園芸機械を製造・販売するカーツ株式会社(本社:岡山県岡山市)は、2023年6月にロータリーバルブ4サイクルエンジン刈払機を発売する。カーツ独自開発による“Core Valve System”を搭載し25ccクラスながらも4スト30ccクラスに勝る性能を実現する。2023年4月から初回限定予約受付を開始し希望小売価格は113,000円(税抜)
目次
KAAZ Purple Monster VT840刈払機
園芸機械を製造・販売するカーツ株式会社は、2023年6月にPurple Monster VT840刈払機を発売します。
Purple Monsterは、カーツ独自開発の“Core Valve System”ロータリーバルブ4サイクル CK1エンジンを搭載する高回転・高出力エンジン刈払機です。
排気量25.4ccの4サイクルエンジンながらも30ccクラスよりも高いパワーを持ち、重量出力比は2サイクルエンジン波で燃費は従来の4サイクルエンジンを凌ぐ性能を実現しています。
販売開始は2023年6月からで、2023年4月からカーツ販売店経由で初回限定予約受付を開始します。
- VT840 本体のみ 希望小売価格113,000円(税抜)
製品仕様
製品名 | VT840 |
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外観 | |
エンジン | CK1 25.4cc |
エンジン仕様 | ロータリーバルブ4ストローク |
最大出力 | 1.2kW/9,500rpm |
使用燃料 | 混合ガソリン50:1 |
重量 | 8.6kg |
寸法 | 182×64×49cm |
本体価格 | 113,000円(税別) |
販売年月 | 2023年06月 |
製品の特徴
「世界初ロータリーバルブ4サイクルエンジン CK1搭載モデル」
Purple Monsterは、カーツ独自開発のロータリーバルブ4サイクル CK1を搭載するエンジン刈払機です。
CK1エンジンはロータリーバルブの搭載によって同排気量のエンジンよりも高いパワーを持ち、従来4ストロークエンジンの欠点である「低回転」「高重量」を解決するにとどまらず、2ストロークエンジンよりも「高回転」「高出力」を実現しているのが特徴です。
CK1エンジンを搭載するPurple Monsterは、8,000~9,000回転で高くフラットなパワーを持ち回転落ちがしにくいので、ナイロンカッターでも使いやすく安定した刈払い作業を可能にしています。
電動化の潮流は止まらないが、エンジンの強みを活かす方法は確実に存在する
今回のPurple Monsterは個人的にも注目していた製品であり、発売予告から数年たって満を期して発売に至った製品です。前評判を知を知る農業従事者の方は、真っ先に注文するのではないでしょうか。
ちなみにエンジン的には4ストロークに位置する構造ですが、タペット式のバルブと異なりロータリーバルブを搭載しているためか、燃料に混合燃料などを必要とする点にも注意が必要となります。
筆者はエンジン関連の技術者ではないため技術的な詳細について言及できませんが、カーツが発信する公式動画や試作品のユーザーレビューなどを見ていると、従来のエンジン式刈払機を一新するような性能を秘めていると予想される製品です。電動化の進む園芸機器市場ですが、電動式ではパワーの足りない用途において革新的なモデルになると期待しています。
現在、カーボンニュートラルや排ガス規制の潮流は加速を続けており、その解決方法として電動化・バッテリーの推進が世界的に進められています。バッテリー化は環境問題に対する一つの答えではあるものの、バッテリーメーカーに強く依存することによる調達リスクやプラットフォーム化に伴う先行企業・スケールメリット有利の状況も生まれやすく、企業的に見て必ずしも良い点とは言い難い段階にあります。
そんな中、カーツの取り組みは安易なバッテリー化による解決でレッドオーシャンに飛び込むことは避け、あくまでもエンジンによって解決する方針を掲げており、自社の技術開発によって課題解決を図る取り組みは、ほかの企業にはない唯一の強みとして評価できる企業だと考えています。
まとめ
KAAZ Purple Monster VT840
VOLTECHNO製品評価 (4.5 / 5)
- 排気量25ccで2スト40ccに迫る仕様
- 高回転域で安定したパワー
- 混合燃料が必要