して部品の注文を依頼すればOKです。部品の取り寄せ日数は地域や在庫の状態にもよりますが、概ね1~3日程です。

マキタ CF001G展開図

今回は、マキタ40Vmaxシリーズの充電式ファン CF001Gのモーター交換手順について解説します。類似機種はCF202DZ, CF203DZで同じ手順でモーター交換作業を行うことができます。

[画像クリックで拡大]

ファンモーター交換手順

マキタ CF202DZ以降の充電式ファンはカバー工具レス脱着構造なので、工具なしでカバーを外すことができます。

裏側にある取り外しボタンを押せばカバーが外れるようになります。

取り外しボタンを押しながら、前面ファンカバーの突起が合うように両手で反時計回りに回すとファンカバーが外れます。

ファンはスナップリングで固定されています。このスナップリングは細いマイナスドライバーを使えば簡単に外すことができます。

スナップリングの突起部分をピニオンのDカット部分に押し込んで合わせます。

スナップリングとDカット部分の間の隙間にマイナスドライバーを差し込んで外側に力を入れるとスナップリングが外れます。

スナップリングが外れたらファンを取り外しましょう。

モーターカバーを固定している黒いネジ2本を外します。

本体を裏返すとモーターが露出します。

モーターははんだ付けで配線されているので、はんだごてを使って配線を取り外します。配線が太く端子も大きいので熱容量が大きい40Wくらいのはんだごてを推奨します。

ニッパーなどで配線を切断すると長さが足りなくなってしまうので厳禁です。

2本の配線が外れたら、再度裏返してモーターを取り外しましょう。

モーターは2本のねじで固定されています。プラスドライバーを使って取り外しましょう。

新しいモーターを準備します。

モーター前面にあるネジ山の位置を確認します。

ネジ山の位置に合わせてモーターを差し込んで、銀色のねじで固定します。

モーターを固定したら、本体を裏返して配線を繋げます。

モーター裏側には極性を表す印があるので、それに合わせて配線をモーター電源端子に挿し込みます。

はんだ付けで配線を行います。

ファン羽を取り付ける前に、一度電源を入れて「モーターが回転するか」「回転方向が正しいか」などを確認しましょう。

裏側にモーターカバーを取り付けてねじ止めします。

モーターカバーを固定します。この黒いネジはタッピングネジでネジ山を潰しやすいので注意しましょう。

ファン羽を差し込んでスナップリングを固定します。Dカット部分の横から差し込めば素手でも固定できます。

最後にカバーを固定すればモーター交換修理完了です。

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