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2021年5月26日

パナソニック電動工具 新シリーズ展開「EXENA」始動

パナソニック電動工具 新シリーズ展開「EXENA」始動

パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市)は、2021年5月13日に新たな電動工具シリーズ「EXENA」のティザームービーを公開した。動画内ではP seriesとL seriesの2種類のシリーズ展開による全8種類の新型電動工具の発売を予告している。EXENAブランドの正式発表は2021年6月25日を予定。

パナソニック 新電動工具ブランド「EXENA」

電設資材・電動工具の製造・販売を行うパナソニックライフソリューション社は、2021年5月13日に新たな電動工具ブランド「EXENA」のティザームービーを公開した。

2021年5月時点で公開されているEXENAシリーズの情報はティザーサイトとYouTubeチャンネル上にアップロードされたティザームービー上のみ。詳細情報は2021年6月25日に公開予定。

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新たに展開される2シリーズの電動工具

P series

ティザームービー上で公開されたP seriesシリーズの電動工具は2機種です。

  • インパクトドライバ
  • ドライバドリル

P seriesはプロ向けユーザーをターゲットとした軽量・高出力電動工具です。性能向上のために14.4V互換機能のDual機能を廃し、18V専用機とすることで性能向上を狙っていると推測されます。

L series

L seriesは全6種類の製品ラインナップが予告されています。

  • インパクトドライバ
  • ドライバドリル×2
  • スピーカー(小型ラジオ?)
  • 圧着工具
  • ケーブルカッター

バッテリー形状に新規性が見られ、バッテリーパックが映っているサイズ感から10.8Vバッテリーと推測されます。

EXENAはパナソニック企業体制改革の影響によるものか

ここからは製品ではなく、企業経営体制にフォーカスを当てた話に移ります。

パナソニックの企業体制は、2003年にドメイン制、2013年にカンパニー制を導入し、来年の2022年に持株会社制への移行を予定しています。

現在、パナソニックブランドの電動工具は、パナソニック株式会社ライフソリューションズ(LS)社エナジーシステム事業部が開発・販売を行っています。

(画像クリックで拡大)

持ち株会社移行後のパナソニック電動工具ブランドは、新たに設立される「パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社」に継承されます。

国内電動工具メーカーの新シリーズ展開は近年頻繁に行われていますが、国内電動工具メーカーの場合、新たな電動工具のシリーズ展開が行われると企業本体の経営に関わる大きな変化を伴う特徴があります。

例えば、国内電動工具大手3社もこの数年間の間に新たな電動工具シリーズの展開を行っていますが、そのどれもが新シリーズ展開直後に企業体制や事業戦略の大きな改革が行われています。

  • 日立工機 マルチボルトシリーズ (2017年)
    従来18Vスライドバッテリーに互換性を持たせた36V動作の新バッテリーを軸とする新たな電動工具シリーズ。
    翌年2018年に日立グループを離脱。外資ファンドKKR傘下へ。
  • RYOBI extremeシリーズ (2017年)
    工業デザイナー奥山清行氏とのコラボレーションで始まった新コンセプトの高性能・コンパクト電動工具シリーズ。
    翌年2018年にRYOBI電動工具事業は京セラに売却。
  • マキタ 40Vmax(2019年)
    従来18Vスライドバッテリーとの互換性を廃した新構造の新36Vバッテリーを軸とする新たな電動工具シリーズ。
    翌年2020年に長年続いたマキタエンジン製品の生産終了を表明。今後の園芸機器は全て充電式製品で展開。

今回のパナソニック電動工具の新シリーズ「EXENA」展開の背景に関しても、パナソニック本体の経営事情が影響した結果、新たに展開された電動工具シリーズと推察しています。

パナソニックブランドの電動工具は電気設備品の作業工具の位置づけでしたが、企業体制の変更に伴う競合他社の電動工具事業に匹敵する採算性確保が要求された結果、今回の電動工具ブランド「EXENA」の設立に至ったものと考えられます。

電動工具業界の再編は、2010年代の末に日立工機売却・RYOBI電動工具事業売却を持って一旦落ち着いたと考えていましたが、2020年代に入っても事業参入や事業再編が落ち着く様子が無く、電動工具業界の動乱は今後も続きそうです。

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