マキタの製品は各営業所で直接持ち込みの修理依頼を受け付けています。今回は修理を出す方法や注意点について解説と修理が完了するまでの流れをレポートします。
- マキタ製品の営業所持ち込み修理の手順について解説
- 修理したい本体を営業所に持ち込めば修理を受け付けてくれる
- 復元義務で工具は新品状態に戻ってしまうので、改造やアクセサリ装着時は注意
目次
事前申し込み等は不要、マキタ営業所に直接持ち込みで修理依頼
電動工具の修理依頼は、購入した販売店に持ち込んで修理を依頼するのが一般的ですが、マキタの製品ならマキタ営業所に直接持ち込んで修理を依頼できます。
とはよく聞くものの、マキタ営業所はどこにあるのか、どうやって修理に出せばいいのかのレポートや解説が無かったので、今回は実際にマキタ製品を修理に出して直った製品が返ってくるまでをレポートします。
マキタ営業所持ち込み修理レポート
実際にマキタ営業所に製品を持ち込んで修理を依頼してみます。
有償で修理を依頼するならレシートや保証書などの購入証明書は必要ありません。修理を依頼したい本体だけ持って窓口で修理を依頼すればそのまま受け付けてくれます。
動かなくなったマキタ充電式クリーナーの修理を依頼
今回修理に出すのは、モータブラシが摩耗して動かなくなった充電式クリーナーCL140FDです。
1週目1日目、マキタ営業所に持ち込み
早速、最寄りのマキタ営業所に足を運んで修理を依頼します。マキタ営業所は地域によって規模がピンキリで、プレハブのような小規模な営業所もあれば、支店を兼ねたビルサイズの営業所もあります。
営業所によっては来客用の駐車場が無いところもあり、物流トラックやマキタ営業車の出入りが激しい時間帯もあるので、車などで行く場合は最寄りの駐車場に車を止めてから徒歩で訪問するのがオススメです。
修理依頼は正面出入口近くにある窓口で行います。小さい営業所は窓口に人がいないことも多いので、近くの人に声をかけて修理依頼の旨を伝えます。
修理する製品の情報を伝えるときは、現物を取り出して製品名や製品番号が記載されている製品ラベルを見せてスムーズに進めましょう。窓口担当者がラベルの情報を元に、製品の情報を修理伝票に書きながら故障症状と何の修理を依頼するのかを聞かれるので、口頭で不良の現象(動かない・電源が入らない等)について説明します。
故障の説明に関しては、正確に修理してもらうために可能な限り「要点を詳しく適切に」説明します。特に、精度関連や再現性の低い不良については修理が見逃されることもあるため注意です。
窓口担当者の修理伝票記入が終わったら、最後に本人情報欄に氏名・住所・連絡先電話番号を書き込んで修理依頼は完了です。修理申し込みが終わるまで5分ほどでした。
後日、電話で修理見積価格と修理可否について確認の電話がきます。
1週目3日目 、見積もりの電話
修理を出して3日目の昼過ぎにマキタ営業所から電話が来ました。電話は「クリーナーの修理価格は5,980円で修理期間は部品の取り寄せを含め2~3日で完了する」との内容でした。そのまま金額を了承し修理を行う旨を伝えます。
1週目5日目 、修理完了の電話・受け取り
修理を出してから5日目の昼前にマキタ営業所から電話が来ました。「修理が完了した」と連絡だったので、その日のうちに取りに行きます。
マキタ営業所へ向かい、窓口で修理品の受け取りに来た旨を伝えます。修理品の受け取りでは製品名と修理依頼者の名前を伝えます、依頼した時の修理明細の写しを渡してもOKです。
納品/請求書が提示されるので、それに記載された金額を窓口で支払います。窓口に決済関係の機械は見当たらなかったので、支払いは現金のみに対応しています。製品を受け取って受け取り書類にサインをすれば、一連の修理の流れは完了です。
修理が完了した充電式クリーナーの確認
修理が完了したクリーナーにバッテリー装着してトリガーを引いてみると、ちゃんとモーターが回転して吸い込むのを確認しました。
動作以外の修理では、ファンカバーや内部で外れてしまったスポンジシートなども交換されています。最低限動くだけ修理を行ってくれればよかったんですが、これはメーカー修理対応の「復元義務」が関係しているようです。
ちなみに、納品/請求書を見ると修理や見積もりについての工賃は請求されていませんでした。このあたりはマキタが修理サービス請求をしていないか、部品売上の利益分で補填しているものと考えられます。
修理を依頼するときの注意点
今回、実際にマキタ製品の営業所持ち込み修理を依頼してみましたが、急な持ち込み修理で駆け込んでも変な顔もされることなく、比較的早い修理期間で完了したので満足です。
メーカー修理に出す時の注意点についていくつか解説します。
・復元義務があるため、改造・外れた部品などがあると、その分の復元代金が割高になる
メーカーによる修理対応の場合「復元義務」が発生します。これは労働安全衛生法に適合した製品を提供するためのもので、販売している製品と同じような状態に修理することを義務としているためです。
例えば、修理と関係ない部分であっても「アース付き製品のコードが2Pに付け替えている」「安全装置が取り外されている」などの改造が確認された場合、その部分も復元されて修理代金が上乗せされます。
・部品交換による修理が基本
メーカーによる修理は、部品交換やアッセンブリ交換による修理が行われます。これも先述の復元義務に当たるもので、交換せずに修理できるようなコード断線でもコード交換対応が行われ、電子部品の故障でも故障解析に基づいた修理などは行われず、電子部品の一式交換が進められて修理されます。
・破損していない部品があったとしても「最短日程で確実に直る」修理方法が優先される
メーカーによる修理の場合、確実に修理できることが最も重視されるので、疑わしい部品は全て交換されます。
今回の例の場合、モーター交換だけでも修理は可能だったと思われますが、コントローラが原因だった可能性やモーター摩耗の影響によるコントローラの破損なども考えられたので、確実に修理出来て、部品取り寄せが一回で済む「関係部品全ての交換」による修理方法が優先されました。
・修理部品がない場合は、修理部品の入荷まで修理期間が延びる
見積もりの連絡時、修理部品がない場合もあります。その場合、部品が入荷されるまで修理納期は延びます。部品取り寄せになった場合は1か月~半年くらいになるので、製品によっては最大半年程度の修理納期になってしまう可能性もあります。
・1か月経過しても引き取りがない場合は処分される。
マキタの修理依頼書には「修理完成連絡後1か月を経過してもお引き取りがない場合、または、連絡が取れず1年を経過してもお引き取りがない場合、当方にて処分させていただきます」と記載されています。
・見積もり無しで修理する場合は別途伝える。
原則、修理依頼時に何も言わなければ見積もり要として処理されます。すぐ修理してもらいたい場合には、見積もり不要または「**円以下なら見積もり無しで修理可」と口頭でしっかりと伝えましょう。
・マキタ営業マンの邪魔にならないように素早く依頼する
地域に点在するマキタ営業所はマキタ取扱店の窓口であり、本来エンドユーザーが直接取引できる場所ではありません。マキタはユーザーサポートのために例外的に修理品の直接持ち込みを受け付けていますが、本来の業務である営業活動を妨げてしまうため、できる限り素早く簡素に修理依頼を行いましょう。
どこにでもあるマキタ営業所の強み
修理が比較的早いと噂のマキタ修理で、持ち込みから受け取りまで1週間で修理が完了したのは流石営業のマキタです。最近は表立ってアピールしていませんが、マキタの掲げる修理3日体制は伊達ではないようです。
マキタの修理について担当者に話を聞いてみたところ、ほとんどのマキタ製品は、持ち込まれた営業所で修理を行える修理体制が整っているようでした。
さすがにエンジンや大型機械は設備が整っている修理工場で行うようですが、営業所単位で素早く修理を行える体制が整っているのが、マキタの修理が速く販売店やユーザーに好まれるポイントなのでしょう。