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2024年4月13日

MATECH Sonicharge Flat 65W USB PD充電器レビュー、薄型コンパクトサイズの決定版

MATECH Sonicharge Flat 65W USB PD充電器レビュー、薄型コンパクトサイズの決定版

スマートフォン・タブレット関連製品の企画開発を行うMATECH株式会社(本社:京都府京都市)は、2022年4月27日、窒化ガリウム(GaN)半導体を用いた小型Type-C充電器の新世代製品、薄型軽量の65W出力モデル「MATEH Sonicharge Flat 65W」を発売する。Amazon.co.jpで本体価格5,200円で販売。

本記事は、MATECH株式会社よりレビュー用サンプル品の提供を受けて構成しております。

MATECH Sonicharge Flat 65W USB PD充電器

京都を拠点とする日本発のクリエイティブブランド MATECH(マテック)株式会社は2022年4月27日に、USB PD充電器の薄型、軽量の65W出力モデル Sonicharge Flat 65Wを発売しました。

Sonicharge Flat 65Wは、最大65WのUSB PD出力仕様を備えた2口USB充電器です。MacBook ProやThinkPadなどのUSB PD対応ノートパソコンを充電しながら、Type-Aポートも搭載しモバイルガジェットの充電にも対応します。

厚さ15.5mmの薄型サイズで使い勝手も良く、折りたたみ式プラグの採用によってミントタブレットケースのようにバッグやズボンのポケットに入れて気軽に持ち運ぶことができます。家の中はもちろん、外出時でもパワフルに活躍します。

USB PD60W給電に対応する長さ2mのケーブルも付属しており、製品購入後すぐに使用できます。

Sonicharge Flat 65W製品仕様

製品名 Sonicharge Flat 65W
外観
ポート構成 Type-C×1
Type-A×1
Type-C 出力規格 PD3.0、PPS、QC2.0、QC3.0、FCP、AFC、AP2.4、BC1.2 (PPS3.3)
Type-C 出力 最大65W(Type-C + Type-Cは45W + 18Wの電力配分)
Type-A出力規格 Apple2.4A, QC3.0 (Class B), SCP, AFC, FCP, BC1.2
Type-A出力 最大18W
入力電圧 100~240V 50/60Hz
重量 134g
寸法 90×48×15.5mm
販売元 MATECH(マテック)株式会社
定価 5,200円(2022年2月22日時点)
販売年月 2022年4月

Sonicharge Flat 65Wレビュー
「薄型フラット形状の2口USB PD搭載充電器」

Sonicharge Flat 65Wは薄型形状のUSB PD充電器です。

本体底面にType-Cポート×1, Type-Aポート×1を備え、最大65Wの給電仕様を搭載しています。標準付属で2mのUSB Type-Cケーブルガ付属しているのも嬉しいところ。

プラグ部分を折り畳むとこんな感じ。この状態だと厚さ15.5mmになるので、バッグの中のインナーポケットに入れても邪魔になりません。

最近はUSB PD充電のノートパソコンも増えているので、ACアダプタの代わりにSonicharge Flat 65Wを使えば、標準付属の大きなACアダプタともおさらばです。ただし給電能力は若干低いので、使い方によってはパソコン内部のバッテリーが放電してしまうものの、外出時での一時的な使用などであれば問題ありません。

パワールールは規格準拠、PPS動作時の出力は低め

Sonicharge Flat 65Wの給電仕様を確認します。裏側ラベルの記載はこんな感じです。

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昨今はUSBチャージャICも汎用化が進んでいるので、変な挙動のUSB充電器も見かけなくなりましたが、一応確認しておきます。USBチェッカーにはAVHzY CT-3を使用します。

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USB PDポートの急速充電リストを確認した結果はこちら。こちらも一般的な規格にほぼ対応しています。

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USB PDのPDOはこんな感じ。USB PDパワーレールが求める60WのPDOを全て満たしています。ただしPPSは11.0V仕様なので、Fixedの約半分しか活かせていないのは少し残念です。

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最大負荷時の温度上昇は30℃程

60W放電時の表面温度上昇を測定してみると、室温から+30℃程度の温度上昇で安定しました。

実際に触ってみると少し熱く感じますが、夏場で使用する場合でもこのくらいの温度上昇なら問題は無さそうです。

付属のUSB Type-Cケーブルには少し難あり

少し残念なのが、付属のUSB Cケーブルでしょうか。

付属のケーブルを使用して20V-3A放電を行うと機器側の給電電圧は19Vを割ってしまった。これが大きな問題になることはなさそうだが、充電速度などには影響するかもしれない。
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写真はUSB PDで20Vを要求して最大負荷の3A放電を行っているところですが、付属の2mケーブルを使用すると電圧降下によって約1.3Vの電圧降下が発生し、端子側の給電電圧19Vを下回ってしまう程になります。

こちらは5A給電対応の1mケーブルで3A放電を行っているところ、元の給電電圧が低いものの、電圧降下量は抑えられている。
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標準付属のケーブルながら柔らかくて使いやすくはあるのですが、ケーブル長2mで3A給電を行うには若干心もとないので、電圧降下を気にする方は別売の太めのケーブルを使用した方が良いかもしれません。

細かい所に留意点はあるが、実使用で最適解に近いUSB PD充電器

個人的な評価として、今回のMATECH Sonicharge Flat 65Wは手持ちのUSB PD充電器の中で一番気に入っている製品です。

単純に小さくて取り回しが良く、必要とする出力仕様とポートを最低限満たしているので、持ち運び用のUSB PD充電器としては自分の中で最も正解に近い形の製品仕様を備えていることが高得点です。

これまではノートパソコンのACアダプタを含めてUSB充電器まで入れてしまうとカバンの中が煩雑になっていたのですが、僅か2本のケーブルで済むようになったのはまさに「快適」の一言です。

USB給電においては行儀の悪い使い方ではあるのですが、3in1 USB充電ケーブルも合わせて使うと、ノートパソコンの充電を行いながらiPhone・TWSイヤホン・ワイヤレスマウスの4デバイスを同時に充電できるので、最低限のPC作業環境を持って外出する場合にも対応できます。

USB給電仕様の細かい部分に目を付けてしまうと、「USB PD20V給電時の電圧が低い」「付属ケーブルの内部抵抗が高め」「PPSの供給電圧が低い」などがあるものの、これらがトラブルになる例はほとんど無いと考えられ、実運用で問題となることも極めて稀と言えます。

薄型のフラットボディはカバンのインナーポケットにもすっぽり収まります。家で使うメインの充電器としては少し性能不足ではあるものの、外出先で使用するUSB充電器としては現状No1のUSB PD充電器と評価できるでしょう。

筆者の外出作業時のラップトップデバイス一式。全てのデバイスが充電できるのでこのポート構成と薄さは有難い。給電仕様は65Wと物足りないが、外出先での使用やホテルで寝ているうちに満充電するくらいなら全く問題なく使用できている。

Sonicharge Flat 65Wまとめ

MATECH Sonicharge Flat 65W

VOLTECHNO製品評価 5 out of 5 stars (5 / 5)

USB PD60W対応の薄型充電器

良い点
  • 薄くて取り回しが良い
  • USB PD 60W出力に対応
  • Type-Aポートを搭載
悪い点
  • PPS出力仕様が低い
  • 付属ケーブルの電圧降下が大きい

比較されるUSB充電器

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