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HiKOKI 今後の新製品・販売候補品をチェック【2024年秋編】

HiKOKI 今後の新製品・販売候補品をチェック【2024年秋編】

トップ部にバッテリーを搭載するコードレスかんな

HiKOKIは新型のコードレスかんなの開発を進めています。

現行モデルのP18DSLは2014年頃に発売したブラシモータ搭載のモデルであり、発売から既に10年が経過したこともあってだいぶ古い製品となっています。

意匠図のコードレスかんなではバッテリーをトップ部に配置することで本体後方のでっぱりを抑えながら重心を中心寄りにしており、取り回しに優れた形状になっているのが特徴です。

ぱっと見の形状としては結構際どい製品となっていますが、全高が高くなっている以外は意外と使い勝手の良い製品になっているのではないかなと思っています。

Bluetooth搭載のスマート空調服用バッテリー

この特許は、空調服などに使用する汎用的な小型バッテリーに関する特許です。

日立工機は過去に空調服を販売していたのですが、空調服のファン径が大きくなりつつあった時代に小径ファンの空調服を投入してしまい、市場的にパッとしないまま撤退したイメージがありましたが、再び空調服に参入する意図があるようです。

リョービを買収した京セラ電動工具部門の稼ぎ柱はバートルの空調服用バッテリーとなっているようで、当たればそこそこ大きな売り上げを得られる市場となっているので、期待値的にはそこそこな製品です。

とは言え、株式会社空調服やバートルが同じようなスマートバッテリーを既に販売しており、特許を見る限り特に大きな差別化要素にも乏しいことから、実際に販売を開始してもシェアの獲得には繋がらないものと想定しています。

カプセル型紙パック採用の新型コードレスクリーナー

この特許は、カプセル式のコードレスクリーナーのまま紙パック式に対応させるアイデアです。

最近のクリーナーは手軽さやコスト面の兼ね合いからカプセル式やサイクロン式が主流になってしまいましたが、紙パック式には排気がクリーンでゴミ捨て時にゴミを飛散させない衛生的な利点もあります。

HiKOKIはマキタに劣らない質のコードレスクリーナーを出しながらも、知名度や製品数の関係から追い付けない状態にあるので、この紙パック式の開発で紙パックユーザーの心を掴めるかもしれません。

CR12VYのスライド10.8Vモデル

AC電源のセーバソー CR12VYに近いスライド10.8Vセーバソーに関する特許です。

このくらいのセーバソーは展開してなかったっけ?と思っていたのですが、2020年に発売したCR12DAが近い製品になりそうです。

製品フォルム的にはCR12DAがDIY寄りの製品であり、CR12VYスタイルの本製品は現場プロ向けな感じもしているのですが、実際の製品仕様的には同じようなスペックになりそうなので、形を変えて同じような製品を出す意味はあるのかなと思う部分があります。

とは言え、ハンマドリルなども同じようなスペックで形状の異なる製品もありますし、本製品はパネル変速機能もあるようなので、その辺りで差別化要素を出していくつもりなのかもしれません。

コードレスチップソーカッタのマイナーチェンジモデル

この特許では、コードレスチップソーカッタのダストボックス形状を変えています。

HiKOKIチップソーカッタの現行モデルは2021年に発売したCB3605DBですが、この特許意匠図では本体の形状はほぼそのままにダストボックスの形状だけが微妙に変わっています。

この辺りはダストボックス周りの集じん効率を改善した仕様として、マイナーチェンジ仕様の(S)をつけて販売する意図があるのかもしれません。

Bluetooth連動をエアダスタの代わりにする連携機能

コードレスブロワなどの送風機を電動釘打ち機に連結して、電動釘打ち機にエアダスタ機能を持たせる特許です。

一部の釘打ち機には接続したエアをそのまま放出するエアダスタ機能を搭載しており、ちょっとした清掃や現場のホコリ取りなどに活用できる付加機能がありました。

電動釘打ち機は原理的にエアダスタ機能が無いのですが、この特許ではコードレスブロワと管で繋いて、Bluetooth連動でブロワを遠隔操作してエアダスタ機能に近い機能を持たせようとする特許です。

個人的に結構キワモノ色が強いアイデアだと思っていて、釘打ち機にエアダスタはエアがあること前提の付加機能だったはずなのに、逆にその付加機能のためにホースを追加してしまうのは色々と本末点灯な感じがしています。とは言え無線連動を集じんではなく送風に使うのは面白いアイデアなので、別の製品での活用方法を模索してほしいところでしょうか。

コードレスエアダスタ用 火起こしノズル

ここ最近のHiKOKI大ヒット製品 コードレスエアダスタのキャンプ用ノズルです

先端部が金属製になっていて、火起こし用途に特化しているのが特徴です。

アウトドアでコードレスエアダスタを使っている方も多いと思うのですが、先端ノズルが樹脂製なので熱に弱く結構気を使うので、こういうアダプタがあると便利かもしれません。

話は変わりますが、実際にエアダスタをアウトドアで使っている身としては、こういう火起こし用ノズルだけではなく、程よい送風ができる機能がほしいところです。HiKOKIもマキタも微風状態での固定が難しいので、そういうモード追加が欲しいなと思っています。

100V電源でも230V環境のような使い勝手にするAC電源工具

この特許は、AC電源のほかにアダプタ電源から電動工具を駆動できる特許です。

本特許は、230Vの海外仕様の電動工具を100V環境でも使えるようにする特許です。単純にトランスで昇圧している訳ではなく、AC100V入力に加えてアダプタに装着したバッテリーパックからの放電も加えて昇圧する構成になっており、コンセプト的には先日発売したコンプレッサ EC4516HYが搭載するAC+DCハイブリッドテクノロジーのアイデアを活用する形となっています。

230V電源の電動工具は海外地域で販売されている製品で、電圧が高いため3kWクラスの出力性能を持つ電動工具もあります。

そのため、日本のような100V環境では100V電源+バッテリーとすることで電源環境をブーストする特許な訳ですが、バッテリーが無ければ使用できなくなるため、実用途としては使い勝手に大きな制限が入る状態となります。200V電動工具は長時間使用することも多く、実際の現場ではエンジン発電機による対応も行われているため、アイデアとしては一見するものがあっても需要としては少ないかもしれません。

【商願2024-081309】 T⚡PWR

ハイコーキのタブレスバッテリーセル採用の新バッテリーに関する商標です。

タブレスバッテリーとは、リチウムイオンバッテリーセルの構造が変わったバッテリーセルです。簡単に説明すると、バッテリー内部の接点を増やして導通を良くする構造を取り入れたバッテリーセルの事です。

商標のT⚡PWRはタブレスバッテリーセルを組み込んだバッテリーを表すもので、タブレスバッテリー搭載のBSL3640MVT (HiKOKI NZ品番)では最大2,160Wもの出力に対応できる仕様となっています。ちなみに国内ではボッシュとマキタが既にタブレスバッテリーを販売しています。

これは杞憂ですが、タブレスバッテリーは高出力を出せてしまうバッテリーなので、マルチボルトバッテリーが刺さる古い日立工機時代の18V電動工具に使用すると、モータなどが焼けやすくならないか少し不安になっています。

【商願2024-98687】 MAKE. MOVE. GO

2024年9月12日に工機ホールディングスが申請した商標です。

メーカーが申請する商標としては珍しく、単語的なフレーズではないため広報面で使用する予定の商標なのかもしれません。

申請している役務が多岐に渡るため、本商標で具体的に何を行うのかは不明ですが、MAKE(作る)、MOVE(動く)、GO(行く)の単語から察するに、DIY関連のキャンペーンや工機ホールディングス主催のDIYコンテストや製品的な面だと何かしらの動力製品に関するものと予想しています。

あとはマルチクルーザーの新展開だったらある意味喜ばしいのですが、既に発売して2年が経過しようとする製品なので、そちらの方は望み薄かもしれません。

【情報追記】本商標は既に北米地域のMetabo HPTで使用されていると情報を頂きました。

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