電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年1月に充電式インパクトドライバ TD173Dを発売する。フラッグシップモデルの18Vインパクトドライバで重心配置の見直しや後方操作パネル・リング型の全周発光LEDライトを搭載する。希望小売本体価格は29,700円(税抜)
目次
マキタ 充電式インパクトドライバ TD173D
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年1月に充電式インパクトドライバ TD173Dを発売します。
TD173Dは、18V充電式インパクトドライバの新型フラッグシップモデルです。
バッテリ配置を後方オフセットした重心位置の最適化と操作パネルの後方配置による操作性の向上など、ユーザーの使いやすさを向上したモデルです。国内初の全周リング発光LEDライトを採用し従来比2.5倍の明るさを実現しています。
カラー展開は通常色では青・黒・オリーブの3色、限定色でフレッシュイエローとオーセンティックパープルで展開します。
販売仕様は、バッテリ充電器付属のTD173DRGXとバッテリ付属のTD173DX、本体のみTD173DZの3仕様で販売します。
- TD173DRGX(ブルー) バッテリBL1860B×2本・充電器DC18DF・ケース付属 希望小売価格83,000円(税抜)
- TD173DRGXB(ブラック) バッテリBL1860B×2本・充電器DC18DF・ケース付属 希望小売価格83,000円(税抜)
- TD173DRGXO(オリーブ) バッテリBL1860B×2本・充電器DC18DF・ケース付属 希望小売価格83,000円(税抜)
- TD173DGXFY(イエロー) バッテリBL1860B×2本・充電器DC18DF・ケース付属 希望小売価格83,000円(税抜)
- TD173DGXAP(パープル) バッテリBL1860B×2本・充電器DC18DF・ケース付属 希望小売価格83,000円(税抜)
- TD173DX(ブルー) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格74,500円(税抜)
- TD173DXB(ブラック) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格74,500円(税抜)
- TD173DXO(オリーブ) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格74,500円(税抜)
- TD173DXFY(イエロー) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格74,500円(税抜)
- TD173DXAP(パープル) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格74,500円(税抜)
- TD173DZ(ブルー) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格74,500円(税抜)
- TD173DZB(ブラック) 本体のみ 希望小売価格29,700円(税抜)
- TD173DZO(オリーブ) バッテリBL1860B×2本・ケース付属 希望小売価格29,700円(税抜)
- TD173DZFY(イエロー) 本体のみ 希望小売価格29,700円(税抜)
- TD173DZAP(パープル) 本体のみ 希望小売価格29,700円(税抜)
製品仕様 (前モデル TD172D比較)
製品名 | TD173D | TD172D |
---|---|---|
外観 | ||
能力 | 小ねじ:M4~M8 普通ボルト:M5~M16 高力ボルト:M5~M14 コーススレッド:22~125mm |
|
最大締付トルク | 180N・m | |
無負荷回転数 | 3,600min-1 | |
打撃数 | 3,800min-1 | |
LED構成 | リングLED | 左右2灯 |
1充電作業量 | 18V | |
重量 | 1.5kg | 1.5kg |
寸法 | 111×81×234mm | 114×81×236mm |
本体価格 | 29,700円(税抜) | 24,400円(税別) |
販売年月 | 2023年1月 | 2021年1月 |
製品の特徴
「バッテリ後方配置で作業しやすさを向上」
バッテリ配置を従来機より後方にオフセットさせ、重心位置をグリップ側に寄せることで全方向に対してバランスよく締め付けを行うことができるとともに、作業時における障害物との干渉を低減しています。
操作パネルが後方配置で作業中の見やすさがアップ
TD173Dではモード切替の表示・切替パネルを作業者側に配置、作業しながらのモード変更が行いやすくなりました。
リング型の全周発光LEDライトを搭載
国内の充電式インパクトドライバとして初となる全周タイプのリング発光LEDライトを採用。従来モデル比で2.5倍の明るさを実現しておりビットの影を無くすことができ暗所作業における作業性を向上しています。
3段階の照度切り替え機能とライトモードの搭載によりワークライトとしても使用できます。
新トリガスイッチの採用
低速域から高速域まで、直感的なトリガ操作が可能な新トリガスイッチを採用。
残念ながら14.4Vモデルは終了へ
これまでマキタの18V充電式インパクトドライバ フラッグシップモデルの発売時には14.4Vモデルも同時発売していましたが、残念ながらで今回のフラッグシップモデルで14.4Vモデル展開は打ち切られてしまったようです。
今回のバッテリーを下げた構造変更に関しては、14.4Vバッテリーの先端出っ張りがない構造に配慮した結果、重心が変わってしまったものであり、使い勝手と言うよりは14.4Vユーザー配慮の面もあったのではないかと憶測しています。
ちなみに最近の14.4Vモデル新製品展開については、2021年発売のTD162Dが最後だったはずなので(18V両対応モデルは除く)、今後の他製品における14.4Vモデルの展開についても望み薄になると予想されます。
付加価値は増えているが、基本的な性能は変わらないことに留意
今回の充電式インパクトドライバに関しては、付加価値部分を中心としたマイナーチェンジモデルであり、基本的な性能における違いはほとんど無い点に注意が必要です。
マキタの方針的に18Vクラスのインパクトドライバは使い勝手を重視した方向に寄せたいようで、高出力用途を歩む40Vmaxモデルとは別方向のシリーズにしたい意図を感じます。今回のTD173Dに対しては、隅打ち性能や重心位置を重視しているので、造作や内装作業向けに使ってもらいたいモデルなのだと捉えています。
使い勝手の部分については重心変更や操作パネルなど従来モデルから大きく変わっているものの、実際に手に持ってみたところ、意外としっくりきたので使い勝手も意外と悪くないのではないかと思っています。TD170DやTD171Dを使っているユーザーの方でしたらハンマ・アンビルの摩耗も進んでいる頃でしょうから、買い替え検討には良いタイミングかもしれません。
とは言え、基本的な性能に大きな違いが無いのに標準小売価格で5,000円の値上げが入っているので、これまでのインパクトドライバの価格を考えてしまうと少し高い印象をうけてしまうかもしれません。
前モデル TD172Dの時も述べていますが、フラッグシップモデルにおける充電式インパクトドライバの性能はほとんど頭打ちの状態であり、現状において性能や使い勝手の大きな進歩はほとんど望めない製品となっています。
フラッグシップモデルのインパクトドライバに関しては、電動工具プロユーザーが必ずと言えるほど持っている製品であり、新作を出せばほぼ全てのユーザーが注目する製品です。ほかの電動工具と若干ポジションが異なる位置にある充電式インパクトドライバは、車やスマホのような季節ごとにモデルチェンジを行うタイプの製品カテゴリになりつつあります。
個人的な推測としては、次世代二次電池や革新的なモータ技術が登場するまでこの傾向は続き、今後も細かなマイナーチェンジや高付加価値を重視したインパクトドライバの投入が2年単位で続くのだろうと予想しています。
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