VOLTECHNO

ガジェットとモノづくりのニッチな部分を伝えるメディア

2020年11月16日

磁気ボール盤とは

磁気ボール盤とは

磁気ボール盤とは、鋼材に穴を開ける電動工具です。本体底面に内蔵された強力な磁石によって磁気ボール盤本体を固定できるので、資材の移動が難しい大型鋼材や現場での穴あけ作業に使われます。

磁器ボール盤とは、鋼材の穴あけに使う電動工具

磁気ボール盤とは鋼材に穴をあける電動工具です。底面に本体を固定するマグネットを搭載して、磁力で鋼材と工具本体を固定して穴あけを行います。

持ち運べて自由に設置できる可搬性が特徴ですが、H鋼など構造用鋼材への穴あけ作業に使うため、小型の製品でも本体重量約10kg程と重い電動工具です。磁気ボール盤は専用のドリルを使用し、切削能力を高めるための湿式切断に対応しています。

鋼材穴あけを安全・効率的に行う自動穴あけ機能を搭載する製品もあり、位置決めをしたらボタン一つで自動穿孔・リターン機能を持つ自動磁気ボール盤も展開されています。

ボール盤と磁気ボール盤の違い

同じ穴あけ電動工具にボール盤もあります。穴あけの原理もほとんど同じですが、ボール盤と磁気ボール盤は用途が全く異なります。ボール盤は資材を動かして位置決めを行いますが、磁気ボール盤は工具本体を動かして位置決めを行います。鉄構造に使われるH鋼のような重く大きい資材の穴あけ作業では、資材より工具本体を動かした方が作業効率が良く、可搬できる磁気ボール盤が使われます。

普通の電気ドリルでも鋼材への穴あけ作業は出来ますが、10数mmもの穴あけになると荷重での穴あけは作業者への負荷が大きく、スチールコアを使った大きな穴になると手作業での穴あけはほとんど不可能になります。そのため、厚みのある鋼材への大きな穴あけ作業には磁気ボール盤を使います。

自動ライン加工の普及で磁気ボール盤の需要は減少

近年の磁気ボール盤は、取り回しに優れるコンパクトな製品が主流になり、全自動・多機能の磁気ボール盤の需要は減少傾向にあります。

その大きな要因が、大型鋼材加工機の登場や鋼材加工全自動ラインの普及です。

鋼材加工の大きな需要を占める建築物用の鋼材加工は、工場設備での加工が一般化し、磁気ボール盤を含む各鋼材加工工具の需要は大きく減少しました。現在の磁気ボール盤の需要は、現場加工での穴あけや試作品・特注品製造に使われます。

磁気ボール盤の選び方・カタログスペックの見方

磁気ボール盤にはいくつかの種類があるので、特徴に応じた製品を選びます。

現在、建築用鋼材は工場での加工が主流になったため、取り回しに優れる低丈型の磁気ボール盤が主流です。

自動磁気ボール盤

穴あけをボタン1つでドリルを自動送りする機能を搭載しています。背の高い大型の磁気ボール盤なので、天井や壁面に装着した穴あけには使用できない欠点があります。

磁気ドリルスタンド

電気ドリルを磁気ボール盤として使えるドリルスタンドです。電磁石を内蔵しているドリルスタンドなので、手持ちの電気ドリルを鉄工穴あけ作業に有効活用できます。

低丈型

全高が低く、壁や天井に張り付けられるのが低丈型の磁気ボール盤です。磁気ボール盤の中でも持ち運びに優れているので、現場での穴あけ作業に使われます。

主な磁気ボール盤メーカー (メーカー主要製品)

磁気ボール盤を開発・販売する工具メーカーは少なく、現在は日東工器・日立工機(現HiKOKI)・育良精機の3社から販売が行われています。

ここでは、各メーカーの代表的な磁気ボール盤を紹介します。

日東工器 CLO-2725 アトラエース

建築機器や省力化機械工具の製造・販売を行う日東工器が開発する携帯式磁気応用穴あけ機がアトラエースシリーズです。2019年には最新のコードレス磁気ボール盤 CLO-2725を発売しました。

CLO-2725は業界でも珍しいコードレスタイプの磁気ボール盤で、H鋼の内側からの穴あけにも対応できるコンパクトサイズが特徴です。HiKOKIのマルチボルトシリーズと共通のバッテリーを使用するのも特徴で、HiKOKIの18V/マルチボルト36V電動工具と共通して使用できます。

穴あけ能力 ø 10.5~15mm / 最大板厚 16mm
ø 16mm / 最大板厚 25mm
最大錐推力
最小吸着厚板 最大ストローク 40mm
消費電力 回転数
機体寸法 質量 9.0kg

育良精機 ISK-TPB3520 タップアンドボーラー

created by Rinker
育良精機(ikura)
¥331,021 (2020/11/24 15:49:51時点 Amazon調べ-詳細)

自動旋盤や建設・溶接機器の設計・販売を行う育良精機が販売する磁気ボール盤が、タップアンドボーラーシリーズです。

ISK-TPB3520はボーリング・ドリル・タップの3作業に対応できる万能磁気ボール盤で先端ビットのワンタッチ切替でさまざまな作業を1台の磁気ボール盤で対応できます。

低丈型の磁気ボール盤ではライトボーラーシリーズも展開されていて、永久磁石を搭載し、HiKOKI マルチボルトバッテリーに対応するコードレスタイプ ISK-LB30Liも販売されています。

穴あけ能力 ∅5~∅13mm ※注1 深さ 20mm 最大錐推力
最小吸着厚板 最大ストローク 150mm
消費電力 1,010W 回転数 ドリル/ボーリング:550min-1
タップ:150mihn-1
機体寸法 290×145×318mm 質量 9.2kg

日立工機 BM25 磁気ボール盤

created by Rinker
HiKOKI(ハイコーキ)
¥257,004 (2020/11/24 15:49:52時点 Amazon調べ-詳細)

日立工機(現 HiKOKI)の開発・販売する磁気ボール盤がBMシリーズです。

日立工機の磁気ボール盤は建築用鋼材加工需要の減少によって新製品の開発が平成初頭から停滞し、当時販売された製品が定番モデル化して販売が継続されています。大型でモータ出力が高く、自動送り機能を持つ「Y」モデルや、低丈型の「M」モデルも展開されているのも特徴です。

穴あけ能力 φ25mm 最大錐推力 7.65kN (780kgf)
最小吸着厚板 最大ストローク 250mm
消費電力 1,330W 回転数 42min-1
機体寸法 質量 34.0kg
Return Top