
本記事は、レビュー用サンプル品の提供を受けて構成しております。
目次
EMEET 4K+AIウェブカメラ PIXY
今回レビューする製品は、映像機器ブランド EMEETの4K+AIウェブカメラ PIXYです。

EMEET PIXYはパソコンやゲーム機に接続するウェブカメラです。
4KイメージングカメラとAI補助カメラのデュアルカメラ構成を搭載しており、ソニー製センサーによる4K/30FPSおよび1080p/60FPF対応カメラと自動追尾と0.2秒フォーカスターゲッティングに対応する先進AIの2種カメラの搭載によって、ウェブ会議と言ったオフィス用途から配信まで幅広い作業に対応します。
さらにカメラ内部に3つのマイクアレイを搭載を搭載しており、AIノイズキャンセリング対応によって使用シーンに合わせて最適な音質を選択可能です。
- EMEET PIXY 公式サイト価格 25,980円(税抜)
EMEET PIXY 製品仕様
| 製品名 | EMEET PIXY |
|---|---|
| 外観 | ![]() |
| カメラ | デュアルカメラ(イメージングカメラ+AI補助カメラ) |
| センサー | ソニー製 1/2.55インチイメージングセンサー |
| ビデオ解像度 | 最高3840×2160@30FPS |
| ビデオコーデック形式 | MJPEG, YUY2 |
| 絞り値 | F/1.8 |
| 視野角 | 73° |
| マイク | 3マイクアレイ(AIノイズキャンセリング対応) |
| 音声モード | ライブモード ノイズキャンセリングモード 原音モード |
| ジンバル調整範囲 | パン:±155° (310°) チルト: ±90° (180°) |
| 接続方法 | Type-Cケーブル |
| 互換性 | Windows 10 以降 (64 ビット OS) macOS (10.14以降) ※ARMアーキテクチャベースのWindowsシステムは非対応 |
| 公式ソフト | EMEET STUDIO |
| 本体サイズ | 56×43×22mm |
| 本体重量 | 公称値:120±5g |
EMEET PIXYの設置シーン
EMEET PIXYは、パソコンに接続するウェブカメラです。一般的な外付けのウェブカメラと同じく、ディスプレイの上部にカメラを装着して使用する製品ですがPIXYはカメラを2つ搭載する特徴的なウェブカメラとなっています。
PIXYは4KイメージングカメラとAI補助カメラの2種のカメラを搭載しており、ミニロボットのような外見になっているのが特徴です

パン:±155°(310°)、チルト:±90°(180°)の可動域を搭載による角度の調整が可能で、AI機能を有効にすれば使えば人の動きを認識して自動的に画面中央に追従させることも可能です。

モニター上部に設置したEMEET PIXYの背面です。クリップ式のマウントでベゼルの薄いディスプレイにも安定して固定でき、角度調整用のヒンジを調節できる機能がありましたコンパクトに収まっています。背面中央にはUSB-C端子が配置されています。

モニター上に載せたEMEET PIXYを斜め後ろから見て、台座部分はヒンジを前後に大きくチルトした状態です。ディスプレイサイズに合わせて角度を調整しつつ、設置スタイルも細かく追い込めます。

本体底面には、一般的なカメラと同じ「1/4インチのネジ穴」が備えられており、付属のクランプだけでなくカメラ用の三脚やアクセサリにもそのまま取り付けできます。

標準付属のマウントは薄型ディスプレイにも装着可能


MacBook Airのような薄いディスプレイでも、EMEET PIXYは付属クリップでしっかり固定できます。
クランプ部の当たり面が広く、開口も深いので、極薄ベゼルのノートPCでもガタつきやぐらつきは気になりません。画面に干渉しない高さにカメラが位置するため、ノートPC単体のオンライン会議用ウェブカメラとしても違和感なく使えます。
下を向ければ自動OFF、セキュリティ性も確保

EMEET PIXYは、カメラヘッドを下向きに倒すと自動的にカメラ機能がオフになる仕組みを備えています。
ソフト側の設定を開かなくても、手でくるっと下に向けるだけで配信を止められるので、席を外すときやちょっと画面外で作業したいときも素早くプライバシーを確保できます。

ジェスチャーコントロールで自動追尾モード

EMEET PIXYには、手の動きだけでカメラを操作できるジェスチャーモードが用意されています。カメラに向かって開いた手のひらを数秒見せるとジェスチャーを認識し、AIトラッキングのオン/オフやフレーミングの切り替えを行えます。
配信中にマウスやキーボードへ手を伸ばす必要がないため、フィットネスやダンスのような画面の前で大きく動き回るシーンでも自然な流れのまま画角をコントロールできるのが魅力です。

専用ソフト EMEET STUDIOで細かい設定が可能
EMEET PIXYはそのままの状態でもプライバシーモードや自動追尾モードへ切り替えられますが、専用ソフト EMEET STUDIOを使えばより細かい設定が可能になります。

コントロールでは、カメラ位置や搭載マイクのノイズキャンセリングの調整などができます。PTZコントロールでカメラの向きやズームを調整し、よく使う構図を「初期位置」やNo.1~No.3として登録してワンタッチで呼び出せます。
その下には、用途にあわせて選べる複数のオーディオモードが並んでおり、会議向け・配信向けなどを簡単に切り替え可能です。
また、標準の状態では解像度が1080Pに設定されていますが、EMEET STUDIOで設定値を変えると最大4K 30FPSの解像度での配信が可能になります。

EMEET STUDIOの「エフェクト」タブでは、映像の画質を細かく追い込めます。
明るさ・コントラスト・シャープネス・彩度・色相といった基本パラメータに加え、EV補正やISO、ホワイトバランスも個別に調整できるため、室内照明や日中・夜間など環境に合わせた設定ができます。上下/左右反転や照明の50Hz・60Hzのアンチフリッカー設定もここから行えるので、蛍光灯のチラつき対策やミラー表示のオン/オフもワンクリックで切り替えられます。

「アシスタント」タブ。フォーカス/測光モードを切り替えたり、AFのオン/オフと合焦位置をスライダーで微調整したりと、ピント合わせを細かく制御できます。
ほかにも、一定時間映像に動きがないと自動的にカメラをオフにする「自動プライバシーモード」のタイマー設定(10秒/1分/15分/なし)があり、席を外したときの映りっぱなしを防げます。さらに、ジェスチャーコントロールの有効/無効や、カメラを逆さ向きで設置した際に映像を自動回転させるオプションもここからまとめて設定できます。

配信専用のAIスプリクト生成機能を搭載、動画撮影の構図ネタ出しにも
EMEET STUDIOの少し面白い機能がスプリクト生成機能です。

このスクリプト生成機能は、動画の台本とカメラワークを自動で組み立ててくれるツールです。
どんな内容を撮りたいかを入力するだけで、ショットごとの構成案まで出してくれるので、配信やYouTube動画を作るときの“絵コンテ兼台本”として使えます。カメラと連動した機能ではないものの、「何から撮り始めればいいか分からない」や「構成案とセリフを考えるのがひと手間」な方にもたたき台の素案として面白い機能です。
ユーザーの声を反映した製品ではあるのだが…
EMEET PIXYを一言で表すと「機能最先端のウェブカメラ」ではないでしょうか。
実際に使ってみないと分かり難いのですが、個人的に高評価なのがオートフォーカスの速さです。最近のウェブカメラは高性能になっていて顔にピントを合わせるのは得意なのですが、それ以外のモノのフォーカスの合わせは苦手な印象があります。PIXYはウェブ会議などの打ち合わせなどで部品や試作品をサッとレンズの前に出しただけで素早くピントが合うので、設計レビューの場のような「モノを見せながら話す」用途で強みがあると感じています。
価格帯としては一般的なウェブカメラよりワンランク上であり、4K対応の画質やマイク性能など基本部分はきっちり押さえた製品となっています。その上で電動パン・チルトやAIトラッキング、ジェスチャー操作まで載っているので、トータルで見るとコストパフォーマンスとしては優れている製品の印象です。
面白いのは、配信まわりの機能がかなり攻めていることでしょうか。机の前に座ってしゃべるだけでなく、ダンス配信やカードゲーム配信、DIYの手元撮影など、動きのあるシーンにも対応できるコンセプトとなっており。AIが自動でフレーミングしてくれるので、ひとり配信でも画角調整にそれほど気を使わなくて済みます。
あとは専用ソフトのEMEET STUDIOが結構強力なソフトであり、エフェクト周りの自由度の比較的高いのでカメラの性能と合わせれば実際の配信作業で困ることはほとんど無いのではないかと思います。さらに、PC以外ではNintendo Switch 2にも対応しており、ゲーム実況用のカメラとしてもそのまま流用できるのも大きなメリットです。
オンライン会議、製造現場での打ち合わせ、趣味の配信、ゲーム実況──こうした用途を1台でまかなえるウェブカメラを探しているなら、EMEET PIXYは十分検討に値するモデルだと感じます。
残念な点としては、IR(赤外線)カメラ搭載ではないためWindows Helloなどの顔認証カメラとしては使用できない点です。顔認証対応のWebカメラは今回のEMEET PIXYとは少し分野の違う製品であり、あくまでも配信向けのカメラである点に注意が必要です。




(4.5 / 5)


