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ホンダ モバイルパワーパック e:の活用事例をイベントで展示
ホンダは、3月15日から17日まで東京ビッグサイト(会場:東京都江東区 2023年3月19日~21日) で開催されるスマートエネルギーWeek[春] 2023内の国際スマートグリッドEXPOで着脱式可搬バッテリー Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック) の活用事例を展示しました。
ホンダモバイルパワーパックは、さまざまな電動モビリティ/機器の動力源として活用が可能な1.3kWh以上の大容量電力を貯蔵するリチウムイオンバッテリーです。
今回のレポートでは、ホンダブース内で展示された着脱式可搬バッテリー Mobile Power Packの製品例やコンセプトモデル、協業各社の活用例についてレポートします。
多彩な充電式製品が実現可能に!モバイルパワーパックの展開力
ホンダ PowerPod(ポタ電)
モバイルパワーパックの充電/給電器のプロトタイプ。
モバイルパワーパックから電力を取り出し、非常時の電源や家庭内・屋外での電源として利用できる。また、2台を並列運転することで、より長時間の電力を得ることができる。
ホンダ 電動耕うん機
モバイルパワーパックを動力源とする、電動耕うん機のコンセプトモデル。
電動ならではの簡単始動、ゼロエミッションに加え、高いトルク性能による優れた作業性を発揮する。
三笠産業 電動バイブレーションローラ
小型建設機械総合メーカーの三笠産業のバイブレーションローラのコンセプトモデルが展示されていました。
エンジンモデルのMRH-503DS-SSをベースとしたもでるで、ホンダモバイルパワーパック2個直列装着よって必要な出力を確保しており工事現場のゼロエミッションを実現します。
デンソー 農業用自動収穫機
秋田版スマート農業モデル創出事業に使われた大玉トマト収穫ロボットのコンセプトモデルの自動収穫機です。
LiDERによる位置検出とAIカメラによって成熟したトマトの位置を認識し、ロボットアーム部に装着した専用ハサミで収穫箱に運搬します。
昼夜連続稼働にも対応しており、労働時間削減や働きやすい環境づくりに貢献するロボットとして期待されます。
デンソー 自動化プラットフォームDX-CELL
デンソーが開発したのは工場ライン向けの充電式ロボットプラットフォームDX-CELLです。
充電式モデルによって自動化ラインを素早く構築することが可能になり、試作・単品評価の生産ライン構築や多品種生産までフレキシブルな生産ラインの構成に対応できるようになります。
デンヨー スプリットライト投光器 PL-241SLB
デンヨーが開発したのは最大光束22,000lmの充電式投光器 PL-241LSBです。
ホンダモバイルパワーパック2個装着によって最大10時間の連続点灯が可能になっており、光束量と点灯時間のバランスにおいては確認出来る限り、最も長く周囲を照らせる充電式投光器です。
ちなみに本機は既に一般販売も行われており、デンヨー営業所に問い合わせれば購入も可能なようです(定価 : 2,300,000円)
コマツ 電動マイクロショベル
建設機械の最大手 コマツが開発したのが電動マイクロショベル PC05E-1プロトタイプモデルです。
同社のマイクロショベル PC05にホンダモバイルパワーパックと電動パワーユニットを内蔵したモデルで、小規模な土木・建築工事やガス・電気・宅内販管工事などに対応します。
ホンダ パワーパックチャージャー
モバイルパワーパック専用充電器のプロトタイプ。
置くだけで充電が開始され、満充電で自動的に充電を終了するシンプルな作りの充電器。多段の棚に並べて使用することを想定した横挿し設計としている。
ホンダ パワーパックエクスチャージャー
複数のモバイルパワーパックを同時に充電し、スムーズな交換・利用を可能とするバッテリー交換ステーション。
街中に設置することで、必要な時に充電済みバッテリーに交換でき、充電時間を待つことなく、効率よく電動モビリティを利用することを可能とする。
国内産業機械の脱エンジン化 最有力候補とも言えるか
ホンダのモバイルパワーパックはビジネスモビリティ分野を中心に展開するバッテリーパックです。2018年頃から始まり、海外地域での検証から始まったバッテリープラットフォームでしたが、現在では建機業界でも無視できないほどの存在感を示す汎用的なバッテリープラットフォームになっています。
その最大の特長は、バッテリープラットフォームの展開だけではなく、そのバッテリーに対応するパワーユニット”eGX”も提供している点にあると考えられます。
リチウムイオンバッテリーやモータ開発の経験がないメーカーであっても、バッテリーと一緒にパワーユニットを搭載することで電動化への対応が容易になります。脱エンジンの市場環境が広がる中、ホンダはエンジンに代わる新たな動力プラットフォームを提供することによって、全く新しい充電式バッテリーの経済圏を構築していくのかもしれません。