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電動工具用バッテリーを宅配便で送る時の注意点

電動工具用バッテリーを宅配便で送る時の注意点

電動工具用バッテリーは適切に送ろう

最近はネット通販や個人間取引のメルカリやヤフオクなどで電動工具を買うケースも増え、宅急便で発送するケースも増えてきました。

充電式の電動工具はリチウムイオンバッテリーを搭載されています。以前、リチウムイオンバッテリーの飛行機持ち込み時の制限について解説しましたが、宅急便の場合においてもリチウムイオンバッテリーを同梱すると発送が制限されたり着荷が遅延してしまったりとトラブルが起きる場合があります。

今回は、宅急便でリチウムイオンバッテリーを適切に発送する方法について解説します。

陸上・航空機・船舶輸送で扱いが異なる

宅急便でリチウムイオンバッテリーを発送する場合、陸上・航空機・船舶で扱いが異なります。

本州間で発送では陸上輸送が適用されるのでリチウムイオンバッテリーの容量や個数に制限はありません。1つの段ボールの中に何台もの電動工具を詰め込んでも問題なく発送してくれます。

ただし、航空積載の対象地域ではリチウムイオンバッテリーの積載が制限されます。この場合、発送が拒否されたり着荷までの日数が突然伸びてしまったりとトラブルに見舞われてしまうことがあります。

逆に、適切に梱包と手続きを行えば航空機輸送も可能になるので、発送から着荷までスムーズに輸送することもできます。

航空塔載の対象地域とバッテリー容量を確認

リチウムイオンバッテリー同梱の電動工具を送る前に、発送する地域と着荷する地域と宅配業者の航空輸送区域を確認しておきましょう。基本的な電動工具セット販売形態の工具本体+18V-5.0Ah(36V-2.5Ah)バッテリーの組み合わせであれば1梱包に限り航空塔載に対応できます。

本州・北海道・離島の航空輸送が行われる区間で発送する場合、航空機危険物扱いとなるためリチウムイオンバッテリーの個数に制限を受けます。

またリチウムイオンバッテリーの航空機搭載ではIATA航空危険物規則書に則りバッテリーパック容量100Whを超えるリチウムイオンバッテリーを輸送することができません

100Whを超える18V-6.0Ahや36V-4.0Ahなどの大容量バッテリーは海上輸送しかできないので注意しましょう。

バッテリーの裏面ラベルにはバッテリー容量(Wh)が記載されている。航空便の該当区域の場合100Wh以下であることを確認しよう

梱包の状態と陸上・航空輸送の可否を簡単に表したのが下記の表です。

梱包の状態 陸上輸送 航空塔載

バッテリー単体
×

工具単体

工具+バッテリー(100Wh以下)×2

工具+バッテリー(100Wh超)
×

工具+バッテリー(100Wh以下)×3
×

工具×2+バッテリー(100Wh以下)×4
×

{工具+バッテリー(100Wh以下)×2}×2

事業者ごとの違い

リチウムイオンバッテリーを同梱した電動工具に関しては、陸上輸送区域に関しては各社一律制限なしとなっていますが、航空塔載地域の場合は宅配事業者によって扱いが異なります。

また航空積載地域も業者によって異なるので、発送前に航空輸送になるか陸上輸送になるのかを確認しておきましょう。

ここでは、国内の主要3事業者の例を紹介します。

ヤマト運輸

航空搭載の該当区間:沖縄 ⇔ 他の都道府県、北海道 ⇔ 九州・中国・四国

ヤマト運輸は「宅急便・ヤマト便」の陸上輸送は制限なし。航空塔載に関しては制限付きでの発送に対応しています。

航空塔載の場合、1梱包あたり100Wh以下のバッテリー×2個までなら発送可能です。

この個数制限はバッテリーパックの数を基準にしているので、通常の電動工具用バッテリーの場合2個まで入れることができます。電動工具の付属品として発送しなければならずバッテリー単体の発送は拒否されます

佐川急便

飛脚航空便の必須区間:沖縄 ⇔ 他の都道府県

佐川急便は主要3事業者の中で最も制限が緩く、リチウムイオンバッテリーだけではなく鉛蓄電池等の液体バッテリーも発送できます。

ただし、着荷までの日数が短くなる「飛脚航空便」サービスはリチウムイオンバッテリーの発送が制限されています。また沖縄県への発送に対しては飛脚航空便が適応されます。1

飛脚航空便はバッテリー・リチウム電池全般が航空塔載不可として発送できないので注意しましょう。

日本郵政(ゆうパック)

航空搭載の該当区間航空搭載地域早見表(外部リンク)

日本郵政はリチウムイオンバッテリーの陸上輸送に関する制限はありません。ただし、航空塔載地域に対しては制限が課せられます。

ゆうパックの航空搭載該当区間は広く、北海道・沖縄・九州の一部地域と本州間が航空塔載該当地域となるため、発送前に必ず地域を確認しておきましょう。

航空塔載地域でリチウムイオンバッテリーの発送を行う場合は、条件を満たし所定の書式の書類を用意することによって発送を受け付けてくれます。

脚注

  1. 沖縄行きのお荷物は 飛脚航空便・飛脚ラージサイズ航空便 での発送となります。|佐川急便
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