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電動工具バッテリーのリチウムイオンバッテリーとニッカド電池の違い

電動工具バッテリーのリチウムイオンバッテリーとニッカド電池の違い

現在、電動工具に使われているバッテリーは大きく分けると、「リチウムイオンバッテリー」と「ニッケルカドミウムバッテリー」の2種類があります。リチウムイオンバッテリーの方が性能が良い、とは知っていても、使い方や特性についてはあまり詳しくない方も多いと思います。電動工具に使われるバッテリーとしては違いがあるのでしょうか。

今回は、電動工具に使われているバッテリーについて解説していきます。

充電できるバッテリー共通の特性

バッテリーと言えばリチウムイオンが代表的ですが、鉛蓄電池やニッケル水素電池などもあります。現在の電動工具に主に使われるのは「リチウムイオン」と「ニッケルカドミウム」です。一部の古い製品には「ニッケル水素」を使った電動工具もありますが、この先新製品として販売されることはほとんどありません。

これらのバッテリーは特性が異なりますが、共通した部分もあります。この特徴は、バッテリーを使う上で非常に基本的なことで、バッテリーを使用するときには守らなければならないものでもあります。

  • バッテリーは充電と放電の繰り返しで劣化する、容量が減ってパワーが下がる
  • 過放電のまま長期保管すると劣化が進行する
  • 過充電や過放電は破損、劣化の原因になる。

バッテリーには必ず寿命があります。バッテリーは充電と放電を繰り返すことでバッテリーの劣化が進み、容量や出力が低下していき、最終的には寿命で使用できなくなります。

バッテリーの容量が減ると電動工具のパワーは落ちる

バッテリーで動く電動工具で気を付けなければならないのが、電動工具のパワーはバッテリーに大きく依存している点です。AC電源で動く電動工具は常に同じ電圧が供給されているため、使用中にパワーの低下は起こりませんが、バッテリーで動作する電動工具はバッテリーの残量に応じてパワーが大きく変動します。

特にバッテリーの残量が無くなる直前などは、18Vのバッテリーであっても16Vくらいまで電圧低下しており、電動工具のパワーは大きく低下して動いてる状態になります。最近の大容量リチウムイオンバッテリーなどは、電圧が低下しても容量がある程度は容量が残っているために作業ができてしまいます。インパクトドライバーなどでは「コーチボルトが入らない」「ボルトが緩まない」などの現象が発生します。

また、劣化したバッテリーを使用することも、電動工具のパワー低下に繋がります。電動工具のカタログスペックは新品のバッテリーを使用した場合であることを覚えておきましょう。

リチウムイオンバッテリー

  • 対応している電動工具の種類がとても多い
  • 軽くて小さくて長持ち、使いやすく充電時間も早い
  • 熱や外傷によって発火、発煙の可能性が高い。

現在、電動工具に一番使われているバッテリーはリチウムイオンバッテリーです。また電動工具に限らず、ノートパソコン、スマホ、電気自動車等全ての製品の主流がリチウムイオンバッテリーです。

継ぎ足し充電OKで柔軟に使える

リチウムイオンバッテリーは継ぎ足し充電してもOKなバッテリーです。

継ぎ足し充電とは、完全に放電しきっていない電池に充電する事で、ニッカド電池やニッケル水素電池でこれを行うと、電池の性能が低下する原因の1つになっています。

リチウムイオンバッテリーは細かな継ぎ足しをしても性能に影響しないので、作業の合間の空いた時間に充電できますし、細かく充電すればバッテリー電圧低下による電動工具の性能が低下も防げます。

容量が大きく軽くて高性能

リチウムイオンバッテリーは、ニッケルカドミウムやニッケル水素と違い、大容量なのに小さくて軽く、高出力なバッテリーです。

これまでのバッテリーと比べると、同じ大きさで倍以上の容量を持っており、出力も高くなっているため長時間作業することができるようになっています。

リチウムイオンに対応した製品数が多い

リチウムイオンバッテリーの登場によって、色々な電動工具がバッテリーで動かせるようになりました。

現在ではコードレスに対応した電動工具は100種類以上あり、中には完全にAC電源を置き換えてしまったものや、バッテリー動作にしか対応していない工具などもあります。

取り扱いには注意!発火や発煙のリスクも

リチウムイオンバッテリーは非常に多くの電気を蓄えられるバッテリーです。

「所詮は電池」と思って軽く考えてはいけません。現在のバッテリーは丸ノコやグラインダーと言った人の手では時間のかかる作業を一瞬で終えられるエネルギーを持っているのです。もしそのエネルギーが、故障や暴走などで一瞬で解放されてしまったら。。。発煙や発火、現場作業の停滞や作業者の怪我など大きな事故に繋がります。

バッテリーには何重もの保護構造が入っており、普通に使用している分にはこのような事故につながることはありませんが、落下衝撃や外的損傷は発火の原因に繋がる可能性があります。「古くなったから」「数をいっぱい持っているから」などで軽く扱わず、バッテリーは丁寧に使用しましょう。

リチウムイオンバッテリーの今後は?

電動工具にリチウムイオンバッテリーが使われ始めたのは2010年くらいからで、2013年頃から容量増加が始まり、2016年まで続きました。現在ではリチウムイオンバッテリーの限界によって容量増加が停滞しているため、電動工具メーカー各社による独自次世代バッテリーの開発が進んでいます。

リチウムイオンバッテリーに代わる新しい次世代充電池については、全個体LiB等を筆頭に、様々な企業、研究機関による開発が進められていますが、現時点までに電動工具に使用できる電池はまだまだ先のようです。市場的には電気自動車の需要の方が大きいため、自動車メーカーに先に供給されるものと推定されます。

リチウムイオンバッテリーは、主に14.4Vと18Vが主流ですが、先述した次世代バッテリーは18Vを基軸に互換性が保たれており、新しく電動工具を購入する場合は18Vがおすすめです。

ニッケルカドミウム

  • 初期の電動工具バッテリーに使われていた
  • 安価で出力が高く今でも安い工具などに使われる
  • メモリー効果があり、継ぎ足し充電に向かない

ニッケルカドミウム電池は、通称ニッカド電池とも呼ばれ、一昔前のコードレス電動工具の主流だったバッテリーです。現在ではプロの現場で使われることはほぼありませんが、価格が安く電池の保護も少なくて済むので一部のDIYモデルなどで使用されています。

コードレスでも非常に安く性能が高い

ニッカド電池の電動工具はバッテリー自体が安いのもありますが、電動工具本体の構造もシンプルにできるため全体的にリチウムイオンより安く販売されています。

バッテリーの容量自体は少ないため作業量はリチウムイオンとは比較することはできませんが、出力が高いため安い電動工具だからといって作業性が悪いわけでもありません。

ニッカド電池はメモリー効果や長期保管に注意

ニッカド電池は継ぎ足し充電に注意する必要があります。継ぎ足し充電をすると、メモリー効果というバッテリーの性能低下が発生し、電動工具の性能が低下する原因になります。

電池を使用していないまま放置すると、充電した電池容量が少しずつ抜けてしまいます。3ヶ月も放置すると完全に放電しきってしまうので、使う前に再充電しなくてはいけません。

ニッカド電池の今後は?

ニッカド電池は安いのが特徴で、一部のDIYモデルや非常に安いノーブランドの電動工具に見られるバッテリーですが、電動工具は全面的にリチウムイオンへの転換が進んでおり、対応している電動工具もドリルとインパクトであり、リチウムイオンとの互換性もなく、一部の電動工具メーカーでは生産終了しているものもあり、新しく電動工具を買う場合においてもあまりオススメできるものではありません。

まとめ|電動工具を買うならリチウムイオン一択

ニッカドはリチウムイオンと比べ、安いのが魅力的なポイントですが、対応している工具が少なく電池としての使い勝手もあまり良くはありません。

最近では、電動工具のバッテリーは工具に使用するだけではなく、災害時の緊急用電源としての活用も注目されているため、せっかくならDIY以外にも幅広く場面で活用したいところです。マキタHiKOKI等の大手有名メーカーのリチウムイオンバッテリーは性能が高くて高価なものですが、最近ではEARTH MANや男前モノタロウ等の安価なブランドも登場しています。

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