電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年9月に充電式せん定ハサミ UP180Dを発売する。バッテリアダプタ方式を採用することで18V仕様ながらもハイパワー性と取り回しを両立した。本体標準小売価格は103,600円(税別)
目次
マキタ 充電式せん定ハサミ UP180D
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年9月に充電式せん定ハサミ UP180Dを発売します。
UP180Dは、2022年に発売したスライド10.8Vモデル UP100Dの18Vバッテリーモデルです。
18Vバッテリーを搭載する仕様ながら、バッテリアダプタ方式によって本体とバッテリーを分離することによって、ハイパワーでありながら軽快な取り回しを可能とした充電式せん定ハサミです。
高性能コアレスブラシレスモータの採用と中空構造によって、握りやすいコンパクトボディと熱くなりにくい構造を実現しており、最大Φ30mmまでのハサミ開口角にも対応します。
販売仕様は、本体とバッテリアダプタ、ケースが付属するUP180DZKで販売します。
- UP180DZK ホルスタ・バッテリアダプタ・マックパック3付属 希望小売価格103,600円(税別)
UP180D製品仕様
(マキタ充電式せん定ハサミシリーズ比較)
製品名 | UP180D | UP100D | UP361D |
---|---|---|---|
外観 | |||
切断径 | 10~30mm | 18/25mm | 25/33mm |
バッテリー | 18V | スライド10.8V | 18V×2 |
重量 | 0.67kg (ハサミ部) |
0.89kg | 0.82/3.7kg (ハサミ部/ハーネス部) |
寸法 | 296×40×99mm | 285×64×98mm | 305×43×106mm |
本体価格 | 103,600円(税別) | 90,600円(税別) | 189,700円(税別) |
販売年月 | 2023年9月 | 2022年12月 | 2015年9月 |
製品の特徴
「18バッテリー動作のマキタ充電式せん定ハサミ」
UP180Dは、マキタ18Vバッテリーに対応する充電式せん定ハサミです。
18Vバッテリーによるハイパワーながらも、バッテリアダプタ方式の採用によって本体重量0.67kgの軽量ボディを実現しており、せん定作業時の手首・腕・肩にかかる疲労を最大まで軽減します。
開口角は枝の太さに合わせて10cmから30cmまでの4段階切替に対応します。
モータ部分にはコアレスブラシレスモータと中空の保持構造を採用することによって、動作時の発熱がグリップに伝わりにくく連続作業も快適です。
トリガ操作とスムーズに連動
トリガの動きに合わせて刃物が追従。刃物のレスポンスが良く、思い通りのせん定を実現します。
バッテリアダプタは標準付属のほかロングケーブルも展開
腰にバッテリーを装着して使用する長さ1.4mのバッテリアダプタが付属します。さらに別売りでは5.0mのロングケーブルタイプのバッテリアダプタもあります。
マックパックとホルスタが標準付属
販売仕様 UP180DZKでは持ち運びや保管が行いやすいホルスタとマックパックタイプ3が標準付属。
オイルの外側注油でメンテナンスも容易
分解せずに刃物用オイルを外側から注油可能
防滴防じん アプト
防滴防じんアプトに対応。水や粉じんによる影響を受けにくく安心して作業できます。
マックス ザクリオ PA-SJ301との違い
バッテリー1本を装着する充電式せん定ハサミでは、マックス ザクリオPA-SJ301が競合します。
製品仕様面で比較すると、動作電圧や本体重量、マックス独自の両刃駆動の点からマックス ザクリオの方がパワー面で優れているものと予想されます。ただし、モータ機構や本体重量、切断径を細かく調整できる機能などの点を考慮すると作業性ではマキタが優位と予想され、価格やマキタのアフターサポート、共通して使用できるバッテリープラットフォームを考慮すれば、今回のマキタ UP180Dは十分すぎるほど優位な製品と考えられます。
ザクリオの両刃可動は確かに優れている機構ですが、どちらかと言えば、同じようなクラス帯で主だった競合製品が存在しなかっただけとも言えるため、マキタ UP180Dの登場によって充電式せん定ハサミ市場は大きな転換期を迎えることになると考えられます。
ちなみに、マックス ザクリオPA-SJ301のバッテリーはマックスハンマドリルで使われている25.2Vバッテリーと共用です。残念ながら、同社の14.4Vや18Vシリーズとの互換性はありません。
製品名 | UP180D | PA-SJ301 |
---|---|---|
外観 | ||
切断径 | 10~30mm | 20/30mm |
バッテリー | 18V | 25.2V |
重量 | 0.67kg | 0.78kg |
寸法 | 296×40×99mm | 321×55×124mm |
本体価格 | 103,600円(税別) | 200,000円(税別) |
販売年月 | 2023年9月 | 2019年12月 |
ようやく登場した18Vクラスの電動せん定ハサミ
考えてみると、主要な電動工具、園芸機器ブランドの18Vクラスの電動せん定ハサミはこれまでほとんど存在していなかった気がします。
一応、軽作業向けやDIY向けの軽量モデル、36V動作の連続作業モデルなどはこれまでもあったものの、バッテリー1本差しのプロ向けモデルはマックス ザクリオが唯一の製品だったのかな?とも思っています。
製品仕様的には昨年発売したUP100Dをベースに18V仕様に上手くまとめられている印象があり、果樹園や園芸用途などで新しい需要を開拓するには十分な製品と予想しています。最近は40Vmaxシリーズに移行しつつある園芸機器環境ですが、18Vシリーズも十分園芸に強いシリーズなので、マキタOPEの新販路拡販の一翼を担う製品になってくれるでしょう。
個人的に気になる点としては、今後の40Vmax対応についてです。
マキタ営業マンが話す印象としては、40Vmaxシリーズは大型製品を中心としたシリーズで展開していきたいようにも見えるのですが、バッテリー電圧に関しては「大は小を兼ねる」ものであるため40Vmaxだからと言って敢えて大型製品に絞る必要もなく、小型製品の展開を渋る必要もないと思っています。
この辺りは40Vmaxバッテリーで積層セルを採用する1.5Ahくらいの小型バッテリーを出してくれれば割と正解だと思うのですが、小さいバッテリーの40Vmax充電式せん定ハサミを最後に出してしまうと、先のUP100Dや今回のUP180Dの立ち位置が完全に無くなってしまうので、色々と悩ましいと部分なのかもしれません。
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