工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からスライド10.8VコードレスインパクトドライバWH12DCAを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。小型サイズの10.8Vバッテリーを備えながらトリプルハンマを備えネジ締め速度が大幅に向上する。本体希望小売価格は23,800円(税別)
目次
HiKOKI コードレスインパクトドライバ WH12DCA
HiKOKIは、2022年8月31日(水)からスライド10.8Vコードレスインパクトドライバ WH12DCAを発売します。
WH12DCAは、スライド10.8Vバッテリーモデルで初のトリプルハンマを採用したインパクトドライバです。これにより、従来製品(WH 12DD)と比べてねじ締め速度が約33% と大幅に速くなりました。ヘッドの長さも114mm とコンパクトになり、質量が1.2kg(BSL1240M装着時)と軽量なので、取り回し性に優れています。
低速でもモーターロックしない制御を採用したほか、ビット振れ軽減やスイッチの操作性向上など、使いやすさも向上しています。
販売仕様は、バッテリー充電器が付属する(2LS)と本体のみの(NN)で展開します。
- WH12DCA(2LS) バッテリーBSL1240M×2・充電器UC12SL・ケース付属 希望小売価格39,300円(税抜)
- WH12DCA(NN) 本体のみ 希望小売価格23,800円(税抜)
製品仕様 (前機種 WH12DD比較)
製品名 | WH12DCA | WH12DD |
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外観 | ||
能力 | 小ねじ:4〜8 mm テクスネジ:3.5〜6 mm 普通ボルト:M5〜M16 高力ボルト:M5〜M12 コーススレッド:22〜125 mm |
小ねじ:4〜8 mm テクスネジ:3.5〜5 mm 普通ボルト:M5〜M14 高力ボルト:M5〜M12 |
最大締付トルク | 170N・m (M16高力ボルト) |
135N・m (M14高力ボルト) |
無負荷回転数 | 0〜3,700 min -1 | 0〜3,200 min -1 |
打撃数 | 0〜3,900 min -1 | 0〜4,000 min -1 |
バッテリー | スライド10.8V | |
重量 | 1.2kg | 1.1kg |
寸法 | 114×223×29 mm | 134×219×28.5 mm |
本体価格 | 23,800円(税別) | 19,000円(税別) |
販売年月 | 2022年08月 | 2018年11月 |
製品の特徴
「10.8Vインパクトで170N・mの最大締付トルク」
WH12DCAは、HiKOKIフラッグシップインパクトドライバに搭載されるトリプルハンマ機構を採用し、ねじ締め速度を大きく向上した10.8Vコードレスのインパクトドライバです。
ネジ締め時間は、従来モデル WH12DDから約33%高速化しており、最大締付トルクは170N・mを実現しています。
低速でもモーターがロックしない新制御を搭載
インパクトドライバは、モーターの始動トルクが低い状態で負荷をかけていると打撃できずにモーターロックで停止してしまいますが、今回のWH12DCAでは、低速時でもモーターがロックしない新たな制御を搭載しています。
10.8V電動工具としては最高性能のインパクト
今回のWH12DCAは、10.8Vバッテリー仕様のインパクトドライバとしては最も高い締付性能を持つコードレスインパクトドライバです。
小型サイズの170N・mモデルは市場に前例がなく、手軽さと締結速度を必要としていたユーザーの方にとっては魅力的なインパクトドライバに仕上がっている印象を受けており、インパクトドライバ市場の新たな市場需要が生まれるかどうかの試金石になり得るモデルと言えるでしょう。
ただし製品的には優れたモデルではあるものの、運用する際に懸念すべき点が2点あります。
1点目は、市場の本体販売価格が36VモデルのWH36DCよりも高く設定されている点。2点目が、HiKOKI スライド10.8Vシリーズの製品ラインナップ数が展開開始して5年経過して尚未だ乏しい点です。
コードレス電動工具はバッテリープラットフォームに強く依存する製品であり、昨今は職人不足によって作業者1人あたりの工具使用本数も増えていくと見られています1。製品的には優秀ではあるものの、プラットフォームとして対応する製品が少ないと結局は他電圧シリーズや他社シリーズの製品を使わざる状況にならざるを得ないため、本機を起点とした10.8Vシリーズの拡充に期待したいところです。