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2024年7月7日

投げ込みヒーターとは【工具の特徴・選び方解説】

投げ込みヒーターとは【工具の特徴・選び方解説】

現場で手軽に暖を取れる投げ込みヒーター

製品:フジマック パイプヒーターシリーズ

投げ込みヒーターとはバケツや金属缶に満たした水を温めるヒーターです。電気さえ取れれば水の中にヒーターを投げ込むだけでお湯を沸かせるので、冷えた現場で重宝する製品です。

単純にお湯を沸かすだけのシンプルな製品ですが、用途の幅は広く、火気厳禁の現場での暖取りから缶飲料・冷えてしまったケミカル材の温め直し、屋外でのお湯を使った清掃作業などにも活用できます。

現場の暖として使用する場合、一般的な投げ込みヒーターの発熱量1,000W程度では十分な暖を取ることが難しいので、暖を取るための1つの手段として使用し、暖房ウェアや防寒手袋等を併用した防寒対策を行うようにしましょう。

投げ込みヒーターは水を満たした金属製の缶・バケツに入れて使用する。

手軽に使える分、火災のリスクも高いので注意

投げ込みヒーターは手軽に使える製品故に、火災事例も多く報告されています。

事例としては、投げ込みヒーターを起因とする火災事故だけでも1市町村(例:北海道函館市)だけで5年の間に4件発生しており、現場の火災事例としてはトップクラスに危険性の高い側面も持つ製品です。使用する時は最大限注意しましょう。

投げ込みヒーターによる火災を防ぐための重要なポイントとして、以下の事を必ず守りましょう
・通電前にヒーター部分がきちんと水に浸かっているか確認する
・樹脂製容器は使用しない
・通電中は目を離さない
・使用後は必ず投げ込みヒーターの電源プラグを抜く
・必ずアース端子よりアースを取る
・水以外の液体に使用しない

ガスや液体燃料ほどの発熱量は無いので注意

水を入れた容器を用意するだけでお湯を沸かせる投げ込みヒーターですが、消費電力の高い製品でも1,000W程なので一度に大量のお湯を沸かす用途には向きません。

以前、充電式湯沸かし器についても述べましたが、水を温めるには膨大なエネルギーが必要です。お風呂の湯沸かしに使用する給湯器・風呂釜などは30,000W近い熱出力を持つので短時間で大量のお湯を沸かせますが、投げ込みヒーターはその1/10以下の熱出力しかありません。

ガスや灯油が無い時の非常手段として風呂桶でお湯を沸かすことも可能ですが、お湯が沸くまで数時間近く掛かってしまうので注意しましょう。

目的水温と水温上昇時間の目安
(参考:フジマック投げ込みヒーターカタログ)

・500W投げ込みヒーターの場合

・800W投げ込みヒーターの場合

・1,000W投げ込みヒーターの場合

・例(20リットルの水を1,000Wの投げ込みヒーターで5℃から40度にまで温める場合)
(20×(40-5)÷860)×1.3=1.05時間

この数式は30リットル以下の目安です。数値は参考値なので周囲温度や環境等によって変化します

おすすめの投げ込みヒーター

フジマック パイプヒーター SH-1000S

出力1,000W・30~120度温調機能付きの投げ込みヒーターです。

温度の調節レンジが広いので暖を取る用途からケミカル材の温め用途まで幅広く使用でき、ヒーター部分がステンレスで耐久性にも優れているのが特徴です。

パイプ長470mmのヒーター部分が長めのLモデルもあります。

フジマック パイプヒーター H500-S

出力500W・温調機能無しのシンプルな投げ込みヒーターです。

パイプ長265mmと小型なのが特徴で、ちょっとした湯沸かし用途に使用できるモデルです。

投げ込みヒーターまとめ

投げ込みヒーター

バケツに入れてお湯を沸かせるヒーター

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