電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年9月に充電式シャーレンチ WT001Gを発売する。40Vmaxバッテリー搭載により従来モデル比で大幅な軽量化を実現した。本体標準小売価格は352,800円(税別)
目次
マキタ 充電式シャーレンチ WT001G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年9月に充電式シャーレンチ WT001Gを発売します。
WT001Gは、2018年に発売した18V×2シリーズ 充電式シャーレンチ WT310Dを40Vmaxバッテリーに対応したモデルです。
40Vmax化によってバッテリー1本装着で動作できるようになり、バッテリーガードなどの各種保護部品を省いて軽量5.5kgボディを実現したことで、取り回しの面で大幅に優れるようになりました。
販売仕様は、ショルダベルトとケースが付属する本体のみ使用のWT001GZKで販売します。
- WT001GZK 本体のみ 希望小売価格352,800円(税抜)
WT001G製品仕様 (18V×2モデル WT310D比較)
製品名 | WT001G | WT310D |
---|---|---|
外観 | ||
締付能力 | 高力ボルト:M16, M20, M22 超高力ボルト:M16, M20 |
高力ボルト:M16, M20, M22 超高力ボルト:M16, M20 |
バッテリー | 40Vmax | 18V×2 |
最大締付トルク | 804N・m | |
回転数 | 17min-1 | 14min-1 |
重量 | 5.5kg | 7.1kg |
寸法 | 270×95×340mm | 296×130×377mm |
本体価格 | 352,800円(税別) | 388,080円(税別) |
販売年月 | 2023年09月 | 2018年2月 |
製品の特徴
「40Vmaxバッテリーで軽量化した充電式シャーレンチ」
WT001Gは、40Vmaxバッテリーに対応した充電式のシャーレンチです。
従来モデル WT310Dのバッテリー2本装着構造や保護ガードが無くなったことで本体重量が1.6kg軽量化されており、BL4040バッテリー装着時で5.5kgの取り回しに優れた軽量ボディを実現しました。
バッテリーで動作するので電源コードを接続する必要が無く、電圧降下による作業スピードの能率低下や電源ドラムの切断や故障、漏電の心配もなくなります。
1充電あたりの作業量は M22トリシアボルト締結時で約250本の作業量に対応します。(BL4040バッテリー装着時)
運搬を疲労軽減するショルダベルト付属
作業運搬時の疲労を軽減するショルダベルトが標準付属。肩掛け式で運搬時の負荷を軽減します。
簡単にチップを排出できるレバーを搭載
締付け後にソケット内に残る破断チップをワンタッチで簡単に輩出できます。
防水IPX6に適合
屋外でも安心して使用できる防水保護等級IPX6に適合。
TONE コードレスシャーレンチシリーズとの比較
充電式のシャーレンチで競合するのはTONEのコードレスシャーレンチシリーズです。
今回マキタのWT001Gと近い仕様のモデルは、TONE CSM220です。
この2つの製品は基本的な製品仕様がほぼ同一であり、実使用としての使い勝手の差はほとんどないものと予想されます。
唯一の違いとしてはバッテリープラットフォームの違いとシャーレンチのラインナップの差となるわけですが、シャーレンチそのものの比較としては、一次締め用CKSシリーズもあるTONEシャーレンチに軍配が上がることになりそうです。
ちなみに、価格的にもTONEのシャーレンチはバッテリー充電器が付属してマキタWT001Gと同じような販売価格になると予想しているので、単純に充電式シャーレンチが必要な方はTONE品も十分選択肢に入ると言えそうです。
いつも通りの文言ですが、マキタ充電式シャーレンチを選ぶ利点としては、40Vmaxシリーズを既に持っていたり、ほかの40Vmax製品で使いまわしたい製品があれマキタを選ぶ、な感じになります。
製品名 | WT001G | CSM220 |
---|---|---|
外観 | ||
締付能力 | 高力ボルト:M16, M20, M22 超高力ボルト:M16, M20 |
高力ボルト:M16, M20, M22 超高力ボルト:M16, M20 |
バッテリー | 40Vmax | マルチボルト36V |
最大締付トルク | 804N・m | – |
回転数 | 17min-1 | 17min-1 |
重量 | 5.5kg | 5.5kg |
寸法 | 270×95×340mm | 241×90×340mm |
本体価格 | 352,800円(税別) | オープン価格 |
販売年月 | 2023年09月 | 2022年 |
目立つところの無い40Vmax化だが軽量化は魅力
今回の充電式シャーレンチに関しては、18V×2モデルのWT310Dを40Vmax化した対応に留まっており、製品そのものとしての目新しさはほとんどありません。
スペック的には充電式シャーレンチとして優れている製品であることから、従来充電式モデルや電源コード式の買い替え需要が中心になると予想されます。
とは言え、実用的にはWT310Dでも十分耐えうる仕様とであり、本体価格の高さもあって、壊れたとしても修理によって使い続けられる製品でもあるため、この製品に移行するには10年近い歳月が必要になると考えられます。
ちなみに、WT001Gは、2023年10月時点で店舗への発売はほとんど行われておらず、レンタル事業者に先行して販売が行われている製品のようです。製品単価が高いために初めだけ流通先を制限したのかもしれませんが、マキタは新しい販路開拓を模索している最中なのかもしれません。