電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)から0038-3312 TRACKER PRO (トラッカープロ)を2025年11月より全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。スマホの探す機能によりトラッカーの位置を表示できる機能を持つ現場向け仕様が特徴。希望小売価格は5,600円(税抜)
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HiKOKI TRACKER PRO (トラッカープロ) 0038-3312
電動工具ブランド HiKOKI (ハイコーキ)を展開する工機ホールディングス株式会社は、TRACKER PRO (トラッカープロ) 0038-3312を発売します。

TRACKER PRO (トラッカープロ) 0038-3312は、Appleの「探す」アプリやAndroidの「Find Hub」アプリと連携して位置を表示できる現場向けのトラッカーです。
工具箱や工具のコードに固定することで位置情報をスマホ経由で地図上に表示でき、工具の紛失や未回収時の場所の確認や共同工具の所在管理に活用できます。
販売仕様は、アクセサリ 0038-3312で販売します。

- 0038-3312 本体のみ 希望小売価格5,600円(税抜)
製品仕様
| 製品名 | 0038-3312 |
|---|---|
| 外観 | |
| 対応 | Apple : 探す Android : Find Hub |
| 信号到達範囲 | 最大60m (障害物がない場合) |
| ブザー音 | 120dB |
| 温度範囲 | -15~50℃ |
| 防じん防水 | IP67 |
| バッテリー | CR2450 |
| バッテリー寿命 | 約3年 |
| 重量 | 29g |
| 寸法 | 58×45×9mm |
| 本体価格 | 5,600円(税抜) |
| 販売年月 | 2025年11月 |
製品の特徴
「現場向けの紛失防止タグ」

TRACKER PRO (トラッカープロ)は、現場向けの紛失防止タグです。
紛失防止タグとは、スマートフォンに搭載している位置情報サービスを活用した製品で、紛失防止タグを工具箱や電動工具に取り付けることによって、その位置情報をスマートフォン上に表示できるようにするアイテムです。
紛失防止タグを活用することで工具の紛失や現場の未回収を防止することが可能で、共同で使用している工具の所在管理などにも活用が可能です。
位置情報サービスは、Appleの「探す」およびAndroidの「Find Hub」に対応しており、一般的に普及しているスマートフォンであればそのまま使用できる仕様を備えています。
通知音で場所を特定

トラッカーをマークで仕分け設定。探している工具を指定して鳴らすことで、現場や倉庫などでもラクに探しだすことができます。
IP67の防じん・防水性能に適合

さまざまな環境で使用するトラッカーは、IP67規格の基準をクリア。粉じんが機器内部に侵入することを防ぎ、水没しても一定時間の浸水も防げます。
多様な固定スタイルに対応

一般的なトラッカーと異なり、両面テープ・バンド留め・ねじ留めとアイテムに合わせて留められます。(両面テープ標準付属)
ガジェット好きには定番のトラッカーだが、工具ユーザーの知名度はどうか
今回、HiKOKIが販売したトラッカープロは、工機HD子会社の独metabo社が2025年9月に欧州で販売を開始したMetabo Tracker ProをHiKOKIブランド向けにしたものです。
さて、このトラッカープロはガジェットユーザーにはお馴染みのアイテムです。古くはMAMORIO株式会社が2015年に発売したクラウドトラッキングデバイスを発端とするアイテムで、2021年にはAppleがAirtagを発売し、2024年頃にはGoogleがサードパーティ製の紛失防止タグのサポートを開始しました。
そういう意味で、スマートデバイスやIoTデバイスに慣れたガジェットユーザーとしては慣れ親しまれているアイテムではあるものの、工具ユーザーのほとんどの方は存在も知らない製品ではないかと思われます。
実は、紛失防止タグはサードパーティ製の解禁が始まってからある程度の月日が経過しており、同じ機能を使うだけなら通販サイトで最安値1,000円程度から購入でき、100円ショップのダイソーにも1,000円で紛失防止タグが販売されている製品です。ちなみに、Apple純正のAirtagが4,000円で販売されていることを考えると、今回のトラッカープロはサードパーティ品でありながらも純正よりも高い製品となっています。
純正Airtagを使わずトラッカープロを選ぶ利点としては、「バッテリーサイズが大きく3年使用できる」「ブザー音が120dBと大きい」「固定方法が多彩」「Androidにも対応できる」などが挙げられます。
また、盗難防止としての活用については少し厳しい部分があり、紛失防止タグを悪用したストーキング対策のため見知らぬタグが一定時間以上近くにあると、付近のデバイスに警告が表示される仕組みとなっています。そのため、盗難対策としても工具につけても、盗んだ人のスマホに紛失防止タグが付いていることが通知されてしまい、盗難防止としての効果は限定的です。一応、盗んだ人がタグに気付く前に盗まれた工具を見つけることができれば盗難防止には成り得ますが、基本的な製品コンセプトは紛失防止なので、その辺りの認識には注意が必要です。
当サイトでも2023年頃に執筆したコラムとして、電動工具の盗難対策にBluetoothタグが有効ではないか、との記事も執筆していましたが、その2年後となる2025年にようやく国内市場でも工具現場ユーザーに向けた紛失防止タグが発売するようになりました。
この記事を執筆した当時は、ストーカー対策の機能周りは比較的弱い仕様で実装されており、盗難対策としても活用できる仕様だったものの、その後にストーカー悪用対策のためのアップデートが業界的に進められ、盗難対策としては難しい製品になってしまった経緯があります。
また、些細な事ですが、工具を使用するプロユーザーはデジタル機器に不慣れな層も多く、購入はしたものの使用できないユーザーが発生する事態も想定されます。そうなると、販売店や詳しいユーザーが設定から説明まで担うことになり、負担が大きくなってしまうのではないかと考えられ、そのようなユーザー層を対象とした製品を取り扱うのであれば、詳しい解説動画やユースケースなども含めて提供するのがメーカーの立場としての良心ではないのかなと思っています。




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